2014.11.06

ノートの取り方

私の先輩で、講演とか会議を聞くと、非常に丁寧にノートをとっている先輩がいます。とても素晴らしい先生で、なにか研究の相談をすると、あの時あの先生が言っていたと言って、ノートをくくって、それを見つけ出してくれます。

でも、私には、とてもこんなことはできません。もちろん、昔はそうやって、きちんと講演とか授業のノートを取ろうと試みたことはあるのですが、駄目でした。ノートは取ろうと思えば取れるのですが、とっておしまいで活用することができないのですね。

あるとき、私は、メモ、ノートの取り方を180度変えました。今もそのやり方でやっています。

それは、一言で言えば、講演者の話を聞きながら、自分が考えたことを書くと言うことです。つまり、講演を自分のブレインストーミングの起点にすると言うことです。

会議でも、基本、誰かが言ったことをメモに取ることはしません。会議中に、話を聞きながら、思い浮かんできた自分のやるべきことをまとめています。コンピュータが広げられるなら、その場で、どんどんメールを書いて送り、To doリストに書き込んでいます。

研究の講演を聴いているときは、その人の話を聞きながら、自分の研究、実験にどんな風にいかせるかを考えています。そして、こんな実験をやろうとか、今度、この文献を読もうというメモを書いています。

ときには、このスライドのデザインはよくないなと思って、どういうスライドは見づらいかをメモしたりしています。

ですから、人の話を聞いていても、自分が主体で聞いています。時にまったく上の空になったり、急にパチパチ、コンピューターを打ち始めたりしますので、演者の方から見れば、私は態度が非常に悪く、目の前にいたらやりづらい聴衆の一人なんだと思います。

講演者を主語にしてメモをとるのではなく、自分を主語にしてメモをとると言うことですね。こうすることで、むちゃくちゃ、自分の仕事の幅が広がり、仕事が早くなりました。

仕事術としてはおすすめですが、あんまりこんな人間ばかりになると演者はやりづらくなりますね。演者としては、演者の方をしっかり見て、ノートを一生懸命取って、うんうんうなずいてくれる聴衆の方がありがたいですから。

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