Endnote

EndNoteは一度使った人は二度と手が離せなくなるソフトなのですが、使ったことがない人にEndNoteの便利さを説明するのはなかなか難しいです。

EndNoteの機能は大きく分けて2つ有り、

  1. PubMedなどのデータベースから文献情報を取り込み、文献管理をする。
  2. 雑誌の投稿スタイルに合わせて自動的に参考文献のリストを作成する。

の機能があります。現在は、1の機能をどんどん充実させながら、バージョンアップを続けていますが、私が手放せないのは2の機能があるからです。

少し具体的に書きましょう。たとえば、EndNoteを使わずに論文を書く場合、参考文献リストを作る手順は、論文を引用する場所に論文の番号を書いて、末尾に引用した論文を書くというステップを繰り返して、参考文献リストを作ることになります。

EndNoteを使う場合、引用したい論文をPubMedで見つけ、情報をダウンロードしてEndNoteにlibraryとしてまとめておき、論文を引用したい場所にコピーペーストで引用する印を挿入するだけです。論文が完成した暁にはボタン一つで、参考文献を引用する場所に自動的に参考文献の番号が打たれ、末尾に引用した参考文献のリストを自動的に作ってくれます。

EndNoteを使って参考文献リストを作る場合のメリットは、

  • 論文の番号を打ったり、並べ替えたりする必要がない、
  • 論文の情報はPubMedからダウンロードするので、簡単な上、正確
  • もし、投稿するジャーナルを変更する場合にもボタン一つでスタイルを変えてくれる

といったところになります。使ったことがない方にはこのように説明してもなかなかその便利さが理解されないのですが、はじめて使った人はたいていその便利さに仰天します。

この機能に魅せられ、毎回論文を書くときにはEndNoteのお世話になっています。

数ヶ月前に、EndNote6にバージョンアップしてインストールしたのですが、いろいろと機能が増えいていました。私としては、さきほどあげたEndNoteの機能のうち2の参考文献リストの自動生成としての使い方がメインなわけですが、1のEndNoteを使った文献管理に関しても便利な機能が充実してきています。新しい機能を使うと、新しい文献管理が出来るかもしれません。

たとえば、新しい機能として、EndNoteのlibraryの文献一つずつにリンクが張れるようになりました。つまり、EndNoteで作ったlibraryには、タイトル、著者、抄録などが含まれているのですが、そこに、全文のPDFファイルへのリンクを張ることが出来ます。普通、全文のPDFをダウンロードしてきてもプリントアウトして文献を管理している方がほとんどだと思いますが、いちいちプリントアウトせずにPDFファイルをハードディスクにためておいて、EndNoteで管理するといったことが可能になるわけです。

その他、Palmへの文献データの書き出しなんかもサポートされるようになりました。

EndNoteはこんな具合にとても奥が深いソフトで、なかなかすべての機能を把握しきれないのですが、ちょうど、EndNoteを理解する上で絶好の本が出ていました。作者は讃岐さんという方で知る人ぞ知るという方で、とてもわかりやすく、かつ、役立つ情報が満載の1冊になっています。私はこの本で、医中誌の取り込みの際にはMedline形式ではなく、Refer/BiblX形式でないとダメとわかって、助かりました。

「デジタル文献整理術 最新EndNote活用ガイド」
著者: 讃岐 美智義、本体価格: \2,500、出版:克誠堂出版、ISBN:4-7719-0263-1、発行年月:2003.5【bk1】【amazon.co.jp

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