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Dana-Farber Cancer Institute, Brigham and Women's Hospital ポスドク募集

ボストンの Dana-Farber Cancer Institute にある私の病理学・腫瘍学・疫学の研究室でやる気のある研究室員を募集しています。Pathology (特にdiagnostic pathology)あるいはEpidemiologyあるいはBiostatisticsのBackgroundが望ましいです。

ラボでの仕事はいろいろありますが、パラフィン癌組織サンプルの管理とプロセシング、データーベースの管理、免疫組織染色、病理組織解析、DNA・RNA解析、Image Analysis、統計解析、あるいはプログラミングです。もちろんすべての手技をできる人はいませんので、得意な分野・経験を生かしていただきます。ラボの仕事をしながら、統計学とプログラミングを勉強できるのは私の研究室の強みです。

プロジェクトは大腸癌、線腫、膵臓癌、消化器内分泌腫瘍の分子病理疫学(Molecular Pathologic Epidemiology)です。私のラボでは大規模な前向き疫学コホートを使って大腸癌と膵臓癌の様々な分子異常の疫学的病因を研究しています。ハーバード大学公衆衛生大学院とBrigham and Women’s Hospitalではこれまで当初は健康な12万人の女性を34年(Nurses' Health Study、http://www.channing.harvard.edu/nhs/)、5万人の男性を24年(Health Professionals Follow-up Study、http://www.hsph.harvard.edu/hpfs/)追跡して、病気の発生を疫学的に研究してきました。私のラボではこの2つの大規模コホートにおいて追跡中に発生した大腸癌と膵臓癌の癌細胞内の遺伝子の異常、Epigenetic changes (DNAメチル化)、酵素やその他のたんぱく質発現の変化を解析しています。追跡に先立ち、あるいは24年、34年という追跡中に、食べ物、ライフスタイル(運動・肥満度・たばこ・アルコールなど)、薬、家族歴、癌や他の病気の発生、生存状況を記録しています。こうした病因に関するデータは癌やそのほかの疾患の発生に先立って集められているためにバイアスのリスクがより少ないのが、前向きコホート研究の長所です。こうして蓄積された貴重な病因データと癌組織の分子異常、患者の生存状況とを総合的に分析するというのが私のラボの研究内容です。一例としてアスピリンがPTGS2 (COX-2)高発現の大腸癌の発生の防ぐ(New Engl J Med 2007)のに加えてPTGS2(COX-2)高発現の大腸癌による死亡率を下げる(JAMA 2009)、あるいは運動がCTNNB1(b-catenin)低発現の大腸癌による死亡率を下げるという病理疫学データを発表しています(JAMA 2011)。最近、私はこうした研究を新しい多分野融合的科学(Interdisciplinary Science)のパラダイムとして“Molecular Pathological Epidemiology” (MPE)と命名しました(J Natl Cancer Inst 2010; Gut 2011; Nat Rev Clin Oncol 2011)。

その他、Multicenter Collaborative TrialであるCancer and Leukemia Group B (CALGB http://www.calgb.org/)のメンバーとして、大腸癌のBiomarkersを調べています。

論文のリストがUpdateされていないのですが、プロジェクトの様子などは下のリンクでごらんください。
http://researchers.dana-farber.org/directory/profile.asp?dbase=main&setsize=16&picture_id=0000434&grouptype_typeid_data=2&gs=r&nxtfmt=r&display=Y&oldurl=Y&lookup=Y&try2=Y&pict_id=0000434

http://www.dfhcc.harvard.edu/membership/profile/member/1099/0/
http://bwhpathology.partners.org/CV.aspx?pathologistName=SO26
http://researchfaculty.brighamandwomens.org/BRIProfile.aspx?id=5797

これは日本語での研究内容の説明です。
http://www.jaranboston.org/column/ShujiOgino/so01.html

興味のある方は(sogi43@gmail.com)宛てに直接連絡をお願いします。興味のありそうな人をご存知の方は、この情報をパスして頂きますと幸いです。お問い合わせや応募が多い場合は返答しきれないこともあるかと思いますが、どうかご容赦ください。
荻野周史
Shuji Ogino, MD, PhD, MS(Epidemiology)
Associate Professor of Pathology, Harvard Medical School
Department of Pathology, Brigham and Women's Hospital
Department of Medical Oncology, Dana-Farber Cancer Institute

投稿者:荻野周史(sogi43@gmail.com)

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