2013.04.16

物書きのためのソフトScrivener手放せません

今回、単行本を書き上げたわけですが、そのとき、とてもお世話になったのが、「Scrivener」というソフトウェア。以前にも、一度紹介したのですが、まだまだ、知られていないので、もう一度紹介します。

普段の、原稿用紙10枚くらいであれば、Microsoft Wordやテキストエディタ(愛用はJedit X)で書いてしまうことが多いです。でも、単行本となると、いきなり書き始めようと思っても、なかなか書き始められません。目次案をまず作り、書き始めるわけですが、書いている途中で、どんどん章が増えたり減ったり、章を組み替えたりする作業が必要です。そうなると、Wordでは全体の見通しが悪すぎて、作業が難しいです。

Scrivenerは、こういう長い文章を書く人に特化した、ソフトウェアです。Scrivenerのファイルは、専用ファイルなのですが、Word形式で出力が出来るので、入稿するときには、Wordで入稿できます。

残念ながら、日本語化されていないのですが、もちろん、日本語の原稿を書くのはまったく問題ありません。私は、Scirivenerのおかげで、『レジデントのための血液透析患者マネジメント』と『電解質輸液塾』を書き上げることが出来ました。今年は、あと2冊チャレンジしたいと思っています。

Scrivener好きな方は結構いらっしゃるようですね。

物書きをする人の楽園:Scrivener [Mac OS X] | Lifehacking.jp

[N] 原稿書きを手助けしてくれるワープロ「Scrivener」

2011.01.28

物書きのためのソフトScrivener

今年、3冊本を書くことを目標にしているが、1冊目、いよいよ佳境に入ってきた。

単行本を単著で書くとなると、Wordやテキストエディターでは手に負えなくなる。全体の構成と、各単元の文章の作成を同時並行に進めないといけない。ある程度まで、Outlineソフトで進めて、煮詰まったところで、テキストエディターに切り替えるという方法もある。でも、できることなら、一つのソフトで進めたい。私の場合、本ができあがる、50%くらいまでは、全体の構成と各単元の文章作成をいったりきたりする。そういうことができる、物書きのためのソフトがある。今回の本の執筆で使っているのが、Scrivenerというソフト。

もちろん、できあがったデータは、Scrivener専用のデータ形式なのだが、「このレベル以下をまとめて Wordに」と言う形で、Wordやリッチテキストで書き出せるので、編集者に渡すことができる。

まだまだ、使いこなせてはいないのだが、このソフトの便利さがだんだんわかってきたところ。値段は、ちょっと高いし、日本語化されてもいないのだが、日本語チュートリアルを作って下さっている方がいる。

ただ、このソフトを使い始めて、意外なことに気づいた。Macのリッチテキストファイルには、rtfdという、添付書類付きRTFという形式がある。Scrivenerで画像を含んだ、リッチテキストファイル形式で書き出しをおこなうと、RTFD形式になるのだが、Appleが勝手に、appleがrtfを拡張して作った独自のフォーマットらしく、まったく互換性がなくて、Macの「テキストエディット」でしか開けない。まあ、編集者に渡すときには、PDFで渡してもいいので、とりあえずは、問題ないのだが、、、。これは、Scrivenerの問題ではなくて、Appleの問題。

Scrivener好きな方は結構いらっしゃるようですね。

物書きをする人の楽園:Scrivener [Mac OS X] | Lifehacking.jp

[N] 原稿書きを手助けしてくれるワープロ「Scrivener」

2010.08.26

iSightをバーコードリーダーにして蔵書管理

Macのほとんどの機種には、ディスプレイの上に、iSightと呼ばれる、カメラが付いています。iSightをバーコードリーダーとして使えないかなぁと思っていたら、ちゃんとそういうソフトがありました。

Books for Mac OSX

このソフトを立ち上げて、iSightの前に本の裏表紙に付いているISBNバーコードをかざすと、自動的に、ISBNを読み込んでくれます。さらに、クイックフィルを押すと、アマゾンから、書誌情報や書影を取ってきてくれて、本当に、簡単に、蔵書データベースが作れます。

昨日紹介した積ん読本10冊の書誌情報をほんの2,3分で取得できて、データベース化できました。

自分の感想とかも書き込めて、Macを持っている人の蔵書データベースとしては、かなりおすすめ。

私としては、ISBNを取り込んだ後、アフィリエイトとかのタグを書きだしてくれるとうれしいのだけど、、、。

2009.11.24

写真からCoolなスライドショーが作れるLIFE* with PhotoCinema 3

昔から愛用しているソフトに、LIFE* with PhotoCinema 3というソフトがあります。AmazonではWindows版しか売っていませんが、もちろん、Mac版もあります。

このソフトは、写真から、CoolなスライドショーPhoto Cinemaを手軽に作るソフトです。できあがったのもを見たら、たいていの人がびっくりします。

いいタイミングで写真を入れて、適したエフェクトを使って、というとかなり手間もかかるのですが、「おまかせ」というモードがあって、これで作ってもそれなりのものができます。

今年の夏に行ったニュージーランドの写真を「おまかせモード」で、Photo Cinemaにしてみましたので、とりあえず、見てみて下さい。

このバージョンから、Youtubeへのアップロード機能がついたので、上の動画はYoutubeを使ったストリーミングになっています。

上手に作るコツが一つあります。それは、縦長の写真を使わないこと。縦長の写真は、はじめのところで、トリミングして横長にしておいた方がいいです。

結婚式なんかで使うとかなりいいですね。

2009.11.21

誘惑を断ち切れるエディタWriteRoom

世の中には誘惑が多い。コンピュータの中にも誘惑は多い。

原稿を書こうと思っても、ついついメールチェックをしてしまう。インターネットを見てしまう。なかなか、原稿がはかどらないという人いませんか。私がまさに、そんな人間なのです。

原稿書きには、今まで、Jeditというエディタを使っていたのですが、最近お気に入りなのが、WriteRoom

このソフトは、全画面表示が売りのソフトです。立ち上がると、いきなり全画面表示で、エディタだけが使えるようになります。後ろには、他のソフトやデスクトップも見えません。一旦、全画面表示をoffにしないと、他のソフトが使えませんので、おのずと、原稿に集中できます。

デフォルトでは、背景が黒で、文字が蛍光色でちょっと目が疲れますが、このように、自由に色は選べます。

全画面表示って、ソフトに組み込むのはそれほど大変ではないと思うのですが、調べてみると、意外と少ないのです。

エディタとしての機能が充実しているかどうか、そんなことは知りません。とにかく、この全画面表示が欲しくて、このソフトを愛用しています。一度使ってみて下さい。このシンプルさが快感になります。

2008.08.20

Endnoteへの要望

Endnoteの開発責任者の方とお話しさせていただく機会がありました。

わざわざ、私の職場にまで足を運んでいただいたのですが、私もあまり準備をしておらず、英語でのインタビューだったので、要望をきちんと伝えられたかわかりませんが、せっかくの機会なので、私のEndnoteへの要望をまとめておきます。

  1. Endnoteの機能は大きく分けると2つで、1つは、文献管理機能と言うことになります。私は、文献管理にEndnoteを使っておらず、PDFを印刷してファイルしています。でも、もし、PDFの文献管理をコンピュータ上でおこなうとしたら、iPapersを使うと思います。Endnote開発者の方もiPapersが良くできていることは認めているようで、PDFの文献管理をより簡単にするために、PDFのリンクを簡単にできるようにすることの必要性は理解されているようです。近い将来実装されるようです。
  2. もう一つのEndnoteの機能は、論文の作成の際の文献リストの作製ですが、私はこの機能の便利さだけで10年以上にわたってEndnoteを使っています。こちらには、とくに要望はないのですが、論文ではなく、研究費申請書など向けに10個くらいの論文リストを作る際には、Endnoteはオーバースペックなような気がします。このような少量の論文リストを簡単に作る機能があるといいな、というのが私の要望です。
  3. 私の作ったPubList Makerに興味を持ってもらいましたが、こんなのも、Endnoteの機能としてではなく、Endnote-poweredみたいな感じでおまけでつけたらいいんじゃないかとお話ししました。
  4. あとは、EndnoteはOffice Wordのプラグインとして使う形になっているので、Offie Wordがメジャーアップデートしたときに、しばらく、Endnoteに不具合が生じます。半年くらい待てば、Endnoteがメジャーアップデートして対応するわけですが、そのタイムラグを出来る限り短くして欲しい。また、メジャーアップデートではなく、マイナーアップデートで無料で対応して欲しいと伝えました。
  5. Endnote-WEBはどうだ、と聞かれましたが、私は、Endnoteを使っているので、Endnote-WEBは使っていませんが、いずれにしても、Endnote-WEBはWeb of Scienceの機能の一部となっていて、Web of Scienceが値段が高すぎて契約している大学が少なすぎるのが問題だと話しておきました。

あとは、日本でのdistributerであるユサコへの要望ですが、

  1. 値段を思い切って下げるべき。
  2. USでは提供されているダウンロード版を日本でも許可すべき。
  3. アカデミック版がなく、スチューデント版しかないが、アカデミック版として、広く若い研究者に使ってもらえるように対象を広げるべきだ。

とお話ししました。こっちはなかなか難しいでしょうが、ユサコさんには頑張ってもらいたいです。

大好きなソフトだけに頑張ってもらいたいです。

Endnote使いは、是非「最新EndNote活用ガイドデジタル文献整理術 第3版」をご一読下さい。

2008.03.07

結局Office 2008 for Mac をインストールしたけど、、、

結局、「Office 2008 for Mac ファミリー&アカデミック」をインストールすることにしました。なぜかというと、Office 2004 for MacとOffice 2008 for Macは同時インストールしてもよいということがわかったからです。

で、結論から言うと、Office 2008 for Macはあえて入れなくてもよかったかなという印象です。「私がOffice 2008 for Mac のインストールをためらう6の理由」は、だいたい当たっていたので、しばらくは、Office 2008とOffice 2004を併用していくことになると思います。

やはり、極めつけが、グラフのY誤差範囲に、特定の値を割り当てられないというExcel 2008の致命的な仕様です。馬鹿にしているとしか思えません。

3月11日にアップデータが出るようなので、期待しましょう。

2008.03.06

私がOffice 2008 for Mac のインストールをためらう6の理由

ユニバーサルバイナリ化された「Office 2008 for Mac ファミリー&アカデミック」は待ちに待ったソフトだったので、発売と同時に2本購入しました。うれしかったのは、1本に3つのライセンスがついていること。現在使っている4台にインストールしても、まだ、2つライセンスが残る。こうやって、ちゃんとお金を払って購入した人には、複数のライセンスがついてくるって言う仕組みはとてもいいと思います。

でも、3月6日現在、この「Office 2008 for Mac ファミリー&アカデミック」は封を切っておらずインストールしておりません。

インストールをためらわせる理由がいくつかあります。

  1. WindowsのOffice 2007と同様、ファイルフォーマットがOffice Open XML Formats (OOXML) ベースになっているため、下位互換がない。もし、古いバージョンでも読めるようにするには、別形式で保存する必要があります(もしくは、読み取る側でコンバーターを使って変換する)。他の人にファイルをあげるときにも注意が必要です。WindowsでもOffice 2007を使い始めた人が結構苦労しているようです。数年すれば、OOXMLベースのファイル形式が一般的になるのでしょうが、、。
  2. EndnoteがWord 2008 for Macに対応していない。
  3. Excel 2008 for MacがVBAが動作しなくなった。そんなにマクロを使う機会はないのですが、企業で使う人にとっては致命的でしょう。
  4. これまでのExcelではグラフに誤差範囲(エラーバー)を描くとき、あらかじめセルに入力しておいた誤差範囲の値を指定できていましたが、Excel 2008 for Macでは、その指定ができなくなっているらしい。これほんとだとするとかなり困るなぁ。 かなり致命的な仕様。
  5. そんでもって、ユニバーサル化されて早くなっているのかと思ったら、Mac系の雑誌なんかを読むと、ソフトが肥大化した分、ユニバーサル化されたスピードアップは相殺されて、体感的にはほとんどかわらないそうな。
  6. で、一番大きな理由は、今困っていないから、あえてインストールする理由が見つからない、というものです。

PowerBook Alの後継となるMacBook Proが届いたようで、本当はこのタイミングでインストールしたかったのですがマイナーアップデートが出るまでは待とうかな。

「Office 2008 for Mac ファミリー&アカデミック」

マイクロソフト(2008/01/16)、価格:¥ 21,546(税込)、ASIN:B000W9EGA4 【amazon.co.jp

 


2007.08.08

Keynote '08の新しいトランジション

Leopard発売と同時にKeynote '08は登場するのかと思っていましたが、 iMacの発表がメインのちょっと中途半端なタイミングの8月8日に登場しました。Apple Ginzaでは発表当日にすでにiWork '08 が販売されていたので、さっそく手に入れました。

大まかな使用感は大きく変わっていませんが、ソフトウェアの目指す方向はPowerPointとは明らかに異なってきている印象を受けました。細かいレビューは後日ご紹介するとして、とりあえず新しく加わったトランジションとビルドを、新しいテンプレートとともに紹介します。以下、クリックするとムービーが動きます。ムービーサイズが結構大きいのでご注意下さい。

テンプレート:インダストリアル、トランジション:カラープレーン

テンプレート:セドナ、トランジション:コンフェッチ

テンプレート:チャコール、トランジション:スワップ

テンプレート:クラフト、トランジション:ぼかし

テンプレート:ブループリント、トランジション:フラッシュ

テンプレート:ベラム紙、ビルド:炎

テンプレート:ストックブック、ビルド:彗星

テンプレート:ハーモニー、ビルド:スパークル

テンプレート:ヘッドライン、トランジション:ドリフト

Apple Store(Japan)

2007.07.12

ファイルメーカーを用いたデータの照合作業

7月8日の記事「Microsoft Accessを用いたデータの照合作業」を公開したら、コンピュータフォーラムで、「access使わなくても、ファイルメーカーでできる」「Mac使いにあるまじき」とご指摘を受けました。

すいません。ファイルメーカーでもできましたので、お詫びをかねて、ファイルメーカーで同じ作業をするための手順を書き留めておきます。

さて、もう一度確認しますが、今回おこなう作業はマイクロアレイの2つのエクセルファイルをgene_IDを目安に一つのテーブルにまとめ上げるという作業です。エクセルファイル1には、gene_IDごとにシグナル値などのデータがまとめてあり、エクセルファイル2には、各gene_IDに対応する遺伝子情報がまとめてあります。

まず、エクセルファイル1をファイルメーカーのアイコンに重ねて、ファイルメーカーで開きます。

次に、エクセルファイル2から、gene_IDを照合しながら、遺伝子情報をエクセルファイル2に書き込みます。そのためには、「ファイル」>「レコードの取り込み」からエクセルファイル2を指定します。そして、「フィールドデータの取り込み順」において「現在の対象レコード内で一致するレコードを更新する」を選択肢、gene_ID同士を「照合フィールド」を指定してやるのがポイントです。ファイル1の方に、「遺伝子情報」のフィールドをあらかじめ作っておくか、「フィールドを定義」であらたにフィールドを作っておきます。これで「取り込み」を押せば、自動的に照合作業が進みます。

というわけで、Accessだと30000件の照合作業が1分以内に終わったのですが、ファイルメーカーの場合は数時間(たぶん8時間くらい)かかりました。私が使ったファイルメーカーのバージョンが5.5と古いのがいけないのかもしれません。

ということで、コンピュータフォーラムでご指摘頂いた方、ありがとうございました。

2007.07.08

Microsoft Accessを用いたデータの照合作業

Windowsコンピュータは、一応一台持っているのですが、この1年間全く起動していません。

今回、Microsoft Accessがどうしても必要になったため、おそるおそる起動させてみたのですが、調子が悪く、ディスプレイの解像度が低くなってしまっています。ちょっといじったところ、その他にもいろいろ不具合があり、それらを直す気力がありません。コンピュータというのもかわいがってあげなければ、ダメなわけです。

というわけで、Intel Macに導入しておいたParalles/Windows Vistaを使ってみました。

さて、今回、Accessでなければダメだった作業とはマイクロアレイの2つのエクセルファイルをgene_IDを目安に一つのテーブルにまとめ上げるという作業でした。

1つのファイルには、gene_IDごとにシグナル値などのデータがまとめてあるのですが、それぞれの遺伝子の詳細は含まれていません。一方、各gene_IDに対応する遺伝子情報をまとめた一覧ファイルがあるという状況でした。両者が、ともにgene_IDの並び順が同じで、途中抜けたりすることがなければ、コピーペーストでなんとか乗り切れるのですが、両者でgene_IDの並びがめちゃくちゃで、抜けている遺伝子も結構あるために、手作業で遺伝子情報をコピーペーストをするのは気が遠くなるような作業でした。

以前タカラバイオが出している小冊子に、こんなときMicrosoft Accessを使うと一発であるというのを思い出して、Accessを使うことになったわけです。

基本的な捜査としては、シグナル値を含むエクセルファイル、gene_IDに対応するエクセルファイルをAccessにインポートしておきます(「外部データインポート」>「エクセルファイル」)。「作成その他」>「クエリデザイン」で新しいクエリデザインを作り、それぞれのデータベースを配置します。そして、それぞれのデータベース上で関連づけるgene_IDを結合させます。そして、必要なフィールドを追加していきます。最終的に、「デザイン結果」>「表示」で、結合したテーブルができあがります。30000件ほどのデータ照合でしたが、本当に驚くほど短時間(1分以内)で終わらせることが出来ました。Parallesで動かしても、まったく速度は問題ないです。あとは、エクセル形式で書き出して、Mac側に持って行けばおしまい。

なかなか参考になった記事ですが、幸いダウンロードで読めますので、試したい方はお読みになって下さい。

BIO VIEW基礎講座データファイルDownload_47

2006.11.30

StatViewなき後のMacの統計ソフトは何か?(3)〜JMP

私がStatViewなき後のMacの統計ソフトとしておすすめする2つめのソフトがJMPです。

統計ソフトの定番となりうるための条件、

  • インターフェースがわかりやすいこと
  • 十分な解析手法をカバーしていること
  • わかりやすい解説書が出ていること
  • ソフトが日本語化されていること

の内、JMPはすべてを満たしています。特に定評があるのが、その操作性であり、「バイオ研究がぐんぐん進むコンピュータ活用ガイド」【bk1】【amazon.co.jp】の統計ソフトの紹介で、田久先生が「SASやSPSSからJMPに乗り換える人はいるけれど、一度JMPを使ってほかのソフトに乗り換える人はいない」と言っているほどです。

しかし、2006年の3月からひとつ大きな問題が生じていました。最新版のJMP6がIntel Macでは動作しなくなっていたのです。私も、JMPに移行すると決心してすぐに、このことがわかったため、またしても統計ソフト難民となってしまっていました。

しかし、ようやく、問題が解決したようです。JMPのサイトにアナウンスが出ました。

Mac OS X 10.4.8 Update Corrects Defect in Apple's Rosetta Emulation
October 5, 2006

The Mac OS X 10.4.8 Update addresses the defect in Apple's Rosetta emulation. JMP 6 is now supported for use on Intel-based Macintosh hardware with Mac OS X 10.4.8 and higher.

All JMP users with Intel-based Macintosh hardware should apply the Mac OS X 10.4.8 Update from Apple to ensure correct numeric calculations.

The Mac OS X 10.4.8 Update can be downloaded from the Apple website.

つまり、Mac OSXが10.4.8にアップグレードされることによって、JMPは無事動作するということです。私は今後、統計ソフトとしてJMPを使っていこうと思っています。

JMP関連の書籍は「研究者の書棚」>「統計関連書籍」をご覧下さい

関連情報は「研究に有用なソフトウェア - 統計ソフト」をご覧下さい。

2006.11.29

StatViewなき後のMacの統計ソフトは何か?(2)〜GraphPad Prism

私がStatViewなき後のMacの統計ソフトとしておすすめする1つめのソフトがGraphPad Prismです。

以前、アップルコンピューターの方とStatViewの次にキラーソフトとなりえる統計ソフトを育てるにはどうしたらよいかという話をしたことがあります。統計ソフトの定番となりうるための条件として、

  • インターフェースがわかりやすいこと
  • 十分な解析手法をカバーしていること
  • わかりやすい解説書が出ていること
  • ソフトが日本語化されていること

があげられます。StatViewが定番ソフトとなり得たのは、上記の条件をすべて満たしており、特に、わかりやすいStatView解説書がたくさん出版されたことによるのだろうというのが私たちの結論でした。

Prismアップルの方が、StatViewの次に定番の統計ソフトに育てていきたいと考えていたのがGraphPad Prismです。GraphPad Prismは以前私がレビューをしたように、 インターフェースはMacソフトとして洗練してされておりソフトとしてはとても使いやすいソフトです。Apple Medicalにおいても「アップル - Medical - Prism:医学統計解析をインタラクティブに処理 」でレビューされていますのでご覧ください。しかし、GraphPad Prismには、解説書がなく、また、ソフトが日本語化されていないのが、このソフトを取っつきにくくしていると考えられます。わかりやすい解説書があれば、日本語化されていないというのはそれほど大きな障壁にはならないので、解説書の出版がながらく待たれていました。

そして、その解説書がついに発刊されたのです。「GraphPad Prismによる生物統計学入門」です。 本書では、まず、統計に関する最低限の統計の基礎知識を解説した後、GraphPad PrismPrismの使用方法、主な解析手法の行い方を解説しています。

GraphPad Prism に興味のある方は、 日本の代理店((有)エムデーエフ)から30日間使用できるデモ版を ダウンロードし、この本を片手に使用してみてはいかがでしょうか。

「GraphPad Prismによる生物統計学入門」

著者:平松 正行著、税込価格:¥6,090、出版:カットシステム、ISBN:4877835008、発行年月:2006.11【bk1】【amazon.co.jp】【目次

Macで評判の高い統計ソフトGraphPad Prismの初の日本語解説書。 基本的な統計の知識を解説した後、GraphPad Prismの使い方を、よく使う解析方法用いて解説。


なお、以下の書籍はGraphPad Prismの解説書ではありませんが、Prismを開発したMotulsky博士の書で、統計の書籍として人気のある本です。

「数学いらずの医科統計学 ~コンピュータ・エイジのための統計学指南」

著者:Harvey Motulsky、津崎 晃一監訳、税込価格: ¥4,935 (本体: ¥4,700)、出版:メディカル・サイエンス・インターナショナル、ISBN:4-89592-175-1、発行年月:1997.12 【bk1】 【amazon.co.jp

Prismの解説書ではありませんが、Prismを開発したMotulsky博士の書で、統計の書籍として人気のある本です。


関連の書籍は「研究者の書棚」>「統計関連書籍」をご覧下さい。

関連情報は「研究に有用なソフトウェア - 統計ソフト」をご覧下さい。

2006.11.28

StatViewなき後のMacの統計ソフトは何か?(1)

長年、Macのキラーソフトでもあった統計ソフトStatView。残念ながら、2002年に販売を終了してしまいました。StatViewはMac OS Xでは動かず、Mac OS 9またはMac OS XのClassic環境でしか動かせないのですが、今でも多くの方が使っています。しかし、この1年でMacがIntel Macへの移行を完了し、Intel MacがClassic環境をサポートしないので、いよいよStatviewを使うことができなくなります。

では、StatViewに統計を頼り切っていた人たちはどうすればいいのか?私自身、これだというソフトをおすすめすることができませんでしたが、ここにきて、このソフトがいいのではないかとというソフトが出てきました。というか、すでにソフトは存在していたのですが、いくつかの状況が整わずにおすすめできなかったのですが、ここ数ヶ月でその条件がクリアされました。

さて、私がStatViewなき後のMacの統計ソフトとしておすすめするのは何かというと、Graphpad PrismJMPです。

つづく。

2006.09.20

EndNote X Macintosh版 販売開始

EndNote X Macintosh版が販売開始され、私の手元にも届きました。

今回の主な強化点は、

  • 搭載されている投稿規程のスタイル数は、2,300種類以上
  • 相対パスでのリンクによりPDFファイルへのリンク切れを回避
  • ドラッグ&ドロップするだけの簡単操作でPDFファイルをリンク付け
  • ライブラリの圧縮アーカイブ化機能により容易にバックアップ・共有
  • ライブラリ画面のフィールドを8つまで表示可能
  • 未入力フィールドを非表示にすることでレファレンス画面でのスクロール操作を低減
  • 日本語OS環境での親和性向上
  • Intel Mac ネイティブ対応で動作速度向上        
  • カスタマイズ可能なツールバー        
  • 手軽に検索できるSearch Library 検索ボックスをツールバーに追加可能

だそうですが、Intel Macにネイティブ対応したということ以外、あまりメリットがなさそうです。そもそも、EndNote自体動作速度が問題になるようなソフトではありません。むしろ、ライブラリが旧バージョンと互換性がなくなったので、 以前のライブラリをコンバートするためには、EndNote X をRosetta上で起動させる必要があるようなので、とりあえず、インストールはしばらく見合わせることにしました。

2006.08.25

Gmailをスパムフィルターとして使うための方法

皆さんも、おそらく困っていると思われる大量のSpamメール。最近のプロバイダにはSpamフィルターサービスを提供しているところもありますし、メールソフト自身、Macであれば、MailやEntourageにも迷惑メールを振り分ける機能が備わっています。

しかし、Gmailのスパム振り分け機能は非常に優秀であることが知られており、「Gmailが誰でも使えるようになった」現在、Gmailをspamフィルターとして使うのもありでしょう。webサイトなどで公開しているアドレスの場合、大量のspamメールが来ます。このspamメールをブロックするために、Gmailを利用する方法について紹介します。

公開しているAアドレスにくるspamメールをブロックするために以下のようなシステムを作ります。

公開しているAアドレス >転送> Gmail >転送> 非公開のBアドレス

設定は以下のように行います。

  1. 公開しているアドレスAに来たメールすべてをGmailあてに転送するように設定します。
  2. Gmailでは自動的に迷惑メールを振り分けてくれます。
  3. Gmailの「設定」>「メール転送とPOP転送」で「受信メールを次のアドレスに転送」を指定し、非公開のBアドレスへの転送を設定します。転送せずに、POPでメールを取得するということも可能です。
  4. これによって、BアドレスにはAアドレスに届いたメールのうちspamメールを除いたメールだけが送られてくることになります。

ただし、Gmailのspamフィルター機能が優秀とはいっても100%ではありませんので、時々Gmailの迷惑メールに振り分けられたメールをのぞいてみることが必要です。あと、この方法の利点は、コピーをGmail上に残すことができるので、複数のコンピュータや携帯電話へのメールの同期をとることができるということです。

なお、公開しているAアドレスが、変更できないメールアドレスの場合は、別の方法をとる必要があります。たとえば、大学から配給されているメールアドレスは、大学のwebサイトや論文のcorrespond先として公開されていることが多いと思います。この場合は、

公開しているAアドレス >転送> Gmail >転送>公開しているAアドレス

として、Gmailのspamフィルターを使うことになるのですが、転送の条件を工夫する必要があります。「メールヘッダーを見て、Gmailから転送されたメール以外を転送する」ように設定します。こうすることで、メールの転送ループを防ぐことができます。ただし、必ずしもこのような転送設定が行えるとは限りませんし、転送設定失敗すると転送ループに入ってしまいますので、細かい設定はご自身で考えて行ってください。

2006.08.23

Gmailが誰にも使えるようになった

GoogleのWebメールサービスGmailは、今まで招待制でしたが、8月23 日より、日本では登録制(つまり誰でも使える)になりました(IT media) 。Gmailは、hotmailやyahooメールと同じといってしまえばそれまでなのですが、最大の特徴は、メールサーバの容量が2.5GBもあるということです。これだけの容量があると、様々は使い道が生まれてきます。mailは消去する必要がなくなり、Gmailにいろんなアカウントのすべてのメールをためておくとか、GmailをSpamメールのフィルターとして使うとか、Todoに使ったり、と、いろいろなHackがあります。GmailのHackについては「各種Gmail Hackまとめ」などというサイトもありますので参考にしてみてください。とりあえず、私もGmailのアカウントをとって、いろいろ使ってみるつもりです。

研究留学する人にとっては、月々2000円で実質的にアメリカ国内でも接続無制限となるso-netは貴重でしたが、残念ながら2006年9月30日をもって、このサービスが終了され、その後は、アメリカ国内のローミングサービスはすべて従量制になるということが決まっています。

今後は、Gmailが研究留学する人の必須アイテムになる気がします。

2006.08.17

論文作成のテクニック〜論文作成のためのソフトの使い方

非常に興味深いwebサイトを見つけたのでご紹介します。「論文作成のテクニック」です。いわゆる「論文の書き方」を解説したのではなく、「論文作成のためのソフトの使い方」について解説されたものです。久留米大学の児島先生が書かれたもので、どこかの出版社に本にしてもらおうと思ったけれども没になったのでwebサイトに載せたとのことです。

ここで紹介されているテクニックはかなり興味深いものです。特に、Illustlatorの使いこなし方にかなりのページを割いており、とても参考になります。グラフ作成の際に、グラフ用紙に手書きしたものをスキャンしてIllustlator CSで描く、という方法には驚きました。ちなみに、題材として使っている論文がNature誌に採択されたものなので、さらに説得力があります。

児島先生が論文作成の際に使うソフトをまとめると、

  • 本文はMicrosoft Word X for Macで書く。
  • グラフはグラフ用紙に手書きしたものをスキャンしてIllustrator CSで描く。
  • 画像の取り込み調整はPhotoshop CSを使い、Illustlator CSに取り込んでレイアウト、微調整をおこなう。
  • FigureのレイアウトはIllustlator CSでおこなう。
  • 参考文献はEndnote 7を使って書き出す。
  • 本文のPDF化はMac OSXの機能である「PDFとして保存...」を利用。FigureのPDF化はIllustrator CSのPDF書き出し機能を使用。そして、Acrobatで一つのPDFファイルにまとめる。

となっています。

児島先生に習って、論文を作成する場合、私がどのようなソフトを使っているかをご紹介します。

  • 本文はMicrosoft Word 2004 for Macで書く。
  • 参考文献の書き出しはEndnote 9を使う。
  • グラフの作成はMicrosoft Excel 2004 for Macでおこない、Illustlator CSに取り込んでレイアウト、微調整をおこなう。
  • 画像の取り込み・調整はPhotoshop CSを使い、Illustlator CSに取り込んでレイアウト、微調整をおこなう。
  • Figureのレイアウトは以前はMicrosoft PowerPoint 2004 for Macを使っていましたが、最近はIllustlator CSを使っています。
  • 本文のPDF化はAcrobatを使っておこない、FigureのPDF化はIllustrator CSのPDF書き出し機能を使います。そして、Acrobatで一つのPDFファイルにまとめます。

私の方法は、児島先生の方法にかなり近いと思いますが、細かい部分では異なっている部分もあり、その辺に関しては、またの機会にご紹介したいと思います。

なお、細かいテクニックに関しては拙著「バイオ研究がぐんぐん進むコンピュータ活用ガイド」も参考になると思います。

2006.08.13

ATOK 2006 for Macで医療辞書06を使う

ATOKを使うときに頼りになるのが、医療辞書。以前、「医療辞書」というエントリーでその使い心地をレビューしました。

さて、今回、ATOK2006 for Macを使い始めて、心配だったのが医療辞書が使えるかどうかということでした。結論から言うと、「医療辞書'06」はATOK2006 for Macには対応していませんでしたが、対応させる方法がありましたのでご紹介致します。

まず、医療辞書をインストールしますが、簡易インストールだと余分な辞書までインストールされてしまうので、カスタムインストールで「医療辞書'06 ATOK2005用」のみをインストールします。次に、ATOKの辞書にインストールした「医療辞書06メイン辞書(atk18_MD.dic)」
を登録するのですが、ATOK2006辞書ファイルとして認識されないので、登録できません。

そこで、まず、医療辞書06メイン辞書をATOK2006形式にコンバートします。

  • 辞書ユーティリティを起動します。
  • [辞書ファイル]をクリックし、[辞書コンバート]シートを選択します。
  • [変換元辞書]の[辞書指定]をクリックし、atk18_MD.dic(ユーザ/共有/医療辞書06/にあります)を選択して[開く]をクリックします。
  • [変換先辞書]の[辞書指定]をクリックして、辞書ファイル名として「atk18_MD_converted.dic」(好きな名前で結構です)を入力して[保存]をクリックします。
  • [実行]をクリックします。
  • 辞書コンバートが行われます。
  • 終了したら[閉じる]をクリックし、辞書ユーティリティを終了します。

次に、コンバートした辞書をが使えるように設定します。

  • 環境設定を起動します。
  • [辞書・学習]シートを選択します。
  • [辞書セット一覧]から、コンバートした辞書を設定する辞書セットを選択します。
  • スペースバーで変換できるようにするときは[標準辞書セット]を選択します。
  • [追加]をクリックします。
  • [その他]をクリックして、先ほどコンバートした「atk18_MD_converted.dic」を選択します。[追加]をクリックします。
  • 辞書セットの内容の一覧に、選択した辞書が追加されます。
  • 追加した辞書がオンになっていることを確認し、[OK]をクリックします。

以上で終了ですが、「あじそんびょう」を変換したときに「味村秒」となれば、組み込みがうまくいっていません、「Addison病」または「アジソン病」になれば組み込みがうまくいっています。

必要に応じて、

  • atk18MDY.dic(薬品名一般名変換辞書)
  • atk18MDI.dic(ICD10変換辞書)
  • atk19MDE.dic(医学用語和英辞書)
  • atk18MDS.dic(識別コード辞書)

もコンバートして、辞書に登録します(私は使っていません)。

2006.08.12

ATOK 2006 for Mac

PowerBook G4を1台使っていますが、あとの2台はMacBook ProとIntel Mac miniなので、Intel Macを使う時間がだいぶ長くなってきました。

Intel Macを購入して、 一番困ったのが、ATOKが使えなくなったことでした。ジャストシステムは悠長にも、当初2006年年末を目指してユニバーサルバイナリー版を開発しているというアナウンスを出して、ATOKユーザである私は途方に暮れかかりましたが、そんなとき、すばやい動きを見せたのが、エルゴシステム。Intel Mac発売と同時に、 EG-BridgeをIntel Macに対応させ、さらに1ヶ月うちに、egbridge Universalを発売しました。egbridge Universalは単にIntel Macに対応させただけでなく、ホイールブリッジやユニバーサルパレットというアイデアたっぷりな新機能を追加した意欲的なソフトウェアです。私も、ATOK なきあと、egbridge universalをATOK風のキーバインドに設定して使ってきました。

かなりのATOKユーザがegbridge Universalに流れたと思われますが、この状況にあせったのがジャストシステム。当初は2006年年末を目指してATOKをのユニバーサルバイナリー版を開発していたものの、大幅に前倒しして7月発売を決めました。さらに、5月からはベータテスターを募集して、コアなユーザーにベーター版を使用してもらうという作戦をとりました。しかも、ベータテスターの全員の名前を「製品開発ご協力者リスト」として公開するというサービスぶり。私もベータテスターとして協力させて頂きました。

さて、そのATOK2006 for Macの使い心地ですが、ひとことでいえば「母なる大地に戻ってきた」ということになるでしょうか。egbridge Universalは早々にIntel Macに対応してくれて感謝しているのですが、FEPのコア機能である変換効率があまりよくないというのが私の感想でした。文章をタイプしていても、適切な漢字に変換されていないことがよくあり、何回も変換し直すという作業が多く、イライラさせられることが多かったのです。これは、辞書が鍛えられていないという側面もあるのですが、egbridgeの変換効率自体がATOKより悪いというのが私の印象です。

さて、今回新規にATOKをインストールしたのですが、びしっと変換が決まる快感がここちよく、ストレスフリーな状態に戻れました。約半年間のATOK不在時代を支えてくれたエルゴソフトに感謝しつつ、ATOKユーザーに戻りました。

 

ATOK 2006 for Mac CD-ROM

ATOK 2006 for Mac[電子辞典セット] CD-ROM

ATOK 2006 for Mac + Windows CD-ROM

2006.04.26

iPodでどこでも英会話

「iPodでどこでも英会話 for Mac」

ホロン(2006/04/07)、価格:¥ 2,974(税込)、ASIN:B000EOUIOK 【amazon.co.jp

「iPodでどこでも英会話」

ホロン(2006/03/10)、価格:¥ 2,890(税込)、ASIN:B000EOUIP4 【amazon.co.jp

「英語脳育成ディクテーションソフト」として人気のある「えいご道場」のiPod版。iPodではキーボードを打つわけにはいかないので、英語で聞かれた質問の答えを選択するという形式になっています。iPodでどこでも英会話という名前の割にながらくWindows版しかありませんでしたが、ようやくMac版が登場しました。


2006.03.30

研究に有用なソフトウェア -文献管理ソフト

現在、研究に有用なソフトウェアを大幅改訂中。今日は文献管理ソフトをまとめてみました。

ソフト Platform コメント
Endnote
ユサコ
Win, Mac 文献管理ソフトの代表的ソフト。詳しくは、下記の解説を参考に。¥52,290、¥20,790(S)
GetARef
大学生協
Win 値段がお手頃なこともあり、最近、人気が出てきている文献管理ソフト。大学生協によって日本語化もされています。詳しくは、下記の解説を参考に。¥20,790(A)、¥13,440(S)
iPapers Mac iTunes ライクなインターフェイスで文献PDF ファイルを管理するためのソフト。詳しくは、下記の解説を参考に。フリーウェア。
RefWorks
サンメディア
webベース webベースの文献管理ソフト。サンメディアによって日本語化もされています。詳しくは、下記の解説を参考に。個人契約だと年間13,000円
WriteNote
ユサコ
webベース RefWorksと同様のwebベースの文献管理ソフト。サイトライセンス制。
ProCite
Win, Mac アメリカでは結構メジャーだが、日本ではあまり見かけない。$299.95, $109.95(S)
Reference Manager
ディジタルマネージメント
Win アメリカでは結構メジャーだが、日本ではあまり見かけない¥59,850, $299.95, $109.95(S)
Bookends Mac Mac用の比較的安価な文献管理ソフトとして意外と人気あり。$99, $69(S)
Sente Mac Mac用の比較的安価な文献管理ソフトとして意外と人気あり。アップルMedicalでも紹介。$99.95, $49.95(S)
refEDITX Mac Mac OS Xで動くフリーウェア
RT2 Win, Mac ファイルメーカーをテンプレートとして作られた文献管理ソフト。ファイルメーカーのランタイム版になっているので、ファイルメーカーを持っていなくても使える。日本語。フリーウェア。
BibCompanion Mac BibTeXの文献データベースファイルを編集するためのソフト。PDFファイルへのリンクも可能。日本語。フリーウェア。
pArticles Mac iTunes ライクなインターフェイスで文献PDF ファイルを管理するためのソフト。フリーウェア
BibDesk Mac BibTeXの文献データベースファイルを編集するためのソフト。使用感。フリーウェア。
Ref for Windows Win Windowsで動く文献管理のフリーのソフト。日本語。
Bunso Win Windowsの文献管理ソフトのフリーウェアとして人気がありましたが、残念ながら開発中止となってしまいました。

※(A)はアカデミック版価格。(S)は学生版価格。

 

この中から、代表的なソフトを紹介します。

Endnote

定番の文献管理ソフトです。特に、論文を書くときのReference作成の際に威力を発揮します。私自身論文を書くのに欠かせないソフトです。Mac版、Win版があり、最新版はver.9。

日本での購入はユサコ株式会社を通して購入します。新規購入は¥52,290、学生版は¥20,790です。アメリカでは、初回購入が¥299.95(オンラインダウンロードであれば、$239.95)、学生版が¥109.95、アップグレードは$99.95、オンラインダウンロードによるアップグレードなら$89.95です。中身は英語版そのものですが、残念ながら日本からはダウンロード版を購入できず、割高になってしまいます。

Endnote関連本は「研究者の書棚」>「コンピュータ関連本」をご覧下さい。

Endnoteを使用したソリューションについては「研究者のためのコンピュータ情報」>「電子リソース、文献管理」をご覧下さい。

 

GetARef

getarefEndnoteに近い機能を持ったソフトで、「文献管理データベース」と「参考文献リスト作成機能」を併せ持った論文作成支援ソフトウエアです。スウェーデン生まれのソフトですが、大学生協が日本語化して、販売しています。医中誌などの日本語のデータも問題なく扱えます。Windowsのみです。アカデミック版は20,790円、学生版は13,440円で、Endnoteに比べて、かなり割安になっています。

GetARefの関連本はありませんが、「研究者のための文献管理PCソリューション」に1章かけて詳しく操作方法が解説してあります。

 

iPapers

iPapersiPapersにはReferenceを書き出す機能はありません。インターネットでダウンロードした文献PDFファイルをiTunesによく似たインターフェースでデータベース化して整理することに特化したソフトです。一度使ったら手放せないソフトです。Mac OSX 専用のフリーソフトです。

 

Refworks

refworksRefWorksは簡単に言うとEndnoteのオンライン版です。ユーザーが集めた文献情報は米国にあるRefWorksサーバー上に蓄積されます。そして、フォーマットしたいWordファイル(文献引用箇所には{{23}}という形でマーキングしておく)を指定すると、目的のJournalスタイルに合わせて引用文献が書き込まれたWordファイルをはき出してくれます。基本的にはEndnoteとワークフローは同じです。WEBベースの文献情報管理ツールってどういうしくみなんだろうと思っていましたが、当初予想していたよりよくできていました。個人契約だと年間13,000円。所属大学が契約していれば、無料で利用できます。

Endnoteと比較した場合、オンラインゆえ手順が多くなったり、変更が直ちに反映されなかったり、オンラインのレスポンスがいまいちだったりといった具合に、使いごこちにはEndnoteに軍配が上がります。したがって、私が今すぐEndnoteからRefWorksに乗り換えることはないのですが、RefWorksのいくつかのアドバンテージは見逃せないものです。一つは、WEBベースのアプリケーションで、ソフトも継続的にアップデートされているため、ソフトがうまく使えないということがないということ。Endnoteの場合、不具合が結構多く、特に、Wordがアップデートされると、急にEndnoteが使えなくなるということがこれまでにも何回も起こりましたが、こういった現象は基本的にはないという安心感があります。もう一つは、日本語が問題なく使えると言うことです。Endnoteも最新バージョンはユニコード化され日本語が使えるのですが、医中誌のデータは読み込めないなどの問題があります。しかし、RefWorksの場合、医中誌の読み込みも問題なく、PubMedと医中誌のデータが混在した引用文献リストも問題なく作れます。

2006.03.25

Intel Mac対応版 GENETYX-MAC

遺伝子解析ソフトのGENETYX-MACの最新バージョン13はIntel MacのRosettaで作動した場合、一部の機能に不具合があるとのことで、ユニバーサルバイナリ化したバージョン13.1の無償ダウンロードを2006年4月1日よりおこなうそうです。

http://www.sdc.co.jp/genetyx/new/2006032001/

2006.03.24

JMPはIntel Macには対応していない

先日紹介したJMPですが、そこで、Intel-Macで多重比較をするとエラーが起こって計算ができないというバグを報告しましたが、SAS Instituteから正式なアナウンスがでていました。

A problem JMP is experiencing on Macs using Rosetta software emulation technology is causing the numeric results in JMP to be unreliable. We are communicating with Apple engineers and hope a fix will be available soon. In the meantime, we recommend that you do not use JMP 6 or any previous version of JMP under Rosetta.

というわけで、JMPをIntel-Macで動かそうという場合には、パッチが出るのを待ちましょう。

2006.03.21

Rの情報源

統計ソフトのレビューの中で、Rについて言及するのを忘れていました。

R

Rは統計解析用のソフトですが、より正確には、統計計算とグラフィックスのための言語・環境です。Rはフリーウェアであり、GNUなソフトです。

メニュー型ではなく、コマンド型のインターフェースで、S言語・環境に似ていて、S用に書かれたコードの多くは変更なしでRでも実行できます。RはUnix、Windows、Mac OS X上で動きます。

近年Rに関する日本語の書籍が多く出版されており、初心者でも手を出しやすくなっています。

【Rの情報源】

Rの関連書籍は「研究者の書棚」>「統計関連書籍」をご覧下さい

2006.03.20

研究に有用なソフトウェア-統計ソフト

ここ数日のエントリーをまとめて、統計ソフトのレビューをしたいと思います。

医薬研究者のための統計ソフトの選び方 」【bk1】【amazon.co.jp】を参考にして、現在よく使われている統計解析ソフトをまとめてみました。

  販売会社 Platform 値段 日本語化 使用論文数
SAS SAS Win, Mac レンタル制   186
SPSS SPSS Win, Mac(英語版のみ ¥94,500(A) あり 243
Stata インフォーマティック Win, Mac, UNIX ¥126,000(A), $625(A) なし 93
StatView SAS Win, Mac OS9のみ 生産中止 あり 151
STATISTICA スタットソフト Win ¥129,500 あり 62
SigmaStat HULINKS Win ¥87,885(A) なし 103
SYSTAT HULINKS Win ¥191,100(A) あり 33
MINITAB インフォーマティック Win ¥41,790(A) あり 15
Prism エムデーエフ Win, Mac $445.50(A) なし 393
JMP SAS Win, Mac ¥54,000(A) あり 41
Excel Microsoft Win, Mac   あり 187

※使用論文数はBMJ, JCI, JPET, PNAS, JAPに掲載された論文のうち該当ソフトが使われている論文数。。
※(A)はアカデミック価格。

 

StatView ( 英語版日本語版

統計解析の定番ソフトですが、残念ながら、Statview 5を最後に、2002年12月末で生産中止になってしまいました。解説本もいろいろ発売されています。私も愛用していましたが。Mac版はOS9でしか動きませんので、OSXからはClassic環境で動かす必要があります。また、Intel MacではClassic環境がサポートされませんので、StatViewを動かすことはできません。Windows版もあります。

statview関連書籍

 

SPSS ( 英語版日本語版)

Windows版の統計解析ソフトではもっとも使われているソフトです。Mac版もSPSS for Macとして存在しますが、英語版のみで、バージョンがWindows版に比べ遅れています(Macは11、Winは14)。SPSSはSASとほぼ同じ時期に作られた高い信頼性を持つ汎用統計パッケージです。通常はメニューにより操作しますが、コマンド式でも使えます。SPSS Baseを中心にして、必要なオプションを追加することになります(医学用であれば、BASE systemにAdvanced ModelsとRegression Modelsを追加すれば十分)。医学用のパッケージとして、SPSS Health Care PackDr. SPSS IIが存在します。

SPSS関連書籍

 

Prism (Graphpad社(有)エムデーエフ)

PrismGraphpad PrismはUCSDの薬学研究者であったMotulsky博士が作った統計ソフト、医学生物学における統計解析にフォーカスしているため、生存率解析などの統計解析がそろっています。残念ながら日本語化はされていません。Graphpad社、または、日本の代理店((有)エムデーエフ)から購入できます。Prismに関する書籍は現時点では発行されていませんが、日本の代理店を通して購入した場合は日本語のマニュアルが添付されています。Mac版とWindows版があり、どちらも、価格は$495(アカデミックプライスは$445.50)、日本の代理店から直接購入した場合は、¥79,380です。現在、Prism 4が最新版です。

統計ソフトはどれもそうなのですが各ソフトによって手順や操作性が異なります。Statviewに慣れていた私にはPrismの最初のデータテーブルの作り方からして、とまどいました。しかし、Statviewとの手順の違いに慣れてしまえば、インターフェースを含めとても使いやすいソフトだと感じました。統計解析の手法も私が使う範囲ではほぼ十分だと思いました(唯一、ANCOVAがないのが残念でした)。優れていると感じたのは、データセットに対して適切でない統計解析法は選択できないようになっていることです。また、グラフのクオリティは他の統計ソフトに対する大きなアドバンテージだと思います。

一つだけ、とても気になったのは、多重比較をおこなった際にp値が<0.05と表示されるだけで、実際のp値が出力されないという点です。多重比較というのは、非常によく使う解析法なので、この点が改善されないと私自身、乗り換えることができません。もし、実際のp値を出す方法をご存じの方がいらっしゃれば、是非教えて下さい。

昨年、アップル-MedicalでPrismが取り上げられましたので、是非読んでみて下さい。

アップル - Medical - Prism:医学統計解析をインタラクティブに処理

上記のp値の問題があるので、私自身は、完全に乗り換える決断は下せませんが、30日間のDEMO版がダウンロードできますので、気になる方は試してみて下さい。

なお、以下の書籍はPrismの解説書ではありませんが、Prismを開発したMotulsky博士の書で、統計の書籍として人気のある本です。

「数学いらずの医科統計学 〜コンピュータ・エイジのための統計学指南」

著者:Harvey Motulsky、津崎 晃一監訳、税込価格: ¥4,935 (本体: ¥4,700)、出版:メディカル・サイエンス・インターナショナル、ISBN:4-89592-175-1、発行年月:1997.12 【bk1】 【amazon.co.jp


JMP ( 英語版日本語版)

Prismと並んで、現在のMac OSXで動く統計ソフトとしてあげられるのがJMP。Statviewが開発中止になったときには、後継ソフトとしてJMPが指定されたわけですが、私の周囲を見ても、JMPに移行する人は多くなく、classic環境でStatviewを使い続ける人が大半でした。私自身もそうでした。

JMPはSASInstitute Inc.の創業者の一人であるJohn SallがMac用に開発したメニュー型ソフトで、John's Macintosh Productの頭文字を取ってJMPと名付けられました。JMPは操作性を重視して作られた SASの廉価版と位置づけと考えるとわかりやすいと思います。JMPの操作手順は探索的であり、適応すべき統計手法をソフト側が判断するというのが一番の特徴です。統計手法の選択に熟知していない人にはありがたい反面、統計手法に精通した人にはまどろっこしいという感じがするかもしれません。

私自身、操作手順やJMP独自のデータのヴィジュアル化に慣れていない部分もあり、食わず嫌いでしたが、うちの大学にはサイトライセンスがあるということで、JMP 5.1を使ってみることにしました。 ちなみに、現在は、JMP 6が最新版になっています。

医薬研究者のための統計ソフトの選び方 改訂2版」【bk1】【amazon.co.jp】に沿って、実際にJMPを使ってみると意外と使いやすいソフトであることが気付きました。「バイオ研究がぐんぐん進むコンピュータ活用ガイド」【bk1】【amazon.co.jp】の統計ソフトの紹介で、田久先生が「SASやSPSSからJMPに乗り換える人はいるけれど、一度JMPを使ってほかのソフトに乗り換える人はいない」と言っているのがわかるような気がしました。

多重比較に関しては、TukeyのHSD検定、HsuのMCB検定、Dunnettの検定をサポートしています。TukeyとDunnettでほとんど対応ができると思いますが、Dunnettでは正確なp値は出るものの、Tukeyでは正確なp値は出ません。先日紹介したPrismはTukey, Newman-Keuls, Dunnett, Bonferroni といった多重比較法をサポートしていますが、いずれも正確なp値は算出しません。ちなみに、StatviewもTukeyとDunnettのP値は算出しません。

あと、一つの問題は、Intel Mac上でのJMP 5.1の動作は保証されていないと言うこと。実際MacBook ProでJMP5.1を動かした場合、一件問題なく動いているのですが、多重比較計算だけはエラーが出てしまって計算できません。来月、JMP 6のサイトライセンスが始まるようなので、それに乗り換えて検討してみたいと思いますが、JMPのUB化を待たないといけないかもしれません。いずれにしても、思っていたよりはるかに使いやすいソフトでした。

JMPの正規価格は153,300円ですが、アカデミック版は63,000円、また、東京大学、慶應義塾大学、関西学院大学はサイトライセンスを導入していますので、無料で使用可能です。

JMP関連の書籍は「研究者の書棚」>「統計関連書籍」をご覧下さい

 

Excelのアドイン統計ソフト

これは単体の統計ソフトではありませんが、Excelのマクロ機能を使って、Excel上で統計解析をおこなうアドインソフトと呼ばれるものを使っている方も多いようです。Excelのアドイン統計ソフトにはフリーウェアをふくめたくさんのものがあります。

2006.03.19

JMP

Prismと並んで、現在のMac OSXで動く統計ソフトとしてあげられるのがJMP。Statviewが開発中止になったときには、後継ソフトとしてJMPが指定されたわけですが、私の周囲を見ても、JMPに移行する人は多くなく、classic環境でStatviewを使い続ける人が大半でした。私自身もそうでした。

JMPはSASInstitute Inc.の創業者の一人であるJohn SallがMac用に開発したメニュー型ソフトで、John's Macintosh Productの頭文字を取ってJMPと名付けられました。JMPは操作性を重視して作られた SASの廉価版と位置づけと考えるとわかりやすいと思います。JMPの操作手順は探索的であり、適応すべき統計手法をソフト側が判断するというのが一番の特徴です。統計手法の選択に熟知していない人にはありがたい反面、統計手法に精通した人にはまどろっこしいという感じがするかもしれません。

私自身、操作手順やJMP独自のデータのヴィジュアル化に慣れていない部分もあり、食わず嫌いでしたが、うちの大学にはサイトライセンスがあるということで、JMP 5.1を使ってみることにしました。

医薬研究者のための統計ソフトの選び方 改訂2版」【bk1】【amazon.co.jp】に沿って、実際にJMPを使ってみると意外と使いやすいソフトであることが気付きました。「バイオ研究がぐんぐん進むコンピュータ活用ガイド」【bk1】【amazon.co.jp】の統計ソフトの紹介で、田久先生が「SASやSPSSからJMPに乗り換える人はいるけれど、一度JMPを使ってほかのソフトに乗り換える人はいない」と言っているのがわかるような気がしました。

多重比較に関しては、TukeyのHSD検定、HsuのMCB検定、Dunnettの検定をサポートしています。TukeyとDunnettでほとんど対応ができると思いますが、Dunnettでは正確なp値は出るものの、Tukeyでは正確なp値は出ません。先日紹介したPrismはTukey, Newman-Keuls, Dunnett, Bonferroni といった多重比較法をサポートしていますが、いずれも正確なp値は算出しません。ちなみに、StatviewもTukeyとDunnettのP値は算出しません。

あと、一つの問題は、Intel Mac上でのJMP 5.1の動作は保証されていないと言うこと。実際MacBook ProでJMP5.1を動かした場合、一件問題なく動いているのですが、多重比較計算だけはエラーが出てしまって計算できません。来月、JMP 6のサイトライセンスが始まるようなので、それに乗り換えて検討してみたいと思いますが、JMPのUB化を待たないといけないかもしれません。いずれにしても、思っていたよりはるかに使いやすいソフトでした。

JMPの正規価格は153,300円ですが、アカデミック版は63,000円、また、東京大学、慶應義塾大学、関西学院大学はサイトライセンスを導入していますので、無料で使用可能です。

JMP関連の書籍は「研究者の書棚」>「統計関連書籍」をご覧下さい

関連情報は「研究に有用なソフトウェア - 統計ソフト」をご覧下さい。

2006.03.10

GraphPad Prism

Statviewが開発を中止して以来、Mac愛好家は統計ソフト難民となってしまいました。選択肢としては、

  • Classic環境でStatviewを使い続ける。
  • JMPに乗り換える。
  • Prismに乗り換える。
  • Excelのアドインソフトに乗り換える。

これまで、私はClassic環境でStatviewを使い続けていたのですが、いよいよIntel MacではClassic環境が動かなくなるために他の統計ソフトへの乗り換えをを考えなければいけない時期になりました。Statviewを開発していたSAS InstituteはStatviewの後継ソフトとしてJMPを紹介していましたが、JMPは探索型のソフトウェアで、Statviewとはかなり操作性が異なる印象があります。というわけで、もう一つの候補であるPrismのDemo版を手に入れて試してみました。

PrismGraphpad PrismはUCSDの薬学研究者であったMotulsky博士が作った統計ソフト、医学生物学における統計解析にフォーカスしているため、生存率解析などの統計解析がそろっています。残念ながら日本語化はされていません。Graphpad社、または、日本の代理店((有)エムデーエフ)から購入できます。Prismに関する書籍は現時点では発行されていませんが、日本の代理店を通して購入した場合は日本語のマニュアルが添付されています。Mac版とWindows版があり、どちらも、価格は$495(アカデミックプライスは$445.50)、日本の代理店から直接購入した場合は、¥79,380です。

統計ソフトはどれもそうなのですが各ソフトによって手順や操作性が異なります。Statviewに慣れていた私にはPrismの最初のデータテーブルの作り方からして、とまどいました。しかし、Statviewとの手順の違いに慣れてしまえば、インターフェースを含めとても使いやすいソフトだと感じました。統計解析の手法も私が使う範囲ではほぼ十分だと思いました(唯一、ANCOVAがないのが残念でした)。優れていると感じたのは、データセットに対して適切でない統計解析法は選択できないようになっていることです。また、グラフのクオリティは他の統計ソフトに対する大きなアドバンテージだと思います。

一つだけ、とても気になったのは、多重比較をおこなった際にp値が<0.05と表示されるだけで、実際のp値が出力されないという点です。多重比較というのは、非常によく使う解析法なので、この点が改善されないと私自身、乗り換えることができません。もし、実際のp値を出す方法をご存じの方がいらっしゃれば、是非教えて下さい。

昨年、アップル-MedicalでPrismが取り上げられましたので、是非読んでみて下さい。

アップル - Medical - Prism:医学統計解析をインタラクティブに処理

上記のp値の問題があるので、私自身は、完全に乗り換える決断は下せませんが、30日間のDEMO版がダウンロードできますので、気になる方は試してみて下さい。

なお、以下の書籍はPrismの解説書ではありませんが、Prismを開発したMotulsky博士の書で、統計の書籍として人気のある本です。

「数学いらずの医科統計学 〜コンピュータ・エイジのための統計学指南」

著者:Harvey Motulsky、津崎 晃一監訳、税込価格: ¥4,935 (本体: ¥4,700)、出版:メディカル・サイエンス・インターナショナル、ISBN:4-89592-175-1、発行年月:1997.12 【bk1】 【amazon.co.jp


2006.03.02

医療辞書

これまでかな漢字変換プログラムはずっとATOKを使ってきましたが、その理由は、今までのことえりがあまり賢くなく、ATOKの方が賢かったからです。最近のことえりはかなり賢くなったようですが、ATOK用のキーバインドが体に身に付いてしまっているので、なかなか変更するのが難しいというものがあります。

現在、ATOKはIntel Macに対応しておらず、次回のメジャーバージョンアップで対応するということになったので、多分半年ぐらいはATOKを使うことができません。 ことえりを使わなければいけないかなと思っていたのですが、EGBRIDGEがいち早くIntel Mac対応のパブリックβ版をリリースしました。EGBRIDGEはATOKやことえりといった他のFEPの操作方法と同じにするという機能があり、ATOKのキーバインドがそのまま使えます。EGBRIDGEはいつも対応が早く、最近ではかなり評判もいいので、しばらくEGBRIDGEを使ってみようかと思っています。3月24日にはIntel Macに対応したegbridge Universalが発売されるようです。

ATOKが手放せないもう一つの理由として、医療辞書 for ATOKが使えるというのがあります。医療関係者の場合、知らず知らずのうちに医学用語を使っているのですが、医学用語が一発で変換されるようになると日本語の入力がものすごく早くなります。私もATOK専用の医学辞書、医療辞書 for ATOKにであってものすごく日本語の入力が楽になりました。たまに、医療辞書 for ATOKがインストールされていないコンピュータを使うとそのことが実感されます。

最近になって知ったのですが、医療辞書にはATOK用の医療辞書だけの「医療辞書 for ATOK」というパッケージと、ことえりやIME用の医療辞書も含まれた「医療辞書」という2つのパッケージが存在します。私は「医療辞書 for ATOK」しかないと思っていたのですが、「医療辞書」を購入すれば、私が味わった医療辞書の便利さはATOK以外にWindowsのデフォルトのかな漢字変換プログラムのMS-IMEとMacのデフォルトのかな漢字変換プログラムのことえりでも味わうことが可能と言うことです。そして、医療辞書の最新版からはEGBRIDGEにも対応するようになりました。 というわけで、ATOKをEGBRIDGEに乗り換える決心が付きました。

医療辞書は、医療関係者の方には絶対におすすめです。Windows使いの人にも。

 

「医療辞書’06」

オフィス21(2006/02/17)、価格:¥ 10,849(税込)、ASIN:B000EBFWLC 【amazon.co.jp

[Windows用] ATOK 2006/2005/17/16, MS-IME 2003/2002
[Macintosh用] ATOK2005/17/16, ことえり3/4(MacOSXv10.2〜4), EGBRIDGE 13/14/15に対応しています。うれしいことに、Windows/Macのハイブリッド版です。


「医療辞書’06 for ATOK CD-ROM」

ジャストシステム(2006/02/10)、価格:¥ 9,500(税込)、ASIN:B000COQCC4 【amazon.co.jp

上記のパッケージのうち、ATOK用のみを収載したものです。Windows/Macのハイブリッド版です。


「EGBRIDGE 15」

エルゴソフト(2004/10/22)、価格:¥ 7,750(税込)、ASIN:B00066J1JY 【amazon.co.jp

EGBRIDGE15はIntel Mac非対応ですが、egbridge Universalへの無料アップグレードがおこなわれていますので、このパッケージを購入しておいて、Intel MacではEGBRIDGE 15パブリックβ版を使っておいて、 egbidge Universalへ無料でアップグレードする、というもいいでしょう。


2006.02.19

Endnoteに医中誌Webデータを取り込む方法

Endnoteはversion 8からユニコード対応になりましたが、この変更によって、医中誌Webなどの日本語のデータベースからの読み込みがうまくいかないという状況になっていました。

このたび、ユサコが登録ユーザー専用ページで医中誌WebのImport Filterを配布を始めました。これによって、Endnote 8と9で医中誌Webのデータを読み込むことができるようになりました。詳しい方法はユサコのサイトにありますが、少しコツが必要なので方法を紹介します。ここでの説明はEndnote 8 Mac版を用いています。

1. 医中誌Webから文献データの出力形式を 「Refer/BibIX形式」 と指定してダウンロードする。

2. ダウンロードしたテキストファイルをBOM付きのUTF-8形式のファイルに変換する。たとえば、Jeditであれば、Preferenceにおいて、「UTF-8書類は先頭にBOMを付加して保存する」にチェックを入れた後に、UTF-8形式で別名保存します。

3. ユーザー専用ページより、医中誌Web用のImport Filter をダウンロードして入手し、アプリケーション/EndNote 8/Filtersにおく。

4. Import FilterにIchu_Ref.enfを指定してImportする。

5. 以上で読み込みが完成。

 

なお、JDreamおよびJDreamIIのFilterも配布しており、JDreamおよびJDreamIIのデータの読み込みも可能になっています。その方法はユサコのサイトをご覧になって下さい。

 

関連情報は「電子リソース、文献管理」をご覧下さい。

Endnote関連書籍は研究者の書棚コンピュータ関連本をご覧下さい。

2006.02.02

Kenote 3を使ってプレゼンテーションしてみた

Keynote 3を使って初めてのプレゼンテーション。Keynote 3ファーストインプレッションで書いたように、マイナーチェンジが中心なので、きっと誰もKeynote 3を使っているとは気づかなかったでしょう。

さて、ファーストインプレッションにいくつか追加しなければいけないことがあります。

Keynote 1からKeynote 2にバージョンがあがったときほどではないのですが、Keynote 2で作ったファイルをKeynote 3で開けると、少しレイアウトが崩れます。

Keynote 2からKeynote 3にバージョンアップすると、渦巻きなどいくつかのアニメーションがなくなると書きましたが、これらKeynote 2にはあるがKeynote 3でなくなったアニメーションを出す方法がわかりました。環境設定>一般の環境設定に「古いアニメーションを選択項目に含める」というチェックボックスがあります。ここにチェックを入れると渦巻きなどのアニメーションがKeynote 3でも選択できるようになります。おそらくアニメーションの数が増えすぎたので、全部入れると選択しづらくなるのでこうしたのでしょう。

関連情報は研究者のためのコンピュータ情報keynote 3ファーストインプレッション をご覧下さい。

2006.01.16

Keynote 3ファーストインプレッション

先日のMacworld Conference & Expo/San Francisco 2006にてKeynoteの最新バージョンKeynote 3が発表されました。ただし、日本での発売は2月中旬ということでのんびりと構えていたら、MACお宝鑑定団で、パッケージは英語だが日本語ローカライズされたiWorks '06(Keynoteはバージョン2からPagesというワープロソフトとバンドルされ、iWorksとして発売されている)が発売されているという情報をキャッチ。さっそくApple Store Shibuyaで手に入れました。Apple Store Ginzaは品切れでした。パッケージや中の取扱説明書はすべて英語ですが、ディスクを入れて、いきなり開いた画面が日本語で一安心。パッケージは英語にもかかわらず、中に入っているKeynote 3は日本語化された(というよりは、日本語ローカライザーも含まれたユニバーサル版)であると思われます。


■Keynote 2の課題

KeynoteはPowerPointではできないような美しいプレゼンテーションを作ることができますが、不動の位置を築いているPowerPointに一日の長があることは確かです。Keynote 1からKeynote 2のバージョンアップでは、あえてPowerPointと競争しないで、独自の道を歩もうとしている印象を受けました。KeynoteはPowerPointと全く同じ方向を向いたソフトではないと理解した方がよいとは思いますが、研究者のプレゼンテーションツールとして使うことを考えた場合、ここだけは改善して欲しいと思っていることがいくつかあります。

課題1. 描画ツールをもっと充実させて欲しい。描画できる図形は最小限だし、曲線を描くこともできない。Appleでは複雑な図はOmniGraffleで書いてコピーペーストすることを意図しているのかもしれませんが、もう少しパワーアップすべきです。

課題2. 1つのスライド内で箇条書きのテキストボックスが1つだけという制限をはずして欲しい。keynote 2では一つのスライド内でテキストボックスのうち1つしか箇条書き設定をできません。これは非常に不便です。

課題3. グラフのデータ入力画面を改善して欲しい。Keynoteのグラフ描画では非常にきれいなグラフが簡単に作れるのですが、そのデータ入力画面の使い勝手が非常に悪い。

課題4. KeynoteからPowerPointへの書き出し精度を上げて欲しい。KeynoteはPowerPointファイルを読み込むことができ、かつ、KeynoteファイルはPowerPointファイルに書き出すことができるということが一つの売りなのですが、前者はまだしも、後者の変換精度はかなり低く、ほとんど使い物になりません。

 

■テーマやアニメーション効果の新規追加は抑えめ

Keynoteの特徴といえば、美しいグラフィクス。今回、新しいテーマとして、黒、モダンポートフォリオ、革装本、ビンテージ、クラッシクシルク、ホワイトコーナー、フォーマルの7つが追加されました。

また、アニメーション効果(トランジションとエフェクト)にも変更がありました。新しく加わったトランジションはスオッツシュ、ブラインド、回転ドア、入り口、反射、落下、カラーでフェード、シャッターの8個で、かわりに、モザイク反転は1種類にまとめられ、グリッド、ドロップ、モーションンディソルブ、暗転、渦巻き、焼失、放射状、落下するタイルがなくなりました。エフェクトに関しては、あらたに、スウォッシュ、ブラインドが追加され、ドロップ、渦巻きがなくなりました。

Keynote 1からKeynote2へのバージョンアップの際には追加のみでしたが、今回はさすがに効果の数が増えすぎてしまうのか、一部の効果が削除されました。渦巻きなんかはここぞというときにインパクトがある効果だったので、なくなってしまい残念です。ちなみに、Keynote 2で渦巻き効果を使ったファイルをKeynote 3で開いても、きちんと渦巻き効果が再生できました。hackすれば、なんとか渦巻きを奪還できるかもしれませんね。

(後日談)

環境設定>一般の環境設定に「古いアニメーションを選択項目に含める」というチェックボックスがあります。ここにチェックを入れると渦巻きなどのアニメーションがKeynote 3でも選択できるようになります。

■着実な進化

Keynote 3には小さいながら着実な進化があります。

まず、Keynote 3を開いて、はじめに気がつくことは、ツールバーに「調整」というツールが増えたことです。これは「イメージ調整」をするツールで、貼り付けたイメージの簡易修正ができるツールです。画像のコントラストなどを調整するツールです。PowerPointのイメージの簡易修正機能とはちょっと違った雰囲気で、Photoshopの色調補正に似ています。

「コメント」というはまったく新しい機能です。コメントを使えば、スライドの作成中に思いついたアイディアを簡単に残すことができます。ちょうどスティッキーズのようなものです。コメントは編集中にディスプレイに表示されますが、プレゼンテーションを再生するときは表示されません。これはPowerPointにはない、なかなかおもしろい機能ですね。

Keynote 2の課題の2番目にあげておきましたが、Keynote 2ではひとつのスライド内で、箇条書きのテキストが1セットしか作れません。追加するテキストボックスには箇条書きが設定できなかったです。この点は、Keynote 3で改善されました。Keynote 3では箇条書きを設定したテキストボックスが複数個作れるようになりました。

様々なファイル形式で描き出すことができることがKeynoteの特徴ですが、Keynote 3ではあらたに、ノート付きのスライドのPDFの作製、iDVDプロジェクトの作製、HTMLの作製ができるようになりました。

PowerPointではよく使われているスライドを一覧表示するタイプの表示形式が「ライトテーブル」という表示方法できるようになりました。

テーブルには簡易計算式が入力できるようになりました。

 

■図形描画ツールのパワーアップ

Keynote 2の不満点の最大のものは図形描画のツールが貧弱なことでしたが、今回、描画ツールに大きなアップデートが加えられました。まず、描画できる図形として、星形と多角形が増えました。そして、「挿入」>「図形」>「図形を描画」を選択することによって、ベジェ曲線が描けるようになりました。これまで、PowerPointでは自由な曲線はかけましたが、ベジェ曲線ではありませんでした。ベジェ曲線とは複雑な曲線を、比較的少ないデータで描くために考案された方法であり、Illustratorなどのような本格的ドローソフトに採用されています。アンカーポイントと方向線を指定することで曲線を描いていきます。Keynote 3のベジェ曲線はIllustratorとは少し作法が異なりますが、描画後に、アンカーポイントの削除と追加、コントロールハンドル(方向線)の修正ができます。また、アンカーポイントをダブルクリックすることで、「角←→丸」を変更可能です。私自身Keynoteがいきなりベジェ曲線を採用するとは思いませんでした。ベジェ曲線はきれいな曲線を描くにはベストな方法ですが、きれいに描くための方法を習得するには慣れが必要です。

あと、今回のバージョンアップで、任意の図形を用いたマスクができるようになりました。

 

■グラフ描画機能のアップデートは見た目が中心

グラフ描画機能のアップデートは今回のアップデートの中でも重要な部分のようですが、私としては見栄えの分のアップデートが中心で肝心の使いやすさの面が改善されていないのが残念です。

見た目の変化としては、3Dグラフが扱えるようになったという点です。その3Dグラフのインパクトといったらほとんど脱帽です。各要素の素材は大理石素材、木材、アクリルのような素材、布素材、などの5パターンくらいあり、しかも視点を動かすことができたり、素材感を微妙に調節できるなどきわめてマニアックです。各要素の素材はテーマと連動しているようで、残念ながら個別に指定はできないようです。

一方、私がKyenote 2の課題と考えていたグラフデータエディタの使い勝手の悪さは残念ながら改善されませんでした。せめてExcelなど他のテーブルデータを読み込む、または貼り付けられるように改善されることを望みます。

 

■Keynote 2と3の互換性

Keynote1からKeynote2へのバージョンアップの際には、ファイルのフォーマットが大きく変わったため、Keynote1で作ったファイルをKeynote2であけると、ファイルの書き換えがおこなわれ、一部レイアウトが崩れるといった現象が起こりましたが、Keynote2からKeynote3の場合は、ファイルの書き換えはおこなわれないようです。ただし、Keynote3で作ったファイルをKeynote2で開けることはできませんでした。

(後日談)

Keynote 2で作ったファイルをKeynote 3で開けると、Keynote 1→keynote 2のときほどではありませんが、少しレイアウトが崩れます。

■まとめ

というわけで、全体としてはマイナーバージョンアップといった感じですが、私が考えていた課題のうち半分くらいは今回のバージョンアップで改善されました。追加されたテーマやイメージ調整ツールの作り方から判断するとKeynoteは今後、写真を中心としたプレゼンテーションを指向しているような印象を受けました。

なお、まだ短時間しかさわっていませんが、安定性や動作速度はKeynote 2と特に大きな違いはないように感じました。Keynote 2は全く安定しているというわけではなく、何回か使用中に落ちた経験を持ちます。Keynote 3も、今回ベジェ曲線をいじくり回していたら1回落ちました。

PowerPointファイルへの変換の精度などの使用感は追って報告します。

関連情報は研究者のためのコンピュータ情報keynote 3ファーストインプレッション をご覧下さい。

「Keynote 2プレゼンテーション入門」

著者:高橋 良著、税込価格:¥3,360、出版:秀潤社、ISBN:4879622915、発行年月:2005.10【bk1】【amazon.co.jp】【目次

Keynoteの使い方について、まさに手取り足取り解説した本です。ビギナーから中級者までKeynoteで人とは違ったプレゼンテーションをしたいという人には必読の本です。Keynoteに関する日本語で書かれた唯一の本です。


コンピュータ関連の書籍は「研究者の書棚:コンピュータ関連本」をご覧下さい。

2005.12.08

「デジタル文献整理術」

「デジタル文献整理術」

著者:讃岐 美智義著、税込価格:¥2,625、出版:克誠堂出版、ISBN:477190295X、発行年月:2005.8【bk1】【amazon.co.jp】【目次】

EndNoteは論文執筆にEndnoteは欠かせないソフトウェアですが、奥が深く、なかなかすべての機能を把握しきれません。分厚い英語のマニュアルを読むよりこの本をおすすめします。作者は讃岐さんという方で知る人ぞ知るという方で、とてもわかりやすく、かつ、役立つ情報が満載の1冊になっています。私はこの本で、医中誌の取り込みの際にはMedline形式ではなく、Refer/BiblX形式でないとダメとわかって、助かりました。改訂新版となっています。

Endnote関連の書籍は「研究者の書棚:英語論文の書き方本」をご覧下さい。

2005.11.12

skype

1年ぶりのアメリカ。

今回泊まったホテルは、アメリカのホテルによくあるタイプの、高速インターネット1日$9.95のiBAHNという会社のシステムでした。1回Webブラウザを立ち上げて、インターネット上のサイトにアクセスしようとすると、契約画面が現れて、Agreeすると、その後は、無制限でインターネットアクセスができるというタイプです。ちなみに、持ち込んだAirMac Expressをつなぐことで、簡単に無線LAN化に成功。これで、ベッドで寝そべりながら、webサーフィンができます。

さて、今回のチャレンジはSkypeを使ってみるということ。アメリカのホテルから日本へ電話すると、1回で2000円くらい取られてしまうので、これまでは、日本でKDDIのPhoneカードを買っていました。これだと1分間30円か40円くらいで何とか許容範囲です。でも、今なら、Skypeがあるじゃないですか、というわけで、今回はSkypeを試してみました。

SkypeはMac OSX版もあって、ダウンロードするだけですぐに使えます。固定電話への通話はスカイプOutであらかじめ使用権を購入しておきます。日本の固定電話は1分間2.66円ということなので、とりあえず最低の10ユーロ分購入しておけばよいでしょう。

PowerBookには内蔵マイクがついているので、ヘッドセットなしでもSkypeが使えるのですが、スピーカーに口を近づけてしゃべることになり、実用的ではありません。やはり、ヘッドセットは必要でしょう。PowerBookにはヘッドホン端子とマイク端子があるので、最も廉価なマイク入力端子・ヘッドホン端子に接続するタイプの製品が使えるように思えるのですが、実は、Macのマイク入力端子は、ライン入力端子のため、通常のマイクからの信号は信号レベルが小さすぎて、正常に働かないらしいのです。

そこで、選択肢としては3つあって、

  1. USBアダプタ(たとえば、アーベルHAMU02 USBオーディオ変換ケーブル【amazon.co.jp】)を購入し、マイク入力端子・ヘッドホン端子に接続するタイプのヘッドセットを使う。
  2. USB接続タイプのヘッドセット(たとえば、Plantronics DSP-500【amazon.co.jp】を使う。
  3. Blootooth接続タイプのヘッドセットを使う。

私としては、やはり、一番クールそうに見えるBlootoothタイプのヘッドセットが欲しい。というわけで、近くのRadioShackにいって、Plantronics M2500amazon.co.jpを59.99ドルでゲット。

Blootoothの接続にちょっと手間取るも何とか接続成功。ただ、一旦ヘッドセットの電源を切ると、Bluetoothの再設定が必要なのはどうにかならないものだろうか。この辺はかえって、USB接続タイプの方が楽なのかもしれません。

音はクリアでしたが、携帯電話あての通話では、ちょっととぎれとぎれになるような印象です。いずれにしても、今の時代、留学する人はSkypeが国際電話に取って代わるものになっているのでしょうね。

2005.11.07

Refworks

WEBベースの文献情報管理ツールRefWorksを試用してみました。

RefWorksは簡単に言うとEndnoteのオンライン版です。ユーザーが集めた文献情報は米国にあるRefWorksサーバー上に蓄積されます。そして、フォーマットしたいWordファイル(文献引用箇所には{{23}}という形でマーキングしておく)を指定すると、目的のJournalスタイルに合わせて引用文献が書き込まれたWordファイルをはき出してくれます。基本的にはEndnoteとワークフローは同じです。WEBベースの文献情報管理ツールってどういうしくみなんだろうと思っていましたが、当初予想していたよりよくできていました。所属機関が契約していれば、無料で利用できます。個人契約だと$100(RefWorks本社扱い、日本語サポートなし)。

Endnoteと比較した場合、オンラインゆえ手順が多くなったり、変更が直ちに反映されなかったり、オンラインのレスポンスがいまいちだったりといった具合に、使いごこちにはEndnoteに軍配が上がります。したがって、私が今すぐEndnoteからRefWorksに乗り換えることはないのですが、RefWorksのいくつかのアドバンテージは見逃せないものです。

一つは、WEBベースのアプリケーションで、ソフトも継続的にアップデートされているため、ソフトがうまく使えないということがないということ。Endnoteの場合、不具合が結構多く、特に、Wordがアップデートされると、急にEndnoteが使えなくなるということがこれまでにも何回も起こりましたが、こういった現象は基本的にはないという安心感があります。

もう一つは、日本語が問題なく使えると言うことです。Endnoteも最新バージョンはユニコード化され日本語が使えるのですが、医中誌のデータは読み込めないなどの問題があります。しかし、RefWorksの場合、医中誌の読み込みも問題なく、PubMedと医中誌のデータが混在した引用文献リストも問題なく作れます。

というわけで、日頃はEndnoteを使って、日本語と英語の文献が混在するような日本語の総説を書く場合などにRefWorksは使ってみようかと思っています。

2005.02.18

Acrobat 7.0

これまで使ってきたAcrobat 6.0の環境で「PDF化の方法(Mac OS X編)」と「PDF化の方法(Mac OS X編)」を書き上げることができたので、2005年1月末に購入しておいたAcrobat 7.0をインストールしてみました。

詳しくはAcrobat 7.0の新機能をみていただくことにして、主だった新機能をあげると、

  1. Officeアプリケーションに加え、Access、PublisherからもPDF MakerでPDF化が可能。
  2. Outlookからも個別メールまたはメールフォルダごとPDF化が可能。
  3. Webページの選択した部分のみをPDF化可能。
  4. PDF管理のためのPDFキャビネットの搭載
  5. レビュー機能の充実
  6. 印刷出版ワークフローに関する機能の充実

今後、官公庁は書類のPDF化をどんどん進めるようですし、PDFのビジネスでの役割はどんどん大きくなっていくでしょう。その中で、1から3のようなMicrosoft Officeとの連携を強化したAcrobat 7.0の新機能は便利な気がします。ただし、残念ながら1-3の新規機能はWindows版のみでMac版には実装されていません。

と思っていたら、インストールしてみてはじめて気づくことがありました。Mac版でのAcrobatの起動がむちゃくちゃ早くなっていたのです。これまで、私はPDFビューワーとしてAcrobat 6.0を使ってきたのですが、起動の遅さにいらいらするので、いつもAcrobatは立ち上げっぱなしにしていました。でも、これからはこのストレスから解放されます。Acrobat 6.0では起動に15秒くらいかかっていたのが、Acrobat 7.0では4秒くらいになりました。Adobeの話では、単純にプログラムを少しずつ手直しして、このスピードアップを実現したらしいです。プログラムのアップデートはこうでなっくっちゃ。アップデートを続けるたびに重たくなっていくソフトがどれだけ多いことか。

あと、Acrobat 7.0をインストールすると、Safari内でPDFファイルが表示できるようになります。私はあまりこの表示は好きではないのですが、この機能を待ち望んでいた人も多いのではないでしょうか。

ちなみに、この2つのメリットはAcrobat 7.0だけでなく、Adobe Reader 7.0でも味わうことができます。つまり、起動を早くしたい、Sarfariのページ内でPDFを表示したいという人はあえて、Acrobat 6.0からアップグレードしなくても、PDFビューワーとしてAdobe Reader 7.0を無料でダウンロードしてくれば話が済むとも言えます。

2005.02.14

Endnote 8 Mac版

ようやくEndnote 8 Mac版が日本で発売になりました。私の手元にも発売初日に届きました。

Endnoteはバージョン8からユニコードに対応し、日本語にも対応したはずでしたが、Mac版ではいくつかの不具合があります。詳しくはユサコのサイトに書かれていますが、主だったものとしては、

  • 旧バージョンで作った日本語のライブラリーが文字化けする。
  • 医中誌などのユニコードに対応していないデータはインポートできない。

という不具合がわかっています。

もともとEndnoteは日本語には対応していなかったわけですが、実際には、Endnote 7では多少の不便さはあったものの日本語でも使えていました。Endnote 8ではユニコード対応したものの、逆に、日本語での使用に制限が付いてしまうという皮肉な結果になりました。

とにもかくにも、Endnote 7がMicrosoft Word 2004に対応したいなかったため、購入して半年間、塩漬けとなっていたMicrosoft Office 2004はようやく私のコンピュータにインストールされることになりました。でも、Endnote 7にはアップデータでMicrosoft Word 2004に対応してもらいたかったですね。

それから何度も言いますが、ISI社には、日本からもEndnoteのダウンロード販売を認めて欲しいです。

2005.01.04

Mr.インクレディブル

Apple Store GINZAをぶらぶらしていたらMr. インクレディブルのゲームを発見。ほとんどの映画は息子と行くような私にとっては、昨年のベスト映画である「Mr.インクレディブル」。PIXAR社の技術の高さ云々というより、キャラクターの良さと、勧善懲悪なシンプルなストーリーが楽しめ、息子も2回見に行く気に入りよう。私はゲームにはまる性格ゆえ、我が家にはゲーム機はないし(使えなくなったPlayStationはありますがあるが)、今後も買わない予定にしている。でも、Macでも使えるゲームなら、息子のMac教育(っていうか、Macヲタ養成)にはうってつけと思い、早速購入。

「Mr.インクレディブル 緊急事態発生!」

インターチャネル(2004/12/02)、価格:¥ 4,340(税込)、ASIN:B0006JEEH0 【amazon.co.jp

5歳以上対象とはなっていますが、結構アクションものが多く、上手にマウスが使えないと厳しいです。ゲームとしてはよくできていて、バリエーションも多いので、なかなか飽きないと思います。Mac専用かと思いきや、WindowsとMacのハイブリッド版でした。


昨年はニモのゲームも買いましたが、こちらは5歳くらいの子供が楽しむにはちょうどいい感じでマウスが上手に使えなくても楽しめます。

「ファインディング・ニモ ようこそ海中アドベンチャーの世界へ」

インターチャネル(2003/11/07)、価格:¥ 4,148(税込)、ASIN:B0000DIZ4X 【amazon.co.jp

アクション少なめで、パズル的なゲームが中心で4、5歳の子供でも十分楽しめます。WindowsとMacのハイブリッド版です。


2004.12.17

Photoshopの小技:電気泳動の写真をまっすぐにする

核酸の電気泳動の写真やWesternの写真をスキャナーで取り込んだとき、ななめになったバンドを簡単にまっすぐにする方法の紹介です。

まずは電気泳動の写真をスキャナで取り込みます。条件はゲルの大きさにもよりますが、私の場合、グレースケールの8bitで、解像度300dpi程度にしています。ファイルの大きさを小さくするため、スキャンの際にある程度トリミングします。

このままでバンドの部分を切り出すと、下のようにかなりバンドが曲がってしまいます。

[イメージ]→[カンバスの回転]→[角度入力...]で試行錯誤で角度を入力して、まっすぐになるようにカンバスを回転してもいいのですが、以下のようにすると一発でまっすぐにすることができます。

スポイトツールの後ろに隠れているものさしツールを使います。ものさしツールは、オブジェクトの長さや角度を測るためのツールです。

電気泳動のバンドに沿って直線を引きます。

そうすると、情報ウィンドウには、いま引いた直線の長さと角度が表示されます。

これで、1.5度反時計回りにカンバスを回転させてやれば、まっすぐになることがわかりました。ただし、ここがPhotoshopの賢いところなのですが、この状態で、[イメージ]→[カンバスの回転]→[角度入力...]を開くと、まっすぐにすべき角度がすでに入力されている状態になっています。

そのまま、OKボタンを押すと、自動的にカンバスが反時計回りに1.53度回転され、まっすぐになります。

あとは、バンドの部分をきりとって完成。

2004.11.30

Endnote

Mac用のMicrosoftは今年の7月にアップデートされて、Microsoft Office 2004 for Macになりました。私も発売されて、すぐに購入したのですが、パッケージは開封もせず、いまだに古いMicrosoft Office vXを使っています。

理由は、文献管理ソフトのEndnoteがMicrosoft Office 2004 for Macに対応していないからです。たいていの文書はエディタでうっているのでOfficeのWordを使う一番の目的は、論文を書くことです。そんなわけで、Endnoteが対応していないのなら、Wordを使う理由はないに等しいのです。EndnoteがMicrosoft Office 2004 for Macに対応していないことは、Thompsonのサイトにも明記されていて、マイナーアップデートではなくて、メジャーアップデートで対応する(つまり有料になる)とアナウンスしていました。11月中にはEndnote 8 for Mac OSXがリリースされるというので、わたくしも首を長ーくして待っていたのですが、約束通り、11月30日にリリースされたとThompsonのサイトでアナウンスされ、さっそくダウンロード販売が開始されました。

以前もお話ししたことがありますが、日本からはEndnoteのダウンロード販売が利用できないようにブロックされています。日本にいる人は代理店であるユサコ経由でしか購入できないのです。そんなわけで、ユサコにいつになるんだと問い合わせてみましたが、ユサコ側でも不具合がないか確認できないと発売ができないということで、まだ当分販売されないそうです。以前、日本語の扱いに問題があったとのことで慎重に対応したいとのこと。でも、もともと日本語は扱えないとアナウンスしているのでは。私の場合、英語でしか使わないので、日本語が扱えなくてもかまわないのですが、せめてダウンロード販売を日本人にも開放してもらえないでしょうか?

2003.04.04

Life with PhotoCinema

エイプリルフール企画のために作ったシアトルのビデオクリップを妻に公開前に見せたところ、普段あまりおどろいたりしない妻がえらく感激していました。自分でもずいぶんいいのが出来たとご満悦でした。きっと、Guestbookで「あのビデオクリップはどうやって作ったんですか?」などと聞かれるるのではないかと期待していました。ところが、誰からも何の反応もなし。

仕方がないので、自分で勝手に作り方を説明します。

あのビデオクリップはLife with PhotoCinemaというソフトを使って作りました。このソフトは10枚くらいのデジタルカメラの写真から、10分ほどでクールなPhotoCinemaが出来るというソフトです。昨年の春に発表されて、数々の賞を受賞し、密かに話題になったソフトです。以前から欲しいと思っていたのですが、1月頃に、今年のエープリルフールのネタはこれだと思い、さっそく買ったのでした。

言われているように、数分でクールなPhotoCinemaができあがります。「おまかせ」で作る限りに置いてはほとんどマニュアルも必要ありません。ただ、「おまかせ」ではなく、自分でエフェクトや切り替えを考えて作るとなると、それなりに大変だったりします。私の場合、半日くらいかけて、あのPhotoCinemaを作りました。やり始めると結構はまってしまい、自分がVJ (Video Jockey)にでもなったような気分になるソフトです。

デモ版もあるので、一度お試しを。

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