■ミネアポリスの紹介
●概要
ミネアポリスはアメリカ中西部に位置し、日本からは成田空港、関西空港からノースウェスト航空の直行便が飛んでいます。そのため、学会等で渡米される時に乗り継ぎで経由された方もいらっしゃることと思います。中西部の大都市シカゴと同様に、冬は風が冷たく、零下20度を超える寒さにもみまわれますが、夏の美しさは格別です。ナンバープレートには10,000 Lakesと歌われており、そのとおり市内にも郊外にも数多く湖があり、自然の宝庫です。住宅街で野ウサギやシカにさえ遭遇することもあります。最寄りの大都市は前述の通りシカゴで、飛行機で1時間、車で5時間(いずれも片道)です。ノースウェスト航空のハブの一つである、ミネアポリス/セントポール国際空港があるため、全米各地へのフライトはさほど不便ではありません。
●物価
住:ミネアポリスのような寒冷地では9割方の賃貸マンションで暖房費が込みになった家賃が提示されいます。その他、水道費、ガス代込みのところが多く、物件によっては電気代も込みになっています(電話、ケーブルテレビは大抵自己負担)。家賃の相場は付加条件と住む地域によって変ります。2002年10月現在、ミネアポリス郊外の屋内駐車場、プール、パーティスペース付き、ケアテーカー常駐のもので、1BDR$700〜、2BDR$1000〜。アウトドアパーキング、プールなしだと1BDR$600〜、2BDR$800〜。大学周辺はもう少し割高なうえ、古い建物が多く、また学生が多いので、うるさい、汚い、盗難事件等、条件も下がります。ダウンタウン近辺は1BDR$1000〜、2BDR$1500〜の高級マンションかスラム街の200-500ドルくらいの物件に両極化します。契約の際にはSecurity
Deposit等で500ドルほど必要になりますが、現金、クレジットカード等は使えない所が多いので、前もって現地の銀行でChecking
Accountを開設して小切手を用意するか、必要分のトラベラーズチェックを用意しておく必要があります。2002年に入ってから、ダウンタウン周辺の物件は空室が多くなり、Application
fee が無料、13ヶ月の契約をすると最初の一月は家賃を無料にするなどのサービスをするところが多くなりました。一年以上の留学予定がある方や、渡航および生活のセットアップにかける費用を節約したい人にはあり難いです。ミネアポリスの北西部郊外に日本人の臨床医学系研究留学者の家族が口コミで多く住むアパートがあり、一つの日本人コミュニティのようになっているそうです。ただし、学齢期の子供同士のトラブル、留学者の日本における学歴、役職、年収、それに加えて、どちらがよりミネソタのトレンドスポットを知っているか、など
からくる奥様同士の付き合い上のトラブルなど、日本の社宅や団地暮らしとなんら変わらない問題を抱え込んで生活するのだという覚悟が人によっては必要だという印象をうけます。このような日本人世帯の居住状態のほか、治安、小学校などの学区、職場まで車通勤しない場合には、アパートが大学への直通バスラインにあるかそして、最寄のバス停が冬季に零下20度を下回っても歩くことをいとわない範囲にあるか(!)、が家捜しの大きなポイントとなります。
食:日本食料品は西海岸の2-4倍ほどの値段になります。しかし、他の肉類、乳製品、野菜、果物は安いので一人だと食材費は$200/monthを切ります。魚は新鮮でもなく高いです。パック牛乳1/2ガロン(約2リットル)で1ドル60セント、卵Lサイズ10個入りが89セントほどです。日本人が衛生状態を考えて安心して買い物できる店はUnited Noodle という店一件しかありません。以前は日本人女性の従業員がいましたので日本語で質問ができましたが、現在はおりません。しかし、2002年夏に店舗の内装を一新し、日本製品の仕入れが強化されたような感があります。米はカリフォルニア米(国宝ローズ)が約5キロを7ドルくらいで購入出来ます。また、アメリカ仕様のIH炊飯器、焼き肉プレート等も最近入荷されました。ここ一年程で、ツインシティエリアにも日本食レストランが増えてきて、競争が激しくなっており、以前はNo.1と言われていたOrigami は、シェフが入れ替わり格段に味を落としています。変わって、Origami の元シェフが新たにミネアポリスのアップタウンに構えたSushi Tango は日本人好みの粘り気のあるしゃりを使っており、一度は試す価値があるでしょう。セントポールダウンタウンにある Katsu Sushui およびSakura の2件は、リーズナブルな値段で新鮮な魚貝の定食が食べられます。メトロドームに近い Kikugawa という店はこの界隈で一番古い日本料理店で、日本人メジャーリーガーが遠征の際によく来店します。板さんと親しくなると、サービスがよく、最新の日本食情報などを教えてくれます。多くの店に共通しているのは、日本人とわからない限りはまともな日本食をださずに、安く仕上げてしまうということです。他、大学近くのPeking Garden という店では、北京ダックのコース料理が2-3人前で32ドルと、日本では信じられない価格で楽しめます。韓国料理はセントポールを中心に数件あり、新羅(Shilla)という店の牛カルビはお勧めです。
衣:ミネソタは衣料品、服飾製品に税金がかからないので非常に助かります。しかし、縫製が雑なので普段着は買えますが学会用のスーツなどきちんとしたものはあまり期待できません。アメリカはリサイクル主義が徹底していて、古着屋でも注意して選ぶとかなり質のよい衣類が一枚5ドル前後で購入出来ます。また、Gap、OldNavyなどは安価でデザインの豊富な子供服を展開しています。Dayton、SaksFifth、JC Pennyの他、空港近くにはMall of Americaもあるので、ショッピング事情はそう悪くありませんが、大都市圏によくある一流ブランドの大型アウトレットモールはシカゴまで行かないと見つかりません。
医療:ミネソタ大学の医療保険は通常の医療保険に加えて歯科治療もカバーしてくれます。給料から天引きされる形で保険料が徴収されます。配偶者や家族も加入出来ます。また、保険の種類によっては日本の健康保険では適用対象外になるような高度先進医療もカバーしてもらえます。大学からの給料をフルタイムで働く雇用者を100%としたときに何%分もらっているかで、保険料の一部が天引き分以外からの自己負担になります。大学の保険に加入出来ない人、加入しない人の多くは日本の保険会社と契約していますが、単身で年額12万ほどかかります。日本の保険会社の場合、病院側と保険会社の米国駐在所、日本の本社担当者をたらい回しにされ、チャージを上乗せされることがあるので、診療を受ける際にきちんと確認しておく必要があります。
移動手段:ミネアポリスは公共交通機関がバスしかない割に町の規模が大きいので、ほとんどの方が車を購入しています。相場は90年代前半の日本車(トヨタ 個カローラ、ホンダシビック、アコード)のAT車、エアコン付き、エンジントラブルなし、という条件で$7000はかかります。賃貸物件の契約と同じように現金やクレジットカードを受け付けないディーラーがいます。車は寒冷地仕様されておりますが、冬季専用タイヤではなくオールシーズンタイヤを通常使用しています。ミネソタ大学の近辺には無料シャトルがあり、キャンパス間の移動手段になります。また、ミネアポリスキャンパスとセントポールキャンパスの中間地域に住む学生や関係者には"COMO Pass"という両地域間を結ぶ路線バスの割引乗車券を購入することができます。大学の駐車許可はラボによってとりにくいこと、また駐車場代を自己負担するのは高額なことから、通勤にはこのような路線バスを用いたり、自転車を使っておられる方も多くいらっしゃいます。
運転免許:ミネソタ州の免許を取得するにはまず筆記試験(コンピューター画面を用いた二択、三択問題)に合格する必要があり、その後路上試験をうけます。その間は仮免許扱いですが、国際免許証があれば単独で運転出来ます。路上試験は運転免許試験場内で行ないます。試験に用いる車は自分で用意する必要があるので、多くの方が州の免許を取得する前に国際免許証を用いて自分の車を購入されるようです。ただし、国際免許であると、保険料が2倍近くかかる場合や、保険契約そのものを結んでくれない場合もあり、路上試験までの日数によっては、レンタカーを利用する方が得な場合もあります。レンタカーの利点は、料金に日割りで保険料を加算してくることと、自動車の整備が万全なので、試験場で整備不良による試験中止措置をうける可能性が低くなることです。空港の近くには、多くのレンタカーショップがあり、トヨタの小型車だと、1週間で300ドル余でレンタル可能です。99年に州法が改正され、筆記試験合格後少なくても3ヶ月経過しないと路上試験をうけられないようになったそうですが、国際免許保持者や、他国の運転免許を保持している(英文で証明可能であること)場合には例外的に3ヶ月未満でも試験が受けられます。ミネソタ州は日系人が少ないので、日本語の問題は用意されていませんが、申し出れば辞書を使用することができます。州の免許を取ると保険料が安くなること、またミネソタ州は飲酒に関しての取り締まりが厳しい方で、州の身分証明証の提示を要求する酒屋やバーがありますので早めに免許をとることをお薦めします。
娯楽:ミネソタには日本の番組だけを専門に扱ったケーブルテレビはなく、他のアジア系放送とあわせてInternationalチャンネルとして提供されています。毎朝60分ほどのニュースと、日曜の夜4時間(NHKニュース、報道2001、ドラゴンボールZ、Hey Hey Hey!、フジテレビ系のトレンディドラマ)しか日本の番組ははいりません。ケーブルテレビはコースによって異なりますが、安いものは月額10ドルほどで加入出来ます。ただし、Internationalチャンネルは、Timewarner Cable という会社を通じて契約できますが、この会社は一部のセントポール地区をカバーしていないということです。住居を探すときに、ケーブルのプロバイダーをきちんと確認されることを薦めます。日系の書店はないので、本や雑誌類はシカゴまで買い出しに行くか、西海岸等に出かけた際に購入するか、日本から来る人に頼む、と言った形での購入が大半です。セントポールにあるKim's Marketという店では日本の連続ドラマ等のビデオの貸し出し(1巻2ドル)、ダビング(テープ持込で1巻10ドル)を行なっています。映画館は数多くあり、セカンドショウになると2ドルで鑑賞出来るシアターもあります。ミネアポリスとセントポールは芸術的関心の高い地域で、人口規模の割に良質なオーケストラや演劇、ミュージカルの公演を見ることができます。インターネットの利用状況は、ミネソタ大学にアカウントを持っている人は月60時間まで学外からのアクセスを無料で提供してもらえるサービスがあるので、あえて民間のアカウントを開設しなくても不便はありません。日本のニュース等はインターネットを通して入手するのが一番手軽な方法といえます。 郊外のEagan という街には、Hobanという韓国料理店に隣接してDoremiというカラオケボックスがあり、最新のものはありませんが、日本語の歌が相当数入っています。スポーツ観戦に関しては、四大プロスポーツが全てそろっており、MLBはマリナーズやレンジャースと同リーグのツインズがあるので、日本人メジャーリーガーを観戦出来る穴場です。2002年シーズンの活躍により、恒久的な球団存続の意気が地元でも高まっており、新スタジアムの建設計画が進んでいます。NBAのTimberWolvesには高卒ながらNBAの高額年棒選手の一人であるケビン・ガーネットがいます。NFLミネソタヴァイキングスは近年低迷が続き、チケットの購入がすこし楽になっております。NHLのミネソタ・ワイルドは昨年新しいホームスタジアム Xcel Energy Center がオープンし、今シーズンの躍進が期待されています。大学スポーツでは、ミネソタ大学の男子アイスホッケーが2001−2年シーズンの全米チャンピオンになり、女子アイスホッケーもそるとレイクオリンピックにメンバーを送り込むなど、強豪チームです。大学構内にアイスホッケー専用アリーナが2箇所もあります。ミネソタはアウトドアスポーツの宝庫であり、釣り、キャンプ、カヌー、ロッククライミング、クロスカントリースキー、スノーモービルなどは全米でも有数のスポットがあるようです。山が少ないので市内のスキー場の規模は小さくなりますが、初心者向けのゲレンデが多く、レンタルスキー、リフト代が安いので、冬の暇つぶしには最適です。また、州北部にあるLutsenという街はスペリオル湖に面した、スキー場を含む一段ウィンタースポーツリゾートです。
●日本人
日系人は少なく、また日本人に関しても留学生、研究留学者の他は3Mやノースウェスト等の大手企業の社員くらいのようです。一説によると300人ほどだということです。日本人の社会的団体は、ミネソタ日米協会(企業関係や日系人、アメリカに移住した日本人が中心)、ミネソタ大学日本人学生会(学部留学生対象ですが、希望すれば会員相応のサービスをうけられます。2000年に再発足)があります。ミネソタ大学日本人学生会では、学部学生のみならず、ミネソタ大学に留学してくる人たちを対象に、物件探しや車の購入等、初期の生活の立ち上げを支援するサービスを行なっており、日本人間のムービングセールの仲介などもしてくれます。その他宗教関係では、キリスト教日本人教会および同学生会、そして創価学会支部(SKG/SGIと呼称されています)があるようです。研究留学者が結束した形での公的団体はあるかどうか不明です。ミネソタ大学在籍の基礎科学および工学系研究者とその家族の方々は連絡組織をつくって、歓送迎会、家族の交流等を図っていらっしゃるようですが、臨床医学関係の留学者との間には隔たりがあるようで、ご夫人同士の友人関係以外に両者の交流をあまり聞いたことがありません。また、独身者、単身者の留学例は男女ともに少ないようです。現地で日本人同士が知り合って結婚するという可能性は非常に低いと考えられます。日本人の数が限られているため、日本人同士の付き合いが多い人になるほど、村社会のように、人の輪がどこかで必ずつながっているというようなわずらわしい面もありますが、反面、遠くの親戚より近くの他人、という意識で皆が助け合う意識を持っているとも言えます。
●教育
日本人補習校は、ミネアポリス市内(ミネアポリス美術館近く)に1校と、郊外のブルーミントン市に1校あります。多くの研究留学者の子女はミネアポリス校の方に通学されているようですが、永住者と留学者(つまり帰国予定者)の正確な割合はわかりません。スクールバス等はなく、親の送迎が必要になります。また、ミネアポリス近郊は日本語補習校のみですので、全日制教育に関しては現地校に通わざるを得ません。ミネアポリス郊外のEdina地区は優れた公立学校があり、治安もよいことで、小学校以上のお子さんのいる家庭にはお薦めです。プレスクールも地区によって異なりますが、ミネアポリスの南側
Edina Bloomington などの地域は概して教育環境がよいと言われています。その他、ミネソタ大学への通勤への至便性と教育水準のバランスがとれている、St.
Anthony地区を選択されるご家族も多いようです。留学者とその家族の方がESLに通うケースも数多く見られます。教会や公的機関の経営するESLは安価な割によい語学教育をしてくれようです。大学のなかには会話だけでなく論文執筆の指導をしてくれるクラスもあるそうです。ラボによってはESLの授業料を必要経費としてサポートしてくれるという良心的なところもあるそうなので、交渉次第で非常によい語学教育をうけることができます。
●治安
ミネアポリスは冬の寒さが厳しいためか、ほとんどホームレスらしき人を見掛けることはありません。また治安がよくない地域はミネアポリスのダウンタウン南側の地域に限られているので、この地域を避けて住めば日常生活に治安面の心配はまったくありません。自然環境のよさと併せて、アメリカ人が選ぶ住みたい都市の上位にランクされることもよくあります。他の大都市に比べると治安面での不安は皆無といってもよいのかもしれません。ただし、一般的に冬季は夜になると寒くなり、店も早々と閉まり、人通りが絶える通りが多いので、徒歩とバスよりも車を購入して移動した方が安全といえます。
2000年10月にはいってから、ミネソタ大学構内で、アジア系女子学生ばかりを狙ったレイプ事件が連続して発生しています。犯人は白人男性のようですが、アジア系女性(特に日本、韓国などの東アジア系)が少ない分、東洋人に対して猥褻な関心を持つ奇特なタイプのアメリカ人の標的になり易いことを考慮した方がよいでしょう。