home
MENUPREVNEXT

インパクトファクター

■インパクトファクターとは?

Impact Factorとは1論文あたりの引用回数の平均値を計算したもので、その雑誌の影響力を表しています。インパクトファクターが高いほど、影響力の高い論文を収録していると言えます。雑誌の発行形態や発行の規模の違いに関わりなくその雑誌の影響力や重要度がわかります。2005年のインパクトファクターは次の計算式で算出されています。

1999年のインパクトファクター=(2003年と2004年にある雑誌に掲載された論文が1999年に引用された総被引用回数)/(2003年と2004年にある雑誌に掲載された論文総数)

たとえば、Journal of American Society of Nephrologyという雑誌は、2003年に401編、2004年に363編の論文を掲載していますが、2005年にそれらの論文が、3175回と2356回引用されました。したがって、

1999年のインパクトファクター=(3175+2365)/(401+363)=7.240

ということになります。インパクトファクターの計算式を見てわかるように、インパクトファクターは2年間という短期間のあいだに引用された回数で計算していますので、すばやく影響力を与えるような雑誌の方が値が高くなる傾向があり、長年にわたって少しずつ引用されるような雑誌は相対的に値が低くなります。

また、「インパクトファクターが指標として正しくない」と批判する人が指摘するのは、レビュー論文を多く載せている雑誌の方がインパクトファクターが高くなりやすいということです。たとえば、Annual Review ofシリーズはどの分野でも高いインパクトファクターになっていますし、レビューが多いCell系の雑誌もインパクトファクターが高くなっています(Cell系の雑誌の場合もちろんこれだけがインパクトファクターが高い理由ではありませんが)。

最近では、教授選考の際にインパクトファクターの合計点でアシキリするようなケースもあるそうで、研究者にとっては好む好まざるとに関わらず、ついて回る指標になってきています。

■Impact Factorの調べ方

インパクトファクターはトムソン社(旧ISI社、http://www.thomsonscientific.jp/)の出しているJournal Citation Reportsに掲載されています。Journal Citation Reportsは有料で、CD-ROM版またはWebでの閲覧権という形で販売されています。年1回の更新で、だいたい6月頃におこなわれます。。

Journal Citation Reportでは、特定の雑誌を指定してインパクトファクターを調べたり、カテゴリーごとにインパクトファクターの一覧を見たりすることが出来ます。

たとえば、私の研究分野の「Urology&Nephrology」というカテゴリーを選ぶと、45のジャーナルの一覧が現れます。トップのジャーナルが6点そこそこしかないのでちょっと恥ずかしい。

この一覧では、インパクトファクター以外にも以下のような指標を見ることが出来ます。

  • Immediacy Index:ある雑誌のその年に掲載された総論分数で、その雑誌に掲載された論文が同年中に引用された回数を割った値です。最新1カ年のインパクトファクターです。この値の大きい雑誌はニュース性が高い雑誌ということになります。          
  • citing half-life:ある雑誌が引用している文献の半減期。大きいほど、古い論文を引用しているということ。
  • cited half-life:ある雑誌が引用されている文献の半減期。大きいほど長く引用される論文が多いということ。
  • Citing Journals & Cited Journals:これをみることで、競合雑誌がわかります。
更新記録

●2001年3月30日:新規掲載
●2007年4月30日:更新

home
MENUPREVNEXT