2011.12.22

積ん読本2011年12月

年内に、単著にメドを付けたいと思って、そっちに気持ちがいってしまって、なかなか本が読めません。週3冊くらいは買っているので、どんどん積まれていっています。

アメリカ出張の際に読んだ、ミレニアム1とマネーボールは面白かったですね。

というわけで、積ん読本と読了本の紹介です

「YUIGON ~もはや最期だ。すべてを明かそう。」

著者:浜田 幸一、出版社:ポプラ社 (2011-05-20)、ASIN:4591124460【amazon.co.jp

小説より、きっとおもしろいに違いないと思って買いました。


「モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか」

著者:ダニエル・ピンク、出版社:講談社 (2010-07-07)、ASIN:4062144492【amazon.co.jp

各所で話題になっている本ですが、この手の本は積み続けられる可能性が高いんだよな。


「物語論 (講談社現代新書)」

著者:木村 俊介、出版社:講談社 (2011-11-18)、ASIN:4062881292【amazon.co.jp

僕は、木村俊介さんのインタビューがとても好きです。これだけ若くて、上手はインタビュー記事が書ける人はなかなかいないです。私は、生まれ変わったら、インタビュワーか編集者になりたいと思っているのです。


「iPhone習慣術」

著者:堀 正岳、出版社:インプレスジャパン (2011-12-09)、ASIN:4844331175【amazon.co.jp

ただのiPhoneの使い方の本ではなく、iPhoneを使ったLifehack本です。


「Facebook HACKS!~仕事、生活、人生までもが一変する実践テクニック~」

著者:小山龍介、出版社:日経BP社 (2011-10-13)、ASIN:4822248720【amazon.co.jp

Facebookは、いまだに、よく使い方がわからないので、1冊くらい読んでみようと思って、本屋で見つけた本。


「医学部受験の闇とカネ (経営者新書)」

著者:長澤潔志、出版社:幻冬舎 (2011-11-28)、ASIN:434499812X【amazon.co.jp

医学部受験の歪んだ実態を赤裸々に暴くとは、言っても、たいしたことがなかった。


「「やめること」からはじめなさい (星海社新書)」

著者:千田 琢哉、出版社:講談社 (2011-11-25)、ASIN:4061385070【amazon.co.jp

いろんな本の焼き直しみたいな本で、本屋で間違って買ってしまった。


「スティーブ・ジョブズは何を遺したのか (日経BPパソコンベストムック)」

日経BP社、2011-11-26、ASIN:4822268705【amazon.co.jp

「Steve Jobs」があまりにビジュアルが少ないので、その補足として買いました。


「旅カメラPENとノスタルジック写真 ~フォトグラファーが教えるアートフィルター撮影テクニック (Books for Art and Photography)」

著者:山崎 麻里子、出版社:技術評論社 (2011-11-30)、ASIN:4774149381【amazon.co.jp

PENのアートフィルターは本当におもしろくて、ついつい使ってしまう。でも、これ使っていると写真の腕が上がらないんだろうなという罪悪感がいつもつきまとう。


「一般意志2.0 ルソー、フロイト、グーグル」

著者:東 浩紀、出版社:講談社 (2011-11-22)、ASIN:4062173980【amazon.co.jp

小難しい本みたいだけど、是非とも読んでみたい。


「マネー・ボール (RHブックス・プラス)」

著者:マイケル・ルイス、出版社:武田ランダムハウスジャパン (2006-03-02)、ASIN:4270100281【amazon.co.jp

映画を見ようと思って、その前に読みました。マネーボールが、アスレチックスのサイバーメトリクスを使った、チーム強化法の話だということは知っていました。でも、それが、映画になるのかなと思っていましたが、ちゃんとドラマになっていましたね。面白い小説でした。


「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)」

著者:スティーグ・ラーソン、出版社:早川書房 (2011-09-08)、ASIN:4151792511【amazon.co.jp

「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)」

著者:スティーグ・ラーソン、出版社:早川書房 (2011-09-08)、ASIN:415179252X【amazon.co.jp

海外のサスペンスは苦手。その理由は登場人物の名前が覚えられないから。しかも、この小説は、スウェーデンが舞台で、登場人物の名前が、スウェーデン語で、さらに読みにくい、、、。(登場人物一覧が、すごく役立ちます)

しかし、その欠点を補ってあまりあるくらい、面白かった。本当は、10まで構想が出来ていたけれど、3を書き終えた時点で作者は急逝してしまったとのこと。

残りの2と3は大切に読もう。


「うほほいシネクラブ (文春新書)」

著者:内田 樹、出版社:文藝春秋 (2011-10-19)、ASIN:4166608266【amazon.co.jp

内田樹先生の映画評を集めたもの。正月に映画を借りてくるときの参考にしようと思って。


「統計・確率思考で世の中のカラクリが分かる (光文社新書)」

著者:高橋洋一、出版社:光文社 (2011-10-18)、ASIN:4334036457【amazon.co.jp

高橋先生の辛口は好きなんです。


「本へのとびら――岩波少年文庫を語る (岩波新書)」

著者:宮崎 駿、出版社:岩波書店 (2011-10-21)、ASIN:4004313325【amazon.co.jp

以前、こちらでも紹介した、宮崎駿氏が岩波少年文庫から50冊を選び、コメントを付けたのが、前半部。後半は、震災前後のエッセイを収めています。


2011.12.21

本の紹介「トラオ 徳田虎雄 不随の病院王」

「トラオ 徳田虎雄 不随の病院王」

著者:青木 理、出版社:小学館 (2011-11-30)、ASIN:4093798281【amazon.co.jp

「なんで、医者になりたいと思ったのですか?」よく聞かれますが、小学生くらいの時から、そうなると思っていて、なぜ、なりたいのかということは考えたこともありませんでした。でも、小学生の時に、「人体の不思議」みたいな本を読みあさっていたから、とにかく、人体のしくみや、病気のしくみ、そういうものを知りたいというのがあったのかもしれません。

中学生の時に読んだ本で、1つとても印象に残っている本があります。それが、徳田虎雄氏が書いた「生命だけは平等だ」という本です。ただ、ただ、圧倒されました。でも、心酔しなかったのは、どこか、キワモノのような印象を感じ取ったからかもしれません。

徳田虎雄氏は、皆さんご存じのように、徳州会グループを一代で作り上げた病院王であり、また、一方で、衆議院議員でもあった方です。徳之島の選挙活動のすごさも、よくメディアで報道されていました。

彼は、10年前にALSを患い、政界を引退しましたが、今でも、呼吸器を付けながらも、湘南鎌倉病院の特別室から、徳州会グループを動かしています。本書は、本人へのインタビューをはじめ、関係者への取材を元に構成した、徳田虎雄の半生記。

帯の「ぎょろり、ぎょろり」というのと、表紙の写真が写真が印象的。おもしろくてあっというまに読み切りました。


2011.12.01

本の紹介「日本人研究者のための絶対できる英語プレゼンテーション」

「日本人研究者のための絶対できる英語プレゼンテーション」

著者:Philip Hawke、出版社:羊土社 (2011-11)、ASIN:4758108420【amazon.co.jp】【目次

タイトルの通り、日本人研究者が英語プレゼンテーションができるようになるための指南書。英語だけの問題ではなく、スライドの作り方、言語コミュニケーション、非言語コミュニケーションまで網羅しています。若手日本人研究者の発表をネタに、解説を進めています。

たくさんの文例が載っているわけではなく、本当に、この一冊で「絶対できる」ようになるわけではありません。ただ、できるようになるための、インターネットサイトやPodcastの紹介などもしており、親切な本です。どちらかというと、実は、指導者向けに最適な本なのではないかと思いました。この本には、英語プレゼンテーションをおこなう際の詳細なチェックリスト(100を越える)が冒頭に載せてあり、それに沿って解説が進んでいます。このチェックリストを元にしながら、指導するのは、とても有効だと思いました。

発音の部分にもかなりのページを割いていますが、やはり、Nativeにチェックしてもらわないとダメなんだろうと思いました。

原稿を読むべきかどうかについては、この本では、スクリプト(原稿)を暗記して、本番では、それを見ないで発表することを勧めています。そう言う経験を何回か経験すれば、だいぶ、慣れてくるのではないかということでした。

意外に感心したのは、次の2点。

英語でのプレゼンテーションでは、できるかぎり、会話調の英語をつかうべきだということ。具体的には、フォーマルに聞こえるラテン語系の動詞を避けて、ゲルマン語系の動詞を使う。受動態ではなく能動態を使う。抽象的な概念を示す名詞(たとえば、depletion)は、同等の動詞(we depleted)に置き換える。といった具合です。

レーザーポインターはうまく使えない人が多い(グルグル回して、見づらい)ので、レーザーポインターが必要なくてもすむようなアニメーションを使うのが効果的と主張しています。確かに、それはそうかもしれません。あと、最近は、スクリーンではなく、液晶ディスプレイが導入されている会場ってありますよね。あれ、実は、レーザーがすごい見づらいのです。私も前回の市民講座は立派なホールだったのですが、液晶ディスプレイだったので、レーザーがまったく映らず、指で指したりして苦労してやりました。そう言うこともあるって事は知っておいた方がいいですね。

ということで、研究室に1冊あるとよい良書です。


2011.11.09

「スティーブ・ジョブズ」本の賛否両論

発売初日、下巻「スティーブ・ジョブズ II」は本屋に山積みになっていたのにがbk1からなかなか届かず、我慢が出来ず本屋で買ってしまったら、翌日、bk1から届いて、2冊持ち状態に。→欲しい人、あげますよ。ただし、取りに来てくれる方。

下巻「スティーブ・ジョブズ II」も2日ほどで一気に読んでしまいました。

率直な感想として、私は面白かったです。下巻の内容は、リアルタイムで知っていたことがほとんどでしたが、それでも、こうやって、Steve Jobsの人生をクロニカルに振り返ることが出来て幸せでした。Steve Jobsが、そんなに天才でもないこと、人柄がいいわけではない(というか、かなり悪い)ことも知っていました。でも、それを、暴露本のようにセンセーショナルに書くのではなく、多くの関係者の取材を通して、客観的に伝えていること、作者に敬意を表します。いずれにしても、波瀾万丈なSteve Jobsの一生を、亡くなられてから、わずか1ヶ月というタイミングで振り返られたことがよかったです。

ここに来て、いろんなところから、「スティーブ・ジョブズ I」「スティーブ・ジョブズ II」の書評が出てきました。一つは、池谷裕二さんが読売新聞に書いた書評です。まぁ、無難な書評であり、好意的な書評です。

一方、朝日新聞の山形浩生氏の書評は、そうとう辛口。にもかかわらず、朝日新聞は書評タイトルを「「天才」の生と死いちはやく活写」としている。そんなことはどうでもよいのですが、山形浩生氏の主張は、本書には目新しいことがまったくなく、無理矢理新規性を出そうとして、些末なエピソードを詰め込んだせいで、ムダに分厚いという指摘です。彼が古参のパソコンマニアで、彼には、アップル草創期からのジョブスの活動はリアルタイムで知っていると言うことなのでしょう。

池谷さんのつぶやきによると、「実は、山形さんのコメントのほうが、私の実感に近いのですが、」とのこと。えっ、と思いましたよ。正反対じゃん。まぁ、大新聞の書評だから、思ったようには書けないのかもしれないのですが。

2011.11.01

本の紹介「スティーブ・ジョブズ I」

今どの本屋でも大量山積みの本です。スティーブ・ジョブズ本は、過去にもたくさん出されていますが、どの視点から書くかで、まったく異なる本になってしまう。それくらい、スティーブ・ジョブズの人生が波乱に満ちていて、気性も激しかったと言うことでしょう。近年は、iPhoneのヒットや、プレゼンテーションのうまさから、ポジティブに評価している人が多いですが、暗黒の時代のアップルを知っている立場からすると、決してよいところばかりではありません。

本書「スティーブ・ジョブズ I」は、スティーブ・ジョブズ本人が、取材をOKし、自伝として公認した唯一の本です。というか、むしろ、死期を予感し、子供の達に自分がどんな人生を送ってきたか、正確に書いて欲しいと、アメリカ を代表する伝記作家ウォルター・アイザクソンに依頼したと言われています。書いた内容について、一切文句を言わないから書いて欲しいと。

伝記作家ウォルター・アイザクソンらしく、非常に緻密で第三者の立場をかたくなに守っているというのが本書の特徴とも言えます。本書を読むと、傍若無人なスティーブ・ジョブズに驚くかもしれません。

上巻では、スティーブ・ジョブズがアップルを追い出されて、NeXTと立ち上げ、ピクサーを買い取った当たりまでを描いています。私が、Macに触れ始めたのは、20年前ですから、ちょうど、上巻の内容は、私がMacに触れ始める前のところまでになります。

写真がふんだんに掲載されているわけでもありません。是非とも、ネットでApple IIやMacintoshの写真を探して、それを見ながら、読んだらいいと思います。また、1984年のMacintoshの発表会がどれだけ熱狂的だったのか、、Youtubeの動画を見ながら読めば、楽しいと思います。伝説の1984のコマーシャルも、現物を見た方がよいです。たくさんの登場人物がいますが、それをWikipediaで追っかけてもおもしろい。

この本は、スティーブ・ジョブズ正史とも言えるものです。淡々として、客観的な視点の本ですが、それでも、スティーブ・ジョブズの人生があまりに波瀾万丈なので、面白すぎます。

明日は、ちょうど、下巻「スティーブ・ジョブズ II」が届きます。楽しみ。

2011.10.29

「レジデントのための血液透析患者マネジメント」増刷

レジデントのための血液透析患者マネジメント」の増刷が決まったとのうれしいお知らせ。増刷というのは、初刷りで印刷した部数が完売しそうなので、追加で印刷すると言うこと。

皆さんもご存じのように、日本には、再販制度というのがあって、本は発売されると、とりあえず、いろいろな書店に並ぶことになりますが、6ヶ月後に売れなければ、出版社に返本してもいいというルールになっています。したがって、正確な売り上げ数というのは、出版社でも半年以降にならないと把握ができません。書店からの追加注文や、医学書書店からの反応を見て、売れ行きが良好だという判断なのでしょう。

特に、初版→二刷りというのは、出版社にとっても、著者にとっても大きな意味があります。一般的に、初刷りを売りきれるかどうかが、出版社にとっての損益分岐点だと言われています。したがって、初刷りが売りさばけないとなると、出版社は赤字。二刷り以降に進めば、出版社に利益が入ると言うことになります。今回は、企画を自分で持ち込んだものですから、なんとしても、初版は売り切りたいと思っていたので、とりあえず、義理は果たせたとホッとしています。

構想8年、執筆1年の本ですから、定期的に改訂もおこなって、長く読み続けられる本になってくれるといいなと思っています。

川崎医科大学の柏原教授、東海大学の深川教授、中部労災病院の藤田先生から、あたたかい書評をいただくことが出来ました。ありがとうございました。

2011.10.21

「13階段」と「果つる底なき」

さっそく、「13階段」を手に入れて、読み始めたのですが、なにか、違和感が、、、、。結末が予想できる。デジャヴ感が、、、。読み進めるうちに、この本読んだことがある!と気がつきました。こういうことよくあるんですよね。特に、東野圭吾の本で頻発します。

ということで、池井戸潤氏の本を選ぶことに。同じサラリーマン小説系は避けたかったので、江戸川乱歩賞を受賞したデビュー作「果つる底なき」を選びました。ストーリーのテンポの良さとかから、きっと、この方は、放送作家出身なのかなと思ったら、もともとは、銀行マンで、その後、企業コンサルタントをやりながら、ビジネス書を書いていた人なのだそうです。そして、1ヶ月で、初めて小説にチャレンジしたのがこの作品とのこと。「1ヶ月しか時間は取れないから、取材する時間もない。そのために銀行員時代に体験した債権回収の出来事がそのまま題材となって出てきます」と、池井戸潤氏が自作を語っているBOOK asahi.comの記事、に書かれていました。とてもテンポがよく、最後までじっくり読ませるハードボイルド的な推理小説でした。

2011.10.15

「下町ロケット」と「ジェノサイド」

先日の積ん読本でも紹介しましたが、「下町ロケット」と「ジェノサイド」両方ともなかなか面白かったです。もちろん、両方とも予定調和的な結末を迎えますので、その辺を、なだかなぁと思い始めてしまえば、底の浅さが見えてしまいますが、エンターテイメントとしてはどちらもよくできた本だと思います。

両者に共通しているのは、理系的な専門知識が満載な事、男中心のストーリー展開と言うことでしょうか。

どちらがおすすめかと言えば、「ジェノサイド」です。スケールが大きく、展開が早く、みるみるはまっていきますね。薬学、医学、生物学の知識が結構出てきますが、実現可能かどうかは別にして、かなり、いい線を行っているように思います。SFですから、もちろん、現実的に可能なストーリーではないですが。イメージは、「ジュラシックパーク」とか「パラサイトイブ」を読んだときに似ています。高野和明さんというのは、特に、生物学を学んだこともないようですから、それで、ここまで書ききるのは見事です。ただ、半分は、戦争物ですから、好き嫌いは分かれると思います。私は、久しぶりにむさぼるようにして、一日で読み切ってしまいました。そのくらい、「はまる」本だと思います。

秋の夜長にどうぞ。

PS. 高野和明氏は私の中学高校の1年先輩でした。江戸川乱歩賞を取られた「13階段」も読んでみよう。

2011.10.11

積ん読本2011年10月

8月のウィーン旅行を終えてしまったら、すっかり、読書とは縁遠くなってしまいました。原稿とかがたまっているから、電車の中や寝る前の時間も、それらのことが気になって、あえて、本を遠ざけていました。

では、その結果、仕事が進んでいるかというと、NOでありまして、せめて、1日のうち、一定の時間は本を読んでいた方がいいと思うようになって、この週末で、「下町ロケット」を読みました。

というわけで、積ん読本と読了本の紹介です

「下町ロケット」

著者:池井戸 潤、出版社:小学館 (2010-11-24)、ASIN:4093862923【amazon.co.jp

第145回直木賞受賞作。男っぽいというか、サラリーマン小説である。すかっとするストーリーであるが、すべて予定調和と言われてしまえば、その通り。いかにも、ドラマ向きの小説です。


「ジェノサイド」

著者:高野 和明、出版社:角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-03-30)、ASIN:4048741837【amazon.co.jp

「下町ロケット」の次は、この本と思っています。


「スミスの本棚 私の人生を変えたこの一冊」

著者:テレビ東京報道局ワールドビジネスサテライト、出版社:日経BP社 (2011-09-22)、ASIN:4822248682【amazon.co.jp

第一線で活躍する経営者、文化人、俳優、作家はどんな本を読んでいるのか?42人の座右の書を紹介する1冊。こういう本、ついつい読んでしまって、ますます、積ん読本が増えてしまうのです。


「明暗 (新潮文庫)」

著者:夏目 漱石、出版社:新潮社 (2010-01)、ASIN:4101010196【amazon.co.jp

本当は、ウィーンの出張の際に読みたかったのですが、手を付けられませんでした。次の海外出張で是非。


「続 明暗 (ちくま文庫)」

著者:水村 美苗、出版社:筑摩書房 (2009-06-10)、ASIN:4480426094【amazon.co.jp

ご存じのように、夏目漱石の「明暗」は、夏目漱石の死によって、途中で終わっているのですが、その続きを書いたという本。たいてい、こういうものは、駄作が多いのですが、この本は、結構、評判がいいので、「明暗」と一緒に、次の海外出張で。


「日の名残り (ハヤカワepi文庫)」

著者:カズオ イシグロ、出版社:早川書房 (2001-05)、ASIN:4151200037【amazon.co.jp

「私を離さないで」がよかったので、カズオイシグロで次に手を出すとしたら、これですね。


「トム・ソーヤーの冒険―トウェイン完訳コレクション (角川文庫)」

著者:マーク トウェイン、出版社:角川書店 (2005-01)、ASIN:4042142079【amazon.co.jp

マークトウェインの言葉がとても好きだから、子供の頃に戻って、もう一度、読み直したいと思っています。


「暴力団 (新潮新書)」

著者:溝口敦、出版社:新潮社 (2011-09-16)、ASIN:4106104342【amazon.co.jp

今、話題になっている本。見知らぬ世界の基礎知識が得られて、なかなか、よかったです。


「スティーブ・ジョブズ I」

著者:ウォルター・アイザクソン、出版社:講談社 (2011-10-25)、ASIN:4062171260【amazon.co.jp

スティーブジョブス本は、過去に何冊か出されていますが、唯一、本人が取材をOKして、自伝として公認した本。スティーブジョブスの死によって、発刊が1ヶ月早まりました。ベストセラー必至の本です。


「スティーブ・ジョブズ II」

著者:ウォルター・アイザクソン、出版社:講談社 (2011-11-02)、ASIN:4062171279【amazon.co.jp

下巻の方も発刊が早まったようです。


2011.08.19

本の紹介「科研費獲得の方法とコツ 改訂第2版」

「科研費獲得の方法とコツ 改訂第2版」

著者:児島将康、出版社:羊土社 (2011-08-10)、ASIN:4758120269【amazon.co.jp

去年、初版が出たときにも、こちらで紹介したら、すごい反響があって、ものすごく売れた本です。おそらく、昨年の羊土社のベストセラーなのではないでしょうか。

こういう本は、毎年、科研費のポリシーが変わると使い物にならなくなっちゃうなと思いましたが、児島先生、ちゃんと、最新のデータに基づいて、平成23年度版をきちんと作られました。ちゃんと、科研費シーズン前に出すのですから、羊土社も気合いが入っています。

第2章と、第3章は第1版とまったく変わっていません。大きく変わったのは、第1章です。すでに、第1版をお持ちの方は、買い換える必要はないと思いますが、今年初めて、科研費を申請する方、今まで科研費に通ったことがないという方には、マストバイな一冊と思います。

前書きに、「こんな本を書いている自分自身が科研費通らないわけにはいかないと、去年の科研費申請には相当プレッシャーがかかった」と告白されています。児島先生ご自身の実物の申請書や、落ちた方の実例、通った方の実例などがあり、とても誠実に書かれた本です。

私も、今年は、科研費申請しなきゃいけない年なので頑張ります。


2011.08.05

腎臓内科学の勉強

教育部門に移って、なかなか、じっくり腎臓内科学の勉強をする機会が減ってしまいそうだったので、週に一回、卒後5-8年目の若手有志と一緒に、1時間の勉強会を2年前からやっています。

自分一人だとなかなか読めないような重たい本を教科書にしていて、これまでに、以下の3冊を読みました。

臨床透析ハンドブック第4版

より理解を深める!体液電解質異常と輸液 3版

腎生検病理アトラス

どの本も、腎臓内科医であれば、一度は読んでおくべきと思うような良書でした。そして、次の教科書。最近出版された、次の本にしました。

シュライアー腎臓病と病態生理

かなり分厚く、読みでがある本です。半年くらいかけて、じっくり勉強したいと思います。

2011.08.01

本の紹介「Amazonランキングの謎を解く」

私の書いた本「レジデントのための血液透析患者マネジメント」は、なかなかAmazonに入荷せず、一瞬15冊入荷されましたが、その後、再び、在庫切れという状況が続いています。なんか、ビジネスチャンスを失っているような気もしますが、息の長い本になって欲しいので、まぁ、いいかと。

自分の本のAmazonの在庫状況を見ながら、ついつい目がいってしまうのが、Amazonランキング。入荷があったときには、3桁台まで上昇しましたが、その後、在庫切れになったら、1万-3万台あたりをふらふら。

ところで、このAmazonランキングというのはどうやって計算しているのでしょうか?Amazonランキングの更新頻度が1時間に一回だから、当然、1時間当たりの売上冊数によると考えたくなります。1時間に何冊も売れる本はそれでよいのですが、ロングテールビジネスをおこなっているAmazonにおいては、大部分の本が1時間当たりの売上冊数はゼロなはずです。1日で売れた数、1週間で売れた数、1ヶ月で売れた数に、係数をかけて、ランキングをはじき出しているのでしょうか?Amazonが取り扱う、大部分の本は、年に5冊くらいが売れるロングテール本だと言われています。そうすると、Amazonが扱う300万点もの書籍すべてに、それぞれ一意のランキングを付けるには、どういう計算方法を用いているのか?考えると、とても不思議な感じがしてきます。

ちょうど、そんなことを考えていたとき、いつも行く日本橋の丸善に、「Amazonランキングの謎を解く: 確率的な順位付けが教える売上の構造」が平積みされていました。タイトルを見ると、ビジネス書みたいな感じがしたのですが、パラパラと見ると、本格的な確率論の本。さっそく、購入して(私がリアル書店で本を買うのはよほどのことです)、あまりに面白く、あっという間に、読んでしまったので、みなさんにおすすめしたいと思います。

著者の服部哲弥氏は、慶應義塾大学経済学部教授で、確率論、数理物理学の研究者です。Amazonの内部の人間ではないので、実際に、Amazonのランキングがどのように計算されているかについて解説しているわけではありません。Amazonランキングを題材として、数理物理学を展開している本です。つまり、Amazonランキングを計算する数理モデルを構築し、サンプルデータ(いくつかの書籍のAmazonランキングを毎日書き写して採取したもの)を用いて検証するということをやっている本です。

Amazonのランキングの計算方法を推測する上で、著者が採用したモデルは「move-to-front規則」(最後に売れた順に並べる、つまり、注文のたびに1位にジャンプする)というモデルです。たしかに、これは、自分の本のランキングをながめていても起こる現象で、順位が、10万台であろうと、100万台であろうと、1回注文すると、順位が、おおむね1万位台または2万位台に一気に上がります。実際には1位ではありませんが、本研究では、研究対象をロングテールの本にしぼり、1位と1万位が同等と見なせる単純化したモデルを用いているので、モデル内では同じ意味合いと考えて下さい。

そして、もう一つ重要なことは、検証対象を、1週間に1冊以下しか売れないような、Amazonが取り扱っている大多数の本にしぼったことです。よく売れる本(ビッグヒット書籍)と大多数のあまり売れない本(ロングテール書籍)では、Amazonランキングの計算の仕方が異なる可能性があり、著者は、ロングテールのランキング1万位以下の書籍のAmazonランキング計算方法に焦点を当てました。

著者はパレート分布に基づき、非常に単純なランキングの数理モデルを構築しました。そして、サンプルデータのランキングの時間変化のデータを統計的に当てはめて、各種係数を決めています。それによれば、著者の構築した数理モデルはランキングの推移と、非常によく一致しており、ランキングの数理モデルが正しいことを検証しています。

中身の1/3くらいは、かなり本格的な数学なので、私もついて行けないのですが、この本で、Amazonランキングの意味するものが 、明確になりました。

1万位以下のAmazonランキングでは、そのランキングが意味するものは最後に売れてからの経過時間と考えるとよいようです。

順位 最後に売れてから
70万位 72日
60万位 41日
50万位 26日
40万位 16日
30万位 9日
20万位 4.5日
10万位 36時間
5万位 13時間
4万位 9時間
3万位 6時間

1万位以内(上位)のAmazonランキングは、実際の売れ行きとイメージが近いと理解できます。

順位 平均注文時間間隔
10位 5秒/冊
100位 1.5分/冊
1000位 30分/冊
1万位 7.5時間/冊

上記、テーブルは、いずれも「Amazonランキングの謎を解く」服部哲弥著から引用。

さらに、この本がすばらしいところは、ランキング計算モデルを、実際のサンプルデータに当てはめて、係数を決めた結果、実は、「Amazonはロングテールビジネスではない」ということを明らかにしたということです。つまり、ほとんど売れない本は、コストがかからないと言っても、Amazonの収益にはほとんど寄与しておらず、実際には、Amazonは「よく売れる本」で収益を得ていると言うことです。すでに、「Amazonはロングテールビジネスではない」というのは、私の書いた本のような、たいしして売れない本が、ずっと在庫されないままになっているという事実とも一致しているのかもしれません。詳しくは、本書を読んで下さい。

本格的な確率論で、ついて行けていない部分もあります(そう言う人には、読み飛ばせる工夫がしてありますのでご安心下さい)が、かなりおもしろい本です。久方ぶりに、楽しく数学と接することができました。おすすめの一冊です。

Amazonで詳細を見る

2011.07.31

積ん読本2011年7月

長崎、広島と出張が続き、7月はバタバタしましたが、大学は夏休みに入りました。教員とは言え、診療、研究活動、2学期に向けての各種講義の準備などがあり、まるっきり休みというわけではありませんが、講義もなく、委員会もほとんど8月はお休みになるので、少し、気分的にもゆったりしています。

今年は、家族での夏休み旅行はなし。本をたくさん読みたい。単行本の執筆、連載記事のスタートもしたい。いつもとは違う8月になりそうです。

「Amazonランキングの謎を解く: 確率的な順位付けが教える売上の構造」

著者:服部 哲弥、出版社:化学同人 (2011-05-30)、ASIN:475981339X【amazon.co.jp

この本は、かなり掘り出し物の本だと思っています。アマゾンの売り上げランキングを数学的に解析するという本。あっ、ビジネス書ではないですよ。本当の数学です。でも、これ、すごくおもしろい。まもなく、読み終わりますので、レビューを書きますね。


「池澤夏樹の世界文学リミックス」

著者:池澤 夏樹、出版社:河出書房新社 (2011-04-16)、ASIN:430902033X【amazon.co.jp

夏休みと言えば、新潮文庫の100冊。今年の、100冊の内、何冊読んだことがあるかなと思ったら、20冊くらいでした。

さて、新潮文庫の100冊とは全然違うのですが、河出書房新社から発行されている池澤夏樹=個人編集世界文学全集が出ています。この本は、池澤夏樹自ら、全集に選んだ本を、興味深く、紹介している本です。この本を読んで、おもしろそうな本を、世界文学全集から選んで、読んでみようかな。これが、今年の夏の過ごし方です。


「お金はいつも正しい」

著者:堀江 貴文、出版社:双葉社 (2011-06-21)、ASIN:4575303283【amazon.co.jp

堀江さんのことは、個人的にとても好きです。自分が正しいと思うことを、率直に全力でやっている人と考えています。不器用なところで、いろいろ問題になるのでしょうが。以前から、彼のメルマガを購読しているのですが。すごいですね。収監されたにもかかわらず、毎週、量、質ともに充実したメルマガです。

この本は、収監直前に書かれた本です。若者向けの本ですが。あいかわらずの堀江節が味わえます。


「マネー避難 危険な銀行預金から撤退せよ!」

著者:藤巻健史、出版社:幻冬舎 (2011-06-23)、ASIN:4344020103【amazon.co.jp

特に、守るほどの資産はないのですが、デフォルトの危機がせまり、円高も1ドル78円まで進み、少し、真剣に考えようかと思っています。


「大局観 自分と闘って負けない心 (角川oneテーマ21)」

著者:羽生 善治、出版社:角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-02-10)、ASIN:4047102768【amazon.co.jp

かれこれ、3ヶ月積ん読になっている。そろそろ読みたい。


「パブリックスピーカーの告白 ―効果的な講演、プレゼンテーション、講義への心構えと話し方」

著者:Scott Berkun、出版社:オライリージャパン (2010-10-27)、ASIN:487311473X【amazon.co.jp

この本は、プレゼンテーションの本質に迫った本。プレゼンテーションの良書。近いうちにレビューを書きます。


「「患者様」が医療を壊す (新潮選書)」

著者:岩田 健太郎、出版社:新潮社 (2011-01)、ASIN:4106036711【amazon.co.jp

この本も、なかなか積ん読状態を解消できずにいます。


「ケニアのスラムで高血圧を治さない―類化性能と別化性能」

著者:岩田 健太郎、出版社:克誠堂出版 (2011-03)、ASIN:477190376X【amazon.co.jp

この本も、なかなか積ん読状態を解消できずにいます。


「養老孟司の大言論〈1〉希望とは自分が変わること (養老孟司の大言論 1)」

著者:養老 孟司、出版社:新潮社 (2011-02)、ASIN:4104160040【amazon.co.jp

養老先生の本だからと、3冊まとめ買いしてしまいました。この夏には読みましょう。


「養老孟司の大言論〈2〉嫌いなことから、人は学ぶ (養老孟司の大言論 2)」

著者:養老 孟司、出版社:新潮社 (2011-03)、ASIN:4104160059【amazon.co.jp

養老先生の本だからと、3冊まとめ買いしてしまいました。この夏には読みましょう。


「養老孟司の大言論〈3〉大切なことは言葉にならない (養老孟司の大言論 3)」

著者:養老 孟司、出版社:新潮社 (2011-04)、ASIN:4104160067【amazon.co.jp

養老先生の本だからと、3冊まとめ買いしてしまいました。この夏には読みましょう。


「ベストプロフェッサー (高等教育シリーズ)」

著者:ケン ベイン、出版社:玉川大学出版部 (2008-05-01)、ASIN:4472403625【amazon.co.jp

2学期に向けて、読んでおきたいと思っています。


「社会は絶えず夢を見ている」

著者:大澤 真幸、出版社:朝日出版社 (2011-05-18)、ASIN:4255005834【amazon.co.jp

かなり、重たい本なので、なかなか手が付けられません。


「英語流の説得力をもつ日本語文章の書き方」

著者:三浦 順治、出版社:創拓社出版 (2009-06)、ASIN:487138246X【amazon.co.jp

指導する大学院生や若い医師の方の日本語の文章(たとえば、抄録や、各種申請書)のリライトをする機会が多いのですが、この本は、私が今まで無意識でおこなってきたリライトを、構造化してくれました。

この本を読むと、リライトのポイントを意識化することが出来、リライトの腕が上がります。なかなかの良書。


2011.07.13

本の紹介「裸のプレゼンター」

「裸のプレゼンター」

著者:ガー・レイノルズ、出版社:ピアソン桐原 (2011-07-08)、ASIN:4864010552【amazon.co.jp

本書は、プレゼンテーションZENで知られるガー・レイノルズのプレゼンテーション本の第3弾。1冊目が、プレゼンテーションZENの神髄とも言える「プレゼンテーションzen」、2冊目は、デザインに特化した「プレゼンテーションzenデザイン」。その後、入門書的な「ガー・レイノルズ シンプルプレゼン」という本が出ていますが、本作が実質的な3冊目と考えてよいでしょう。

さて、3冊目の「裸のプレゼンター」はどんな本かというと、非常に本質的、哲学的な本です。上級者向けの本です。前2冊、少なくとも「プレゼンテーションzen」を読んだことがない人には、何も響かないと思います。

プレゼンテーションzen」は、世の中にあふれているプレゼンテーションの価値観の破壊、プレゼンテーションをシンプルにすることを主張していました。「パワーポイントの死」と呼ばれることを中心として、まず、パワーポイントの呪縛から離れなさいという主張であったと思います。そして、この本では、パワーポイントの呪縛から離れて、プレゼンテーションとはなんなのかに迫った本です。前2冊が、プレゼンテーションの準備にほとんどページを割いていたのに対し、本書では、プレゼンテーションの実施にほとんどのページを割いています。

本書の主張をひとことでまとめるなら、「会話型のプレゼンテーションを目指せ」ということになるでしょうか。そのことを実践するための具体的な手法が事細かに示されているわけではありません。

私なりにこの本に書かれたことを実践するためには何をしたらよいか考えてみました。その結論は、以下の5つを実践することだと思います。

・PowerPointのテンプレートは使わないこと(使うのはすべて白紙のテンプレートのみ)
・箇条書きは使わないこと、
・アニメーションとページ切り替え効果を一切使わないこと
・演台を取り除いてステージの中央に立つこと
・プレゼンテーション中に、スクリーンを見ないこと

かなり、難しいでしょうが、上級者を目指す人は考えてみて下さい。上級者を目指すプレゼンターに本書をお勧めします。ただし、「プレゼンテーションzen」を読んでからです。


2011.07.10

本の紹介「レジデントのための血液透析患者マネジメント」

レジデントのための血液透析患者マネジメント

著者:門川 俊明、出版社:医学書院 (2011-06)、ASIN:4260013874【amazon.co.jp

私の第6冊目となる著作です。6月15日に発売されていたので、早く、紹介しようと思っていたのですが、Amazonでのステータスが、ずっと、「一時的に品切れになっています」が続いていて(実際には、取り次ぎがまったく扱っていなかったのだと思う)、ここで紹介するのは、Amazonに入荷してからにしようと思っていました。今日見たら、大量といっても15冊ですが、入荷されていましたので、紹介文を書くことにします。

この本がどんな本であるかは、医学書院のサイトに、まえがき、目次が掲載されていますので、ごらんになって下さい。出版に当たって、読者対象をレジデントに絞った方がよいと言うことになったので、「レジデントのための」とタイトルに付けていますが、私が初めに付けたタイトルは、「非専門家のための血液透析入門」というものでした。医学書店に行けば、透析の書籍が非常にたくさんありますが、実は、すべての本が「専門家のための 」本です。しかし、今の時代、自分は透析にはかかわらない分野を専門にしているつもりでも、実際には、透析患者を受け持つことが多くなっています。専門家でなければ、血液透析お手上げとなる事が多いでしょうが、主治医が血液透析患者のマネジメントをわかっているかどうかは、患者管理において、きわめて重要だと思っています。すべての医師が血液透析を施行出来る必要はない。けれども、すべての医師が血液透析患者をマネジメントすることが必要なのです。だから、本書の対象者はレジデントを含めた透析非専門医ということになります。専門家でない人向けなので、わかりやすく書くことを心がけましたが、決して、内容は薄っぺらなものではありません。本格的なものですので、透析専門医の人にも十分お役に立てるものだと思っています。

この本にかけた自分の思いを少し紹介したいと思います。

私は、これまで、「研究留学術」、「透析導入テキスト」、「バイオ研究がぐんぐん進むコンピュータ活用ガイド」、「Illustratorのやさしい使い方から論文・学会発表まで」、「医師のためのモバイル仕事術―iPad/iPhoneを使い倒す!」の5冊の書籍を上梓していて、この本が6冊目となります。しかし、本書は、自分の中では特別な意味のある一冊です。

これまでの5冊は、すべて、他の方の力を借りて、書き上げたものです。「研究留学術」は実質的には単著なのですが、研究留学の仲間たちに留学談を書いてもらったので、全部が自分の筆によるものではありません。今回は、完全なる単著です。前から、すべてを一人で書き上げた本を出版したいと思っていました。

また、これまでの5冊は、すべて、自分が企画したものではありませんでした。そういえば、「透析導入テキスト」は、自分で出版社を探したのでしたが、他の4冊は、出版社の方から話を持ちかけられたものでした。今回は、どうしても、売れて欲しい。自分でも売れる本にできる自信があったので、自分で出版社探しをしました。あえて、一番大きな出版社、「医学書院」にお願いしました。

今回は、初めて自分の本業の内容で書きました。臨床において、門川が専門にしているのは何なのか、そんな名刺代わりになるものが欲しかったと言うこともあります。私は、アメリカから帰国して、8年間、血液透析を生業としてやってきました。今でも、血液透析の仕事は続けていますが、本業は医学教育になりました。だから、自分の中で区切りをつけ、自分が経験したもの、学んだものを、一度、まとめたい、そういう思いで、書きました。

一人でも多くの方に読んでいただきたいと思います。


2011.07.05

本の紹介「誰も教えてくれなかった診断学」

「誰も教えてくれなかった診断学―患者の言葉から診断仮説をどう作るか」

著者:野口 善令、出版社:医学書院 (2008-04-01)、ASIN:4260004077【amazon.co.jp

多くの方が、診断学のテキストとして、薦める本書。しかし、すでに絶版となっており、Amazonのマーケットプレースで、倍近くのお金を払って手に入れました。

この本は、レジデント向けというより、レジデントや学生に臨床推論を教える指導者向けの本だと思います。私も、年間を通して、学生に臨床推論を教えていますが、なかなか自分では言葉にまとめ上げられなかった臨床推論での頭の使い方を明文化している名著だと思います。

ただ、この本は、あくまでも、臨床推論を教えるための方法論を解説しているだけで、実際に臨床推論を教えるためには、様々な症候、場面に応じた「カード」を作っていなければいけません。だから、指導者も、この本の方法論に基づいて、「カード」を研究医・学生と作っていく必要があります。本書が、カード作りに役立つ書籍としておすすめしているのが、以下の書籍。

10分間診断マニュアル 第2版 -症状と徴候-時間に追われる日々の診療のために-
Saint-Frances Guide to Outpatient Medicine (Saint-Frances Guide Series)
Primary Care Medicine: Office Evaluation and Management of the Adult Patient (Primary Care Medicine ( Goroll ))
診察エッセンシャルズ―症状をみる危険なサインをよむ
セイントとフランシスの内科診療ガイド 第2版
研修医当直御法度―ピットフォールとエッセンシャルズ
研修医当直御法度症例帖
救急総合診療Basic20問―最初の1時間にすること・考えること (総合診療ブックス)
ERの哲人―救急研修マニュアル

カード作りには熱心で優秀な指導者が必要です。

いずれにしても、医学書院は、ちゃんと、増刷して、この本を普及すべきと思います。


2011.06.28

積ん読本2011年6月

6月は学会もあって、慌ただしかったのですが、週1冊くらいで本が読めました。しかし、週4冊くらいのペースで本を購入しているので、差し引き、週3冊が積ん読に、、、。

現在の興味は、ゲーム理論の概要を勉強したいなぁということと、少し古典を読みたいということです。

今回は、ちょっと気軽な本が少ないので、当分、積ん読かもしれません。

「ゲーム理論の思考法」

著者:川西 諭、出版社:中経出版 (2009-09-01)、ASIN:4806134708【amazon.co.jp

ゲーム理論を勉強したいなぁと思って、本屋で見ていて、一番良さそうだった本。「囚人のジレンマ」を代表とする典型的なゲーム理論がわかりやすく解説されています。


「心理パラドクス―錯覚から論理を学ぶ101問」

著者:三浦 俊彦、出版社:二見書房 (2004-10)、ASIN:4576041681【amazon.co.jp

著明なパラドクスが知りたくて購入した本。


「新訂 福翁自伝 (岩波文庫)」

著者:福沢 諭吉、出版社:岩波書店 (1978-10)、ASIN:4003310225【amazon.co.jp

説明は不要と思いますが、福沢諭吉先生の自伝です。「福翁自伝」読んでないって、あり得ないと言われて、一応、積んどいています。


「飛ぶ教室 (光文社古典新訳文庫)」

著者:ケストナー、出版社:光文社 (2006-09-07)、ASIN:4334751059【amazon.co.jp

少し古めの児童文学が最近のお気に入りであります。


「イワン・デニーソヴィチの一日 (新潮文庫)」

著者:ソルジェニーツィン、出版社:新潮社 (1963-03)、ASIN:4102132015【amazon.co.jp

スゴ本でおすすめされていた本。ちょっと、重たい本みたいなので、当分、積んどくことになりそうです。


「方法序説 (岩波文庫)」

著者:デカルト、出版社:岩波書店 (1997-07-16)、ASIN:4003361318【amazon.co.jp

この本も知らない人もいないでしょうが、企業のエグゼクティブに愛読書のアンケートを取ると、必ずベスト1になるそうです。薄いですが、読み甲斐がありそうなので、ちょっと時間がかかるかな。


「存在の耐えられない軽さ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-3)」

著者:ミラン・クンデラ、出版社:河出書房新社 (2008-02-09)、ASIN:4309709435【amazon.co.jp

いつか、映画とともに、読みたいと思っていた本です。友人のベストおすすめな映画なので。原作を読んでから映画を読むべきか、映画を見てから原作を読むべきか。私は、絶対に前者なんです。というわけで、夏の旅行で読もうと思っています。


「最終講義-生き延びるための六講 (生きる技術!叢書)」

著者:内田 樹、出版社:技術評論社 (2011-06-24)、ASIN:4774147095【amazon.co.jp

2011年1月22日に行なわれ、多くの人々に感銘を与えた内田樹先生の最終講義を含む、6つの講義が収録されています。


「アット・ザ・ヘルム -自分のラボをもつ日のために- 第2版」

メディカルサイエンスインターナショナル、ASIN:489592680X【amazon.co.jp

絶対のおすすめ本の「アット・ザ・ヘルム」の改訂版です。PIの方はもちろん、これから、留学しようとする人には、絶対のおすすめ本です。


「アット・ザ・ベンチ バイオ実験室の統計学 -エクセルで学ぶ生物統計の基本-」

メディカルサイエンスインターナショナル、ASIN:4895926710【amazon.co.jp

これも、アット・ザ・ベンチの姉妹本です。パラパラと見た感じは、まぁまぁというところでしょうか。


2011.06.27

本の紹介「1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方」

「1秒もムダに生きない 時間の上手な使い方 (光文社新書 525)」

著者:岩田健太郎、出版社:光文社 (2011-06-17)、ASIN:4334036287【amazon.co.jp

このタイトル、岩田先生の本でなければ、買わなかったです。

本書は、岩田健太郎先生のタイムマネジメント術、さらにはライフハック術を紹介した本です。

「1秒もムダに生きない」タイムマネジメント術が満載で、圧倒されるのではという不安がありましたが、読み進むうちに、そうではないことがわかり、ホッとしました。岩田先生は「1秒もムダに生きない」という生き方を、読者に強要しているわけではありません。ご自身も、「トースト、バタージャム、サラダ、コーヒーという朝のアイテムをしっかりと楽しむ。ここに長い時間をかける」「休憩をしっかりする、休養をしっかりとる」とおっしゃっています。本書で伝えたいことは、「時間を削り取り、時間を慈しむ。この相矛盾する態度をうまく混在させて、時間を上手に使っていく」ということです。

「1秒もムダに生きない」生き方は私にはできません。むしろ「他人から見たらムダと思われるようなこと」を大切にしています。もちろん、ムダの定義は非常に主観的なものですが、、、。仕事の切れ目に、学内をふらふら歩いて、同僚や後輩と会って、無駄話をする。そういう時間を大切にしたいと思っています。飲みに誘われたら、よっぽどのことがない限り断りません。結構、緊急の仕事が詰まっていても、ついつい行ってしまうのです。自分がやるべき仕事はきちんとやっているつもりですが、その上で、本業とはあまり関係のない本を書いたり、こんなブログを書いたりしています。でも、それら「他人から見ればムダなこと」が、自分が自分であるための、かなり本質的なものであるのです。

私自身、時間の使い方は下手くそです。だから、「ライフハック本」とか「タイムマネジメント本」を読むことは大好きです。ただし、そう言う本を読むときには、なるべく、本とは距離感を持ちながら読むようにしています。つまり、「こうしろ!」とか「あなたのここがダメ!」といった意見はさらっと流し、自分に役立ちそうなことだけ、参考にすると言う感じです。

本書には、岩田先生らしい、たくさんのライフハック術、タイムマネジメント術が紹介されています。

「テストの採点は、テストの日にやる」これは、私も心がけていることのひとつです。頭が一番集中している(ノっている)時に、関連したことを一気に済ませてしまうと言うことですね。似たようなこととして、私の場合、講義の準備は、前年の講義の直後にするようにしています。講義をおこなっていると、スライドをこうしておいた方がよかったなとか、この話題には触れなくてもよかったなという反省があります。そういう反省点や改善点は、時間がたつと忘れてしまうので、講義の直後に、全部やってしまうのです。あっ、もちろんん、毎年、同じ講義をやっているわけではありませんよ。反省点はその日のうちに反映させてしまうという意味です。

「パソコンとは適度につきあう」これも、そうですよね。私は、コンピュータおたくのように誤解されていますが、基本的に、コンピュータやOSはデフォルトのまま使う人間です。ハードウェアとか、ソフトウェアをいじり出すときりがないのがわかっているので、「コンピュータに振り回されずに、コンピュータを使いこなす立場でいたい」と思っています。

「三日坊主はかまわない」「翻訳の薦め」「スライドを使わない講義」「自分の知らない世界と出会う」などなど、他にもたくさんのライフハック術が紹介されています。


2011.06.19

本の紹介「超!文献管理ソリューション」

「超!文献管理ソリューション」

著者:讃岐 美智義、出版社:学研メディカル秀潤社 (2011-05-31)、ASIN:4780908434【amazon.co.jp

本書は、讃岐氏が「研究者のための文献管理PCソリューション」として、改訂を続けていた本の実質的な改訂版である。旧タイトルからPCを除き、サブタイトルに、「〜PubMed/医中誌検索からクラウド活用まで〜」となっていることから、この本の改訂の趣旨がよくわかる。

文献管理ソフトの代表ソフトEndnoteも、Endnote Webとの連携が図られた。さらには、今後、文献管理ソフトは、Endnoteに取って代わって、Mendeley、Zoteroといったクラウドを前提とした文献管理ソフトが文献管理のメインストリームになっていく可能性が高い。そのような状況を配慮し、いち早く、大規模改訂を行ったのであろう。

今の時代にあった適切なソフトを取り上げ、丁寧に解説している。

すべての画面キャプチャーも、常に最新のものを用意している。医中誌Webは4月25日に、ver. 5にアップグレードされたばかりだが、きちんとver.5の画面キャプチャーが使われている。

非常に丁寧で、誠実な一冊である。文献検索・管理の入門書として、まちがいない一冊として、薦めておく。


2011.06.15

私の新しい本「レジデントのための血液透析患者マネジメント」が出版されました

私の新しい本が出版されました。

自分が書いた本の中では、6冊目になります。1冊目が「研究留学術」、2冊目が「透析導入テキスト」、3冊目が「バイオ研究がぐんぐん進むコンピュータ活用ガイド」、4冊目が「Illustratorのやさしい使い方から論文・学会発表まで」、5冊目が「医師のためのモバイル仕事術―iPad/iPhoneを使い倒す!」。

6冊目は、「レジデントのための血液透析患者マネジメント」という本です。6冊目ですが、自分の中では特別な意味のある一冊です。

これまでの5冊は、すべて、他の方の力を借りて、書き上げたものです。「研究留学術」は実質的には単著なのですが、研究留学の仲間たちに留学談を書いてもらったので、全部が自分の筆によるものではありません。今回は、完全なる単著です。前から、すべてを一人で書き上げたいと思っていました。

また、これまでの5冊は、すべて、自分が企画したものではありませんでした。そういえば、「透析導入テキスト」は、自分で出版社を探したのでしたが、他の4冊は、出版社の方から話を持ちかけられたものでした。今回は、どうしても、売れて欲しい。自分でも売れる本にできる自信があったので、あえて、一番大きな出版社、「医学書院」に自分からお願いしました。

今回は、初めて自分の本業の内容で書きました。今までのは、あまり、大きな声で言えるような内容ではなかったのです。

私は、アメリカから帰国して、8年間、血液透析を生業としてやってきました。その中で、自分が経験したもの、学んだものを、一度、まとめたい、そういう思いで、書きました。おいおい、中身のご紹介はしますが、AMAZONでも、まだ、予約のみです。AMAZONは、新しい本の在庫が不安定なので、もし、よろしければ、予約されることをおすすめします。

2011.06.13

本の紹介「ガー・レイノルズ シンプルプレゼン」

「ガー・レイノルズ シンプルプレゼン」

著者:ガー・レイノルズ、出版社:日経BP社 (2011-03-31)、ASIN:4822230546【amazon.co.jp

この本は、「プレゼンテーションZEN」のダイジェスト版のような本です。実は、本を読んだまま、付属のDVDを見ないで放置していたのですが、ちょっと時間があったので、見てみました。

このDVDは日経ビジネスアソシエが主催したガーレイノルズのプレゼンテーションに関するプレゼンテーションでした。90分近くでかなりボリュームがあります。DVDを見て気づきました。この本自身、このプレゼンテーションを編集部の人がテープ起こしして、少し書き足したんだなと言うことです。

というわけで、本の作り方は安易ではありますが、このDVD自体は、プレゼンテーションZENのコンセプトを気軽に知るにはとてもよいものであります。ガーレイノルズは英語で話していますが、非常にわかりやすい英語ですし、日本語字幕も付いています。ガーレイノルズのプレゼンテーションは、もっとストイックなものなのかと思っていたのですが、非常にナチュラルでハートウォーミングな印象でした。

そう言えば、DVDを見ていて気づいたのですが、ガーレイノルズのプレゼンテーションの最前列に、黒川清先生が座ってらっしゃいますね。そういえば、最近は、PowerPointを使わないプレゼンテーションにされるなど、確かに、プレゼンテーションZENに影響されているのかもしれません。

ガーレイノルズの著作は、原典と呼ぶべきものが、「プレゼンテーションZEN」(紹介記事)、その後、デザインに特化した「プレゼンテーションZenデザイン」が出ました。そして、三作目の「Naked Presenter」は「裸のプレゼンター」として、7月8日に出版されます。これも、楽しみですね。私は予約しました。


2011.05.29

積ん読本2011年5月

新しい年度に入って、今年から新しくおこなう講義の連続で、その準備に時間がかかった上、震災でキャンセルされていた様々なイベントがリスケジュールされたので、正直、あまり本を読む時間がなかったです。でも、購入ペースは落ちていないので、次々と積ん読状態に、、、。でも、寝る前にパラパラめくっているので、忘れないうちに、ご紹介を。

「読んでいない本について堂々と語る方法」

著者:ピエール・バイヤール、出版社:筑摩書房 (2008-11-27)、ASIN:4480837167【amazon.co.jp

私も、きちんとも読んでいないのに、ブログで本の紹介をすることがあります。

この本も、そんな感じのブロガー向けの本なのかなと思って、ジャケ買いしてしまいました。そしたら、、、、。とんでもない。かなり本格的な本でした。出てくる本もプルーストとか、古典文学ばかり。「本を読む」ということについて、考え直させてくれます。


「iPhone英語勉強法 多読&多聴トレーニング」

著者:松本 秀幸、出版社:日本実業出版社 (2011-03-17)、ASIN:4534048068【amazon.co.jp

最近、すっかり英語を使う機会が減ってしまっているなぁ。

私が留学していた頃と違って、iPhoneとかを使えば、ほとんど無料でたくさんの学習素材があります。安く、効率よく英語を勉強したい方におすすめ。


「ガー・レイノルズ シンプルプレゼン」

著者:ガー・レイノルズ、出版社:日経BP社 (2011-03-31)、ASIN:4822230546【amazon.co.jp

この本は、「プレゼンテーションZEN」のダイジェスト版のような本です。プレゼンテーションZENを理解するには、「プレゼンテーションZEN」は少々、読みにくいかもしれません。そんな人は、DVDとともに、この本を読むのがよいでしょう。でも、本当に、プレゼンテーションZENを理解したいなら、「プレゼンテーションZEN」を読んで下さい。


「異端の系譜―慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス (中公新書ラクレ)」

著者:中西 茂、出版社:中央公論新社 (2010-11)、ASIN:4121503716【amazon.co.jp

将来は、SFCの教員になりたい!と言っても、みんな信じてくれない。でも、本気ですよ。


「長崎の教会 (NHK美の壺)」

日本放送出版協会、ASIN:4140812893【amazon.co.jp

7月に長崎に講演に行きます。金曜日なので、その後、2泊くらいして、少しゆっくりしてこようかと思っています。

昔から、長崎県に点在する古い教会を写真を撮りながら巡ってみたいと思っていました。でも、この本を見てみたら、長崎、平戸、五島列島と、かなり広範囲に点在しているようです。長崎は行くとしても、平戸に向かうか、五島列島に向かうか、迷っています。詳しい人がいたら、教えて下さい。


「自分の小さな「箱」から脱出する方法」

著者:アービンジャー インスティチュート、出版社:大和書房 (2006-10-19)、ASIN:4479791779【amazon.co.jp

もう、こういう、自己啓発本を読むのは、やめようと思っていたのですが、ついつい。前書きが正直いただけなかったなぁ。


「佐野洋子〈追悼総特集〉 (文藝別冊)」

河出書房新社、2011-04-14、ASIN:4309977510【amazon.co.jp

私の大好きな絵本「百万回生きたねこ」の作者、佐野洋子さんの追悼ムックです。私は、佐野さんのことはよく知らなかったのですが、かなり、個性的なおもしろい方だったようです。


2011.05.22

本の紹介「中央線で行く東京横断ホッピーマラソン」

「中央線で行く東京横断ホッピーマラソン (ちくま文庫)」

著者:大竹 聡、出版社:筑摩書房 (2009-08-10)、ASIN:4480426272【amazon.co.jp

最近、毎日のようにホッピーを飲んでいる。ホッピーが体にいいとか、安いとか、そう言うことではなく、ホッピーを置いているお店の雰囲気が好きなのだ。

本書は、中央線を一駅ずつ降りて、ホッピーが飲めるお店に一つ入っては、次に進む。スタートが、東京駅で、高尾駅まで32駅。高尾からの復路では、京王線で、ホッピーマラソンを続けている。

まぁ、タモリクラブ的な本ですね。でも、そのばかばかしさがかなり好きです。

あっ、ホッピーって知らない人もいますかね。ホッピーは、ビールの廉価版のような麦酒飲料です。ホッピーそのものだけを飲んでいる人を見たことがありません。基本的なルールとして、焼酎にホッピーを加えて飲みます。だから、ホッピー+焼酎をホッピーセットと呼びます。おそらく、これは、ホッピーだけだとアルコール度数が低すぎて、酔わないので、焼酎でアルコール度数をあげているのだと思います。だから、焼酎だけを追加したい人は「中おかわり」、ホッピーだけを追加したい人は「外おかわり」という形で追加します。ちなみに、ホッピーには、白と黒がありますが、黒も黒ビールほどのえぐみはありません。

とりあえず、私の目標は、1年かけて、この本に載っているお店をすべて制覇してやろうというものです。つきあってやってもいいぞ、というかたがいらっしゃいましたら、是非、お声がけ下さい。


2011.05.19

本の紹介「夜間飛行」

夜間飛行」は、サンテグジュペリの隠れた名作と言われています。もちろん、サンテグジュペリの隠れていない名作は、「星の王子様」。

ジブリの宮崎駿さんも、「夜間飛行」ファンらしく、もっとも好きな本の一つと述べています。「夜間飛行(新潮文庫)」の表紙のイラストも提供しているほどです。

私も、以前、「夜間飛行(新潮文庫)」を買って、読もうとしたのですが、これが、訳文が難しすぎる。堀口大学さんの訳文は、ファンも多いのですが、私には難しすぎて、この本を読めずにいました。原文は、フランス語ですから、さらに、無理ですね。

しょうがないので、「夜間飛行(まんがで読破)」を読んで、もう一度トライしたのですが、やはりダメでした。

そしたら、昨年、光文社から「夜間飛行(光文社古典新訳文庫)」が出ました。これは、読みやすい。

「星の王子様」をイメージして読むと、あまりに違うのでびっくりすると思います。作者のサン=テグジュペリは、実際に、航空郵便のパイロットで、彼の半自伝的な本です。

読みたかった1冊が読めて、幸せです。

2011.04.26

日本医書出版協会で電子書籍の講演をした

日本医書出版協会で「電子書籍」について話して欲しいという依頼があったのが、1月。しかも、聴衆は医学出版社の専門家の方々。基本的には頼まれた講演は断らないことにしているので、これも、電子書籍を知るいい機会だと思っていましたが、さすがに、心配になってきたので、しっかり準備をすることにしました。

まず、講演に向けておこなったのは、

ブレインストーミング

出版界の方2人にお願いして、食事をとりながら、2時間話しまくって、講演の骨格を作りました。

そのあと、客観的なデータを見ながら、自分の仮説が間違っていないことを確認するために、以下の5冊をはじめとした、たくさんの資料を読み込むのに約1ヶ月。さらに、自分の大学の図書館の方に数回のレクチャーを受けました。

ひとりブレインストーミングには、最近手に入れた、ローディアのdot padのNo. 38が大活躍。

今日は、本当に満員で、しかも、ほとんどすべての医学出版社の偉い方ばかりでびっくりしましたが、自分のペースで話すことができました。よく考えてみれば、素人が専門家に向かって歯にものきせず、えらそうにしゃべっているのですからおそろしいです。でも、みなさん、喜んでいただけたようでよかったです。

まったくの新しい分野だと、1時間話すのに、100時間くらい準備が必要ですね。とりあえず、現在は、電子出版をよく知る人と論議をしても、負けない自信があります。

「出版大崩壊 (文春新書)」

著者:山田 順、出版社:文藝春秋 (2011-03-17)、ASIN:4166607987【amazon.co.jp

今、電子出版をめぐる状況を把握したいのであれば、ベストの一冊。帯には、「禁断の書」などと書いてあるが、決してセンセーショナルな本ではなく、長年、出版社の編集長を務め、その後、実際に、電子出版の会社を立ち上げようとした(しかし、現実的にペイしないということがわかりペンディングした)ということから、冷静に、日本における電子出版事情を解説しています。

日本では、まだまだ電子出版は普及していない(唯一、普及しているのは、携帯エロ小説というのが意外)が、今後、本が減って、電子出版に移行する流れには逆らえないということ。そして、その流れは、出版社だけでなくて、文筆業を生業とする人にも強いダメージを与えること。悲観的な予想で結んでいます。


「電子書籍の衝撃 (ディスカヴァー携書)」

著者:佐々木 俊尚、出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010-04-15)、ASIN:4887598084【amazon.co.jp

佐々木氏の非常に緻密な解説。基本的には、佐々木氏は、電子書籍バンザイ。どんどん進めるべきという考えです。しかし、佐々木氏が描く電子書籍の世界は、アメリカでは、1年、2年のうちにやってくるでしょうが、日本にやってくるにはまだ時間がかかると思います。理論的には、電子書籍バンザイ。でも、さまざまな権利関係で、日本ではそううまくいかないでしょうね。


「電子書籍の時代は本当に来るのか (ちくま新書)」

著者:歌田 明弘、出版社:筑摩書房 (2010-10-07)、ASIN:4480065768【amazon.co.jp

この本もバランスが取れていてよかったです。特に、Googleの狙う、すべての書籍をデジタル化するプロジェクトの話が詳しくてよかったです。


「電子書籍元年 iPad&キンドルで本と出版業界は激変するか?」

著者:田代真人、出版社:インプレスジャパン (2010-05-21)、ASIN:4844328700【amazon.co.jp

この本もよい本だと思いますが、上記の3冊を読むうちに、電子書籍業界に詳しくなってしまって、ほとんど、知っていることばかりになってしまいました。


「我、電子書籍の抵抗勢力たらんと欲す」

著者:中西 秀彦、出版社:印刷学会出版部 (2010-07)、ASIN:4870852004【amazon.co.jp

印刷業界紙のエッセイをまとめた一冊で、電子書籍の話は、はじめの数個のエッセイで触れられています。印刷会社の方が、電子出版において、著者と電子出版プラットフォームを結びつける立場として適任という指摘。なるほどと思いました。


2011.04.20

本の紹介「工学部ヒラノ教授」

「工学部ヒラノ教授」

著者:今野 浩、出版社:新潮社 (2011-01)、ASIN:4103147628【amazon.co.jp

案の定、「私を離さないで」は、なかなかページが進まず、一緒に読み始めた本書が予想外におもしろく、一気に読み切ってしまいました。

小説の体裁を取っていますが、実は、登場人物はほとんど実名で登場しますし、著者が歩んだ筑波大学→東工大→中央大という舞台はそのままです。ある意味、内情暴露本なのですが、著者の軽妙な語り口でまったく嫌みがありません。大学でおこっていることは小説よりはるかにおもしろいと言うことでしょう。

初めて知る、工学部の内情。

工学部ヒラノ教授の役得は、「1に好きな研究ができること。2に若くて優秀な学生とともに過ごせること。3に好きなときに海外出張できること」だそうです。

そして、工学部の教えは、

第一条 決められた時間に遅れないこと
第二条 一流の専門家になって、仲間たちの信頼を勝ち取るべく努力すること
第三条 専門以外のことには、軽々に口出ししないこと
第四条 仲間から頼まれたことは、(特別な理由がない限り)断らないこと
第五条 他人の話は最後まで聞くこと
第六条 学生や仲間をけなさないこと
第七条 拙速を旨とすべきこと

だそうです。

私も、今年から医者より、研究者より、教員である時間が長くなり、ヒラノ先生の悲哀がとっても身にしみました。


2011.04.18

カズオイシグロ

私は、半年前まで、カズオイシグロのことを知りませんでした。半年くらい前に、名前だけ知ったのですが、なぜ、カタカナ?そういうレベルでした。

日曜日の夜にNHKでカズオイシグロの番組をやっていましたた。ETV特集「カスオイシグロをさがして」という番組です。

その中の福岡センセイとカズオイシグロの対談がまったくもって退屈。このインタビューが番組全体のリズムを崩していて、残念ながら、この番組を見ていても、カズオイシグロが、どうして、そこまで人気がある作家なのかまったくわかりませんでした。

しょうがないから、まずは、一冊買って読むしかないなと思い、「私を離さないで」を丸善で購入しました。AMAZONには、まったく在庫がありませんでした。

私は、英語の小説(もちろん翻訳しているもの)を読むのがきわめて苦手なので、読了確率10%以下ですが、読み終わった暁には、また、紹介したいと思っています。

2011.04.15

本の紹介「モモ」ミヒャエル・エンデ

「モモ (岩波少年文庫(127))」

著者:ミヒャエル・エンデ、出版社:岩波書店 (2005-06-16)、ASIN:4001141272【amazon.co.jp

子供向けに書かれた小説ですが、大人が読んでも楽しめる小説です。

イタリア・ローマを思わせるとある街に現れた「時間貯蓄銀行」と称する灰色の男たちによって人々から時間が盗まれてしまい、皆の心から余裕が消えてしまう。しかし貧しくとも友人の話に耳を傾け、その人自身をとりもどさせてくれる不思議な力を持つ少女モモが、冒険のなかで奪われた時間を取り戻すというストーリー。

時間に追われ、ものの本質、余裕を持つことを忘れてしまった、現代人への警鐘を鳴らした一冊。

スリリングなストーリー展開で、あっという間に読み終えることができました。岩波少年文庫は、本当に、よい作品が多い。


「エンデの遺言 ―根源からお金を問うこと (講談社プラスアルファ文庫)」

著者:河邑 厚徳、出版社:講談社 (2011-03-22)、ASIN:4062814196【amazon.co.jp

「モモ」「はてしない物語」などで知られるファンタジー作家ミヒャエル・エンデが日本人への遺言として残した一本のテープ。これを元に制作されたドキュメンタリー番組(1999年、NHK放送「アインシュタイン・ロマン」)から生まれたベストセラー書籍。


2011.04.11

積ん読本2011年3月

ほとんどの研究会、会議、夜の予定がキャンセルされ上、一冊目が脱稿できたので、ゆっくり本を読む時間が取れるようになりました。3月の積ん読本、紹介し忘れていたので、取り急ぎ。すでに、読み終わったものも多いのですが、、、。

「枠からはみ出す仕事術」

著者:美崎 栄一郎、出版社:サンマーク出版 (2011-03-14)、ASIN:4763131400【amazon.co.jp

著者の美崎栄一郎さんは、花王で、数々のプロジェクトに携わるかたわら、社外の活動で、築地朝食会などの人気勉強会を主催する「スーパーサラリーマン」です。やる気と成果を最大にする26のスイッチを紹介した本です。

会社の枠だけに収まらずに、少しだけ、はみ出す。その極意を紹介した本です。


「「結果を出す人」はノートに何を書いているのか」

著者:美崎 栄一郎、出版社:ナナ・コーポレート・コミュニケーション (2009-09-11)、ASIN:4901491938【amazon.co.jp

枠からはみ出す仕事術」を読んで、すっかり美崎栄一郎さんのことが気に入ったので、美崎さんの一番売れた、この本を購入しました。ノートを中心にしたライフハック本です。この本は、自分のライフハックを考え直す上で、たくさんの示唆を与えてくれました。でも、私は、このようなノートの使い方はできません。ルールを考えて、ノートを使い分けるなんて事はできません。私のノート術は、すべてをモレスキンに書くことと、それ以外に一切ルールを設けないことです。


「「結果を出す人」はノートに何を書いているのか 実践編 」

著者:美崎 栄一郎、出版社:ナナ・コーポレート・コミュニケーション (2010-06-25)、ASIN:4904899016【amazon.co.jp

「結果を出す人」はノートに何を書いているのか」の続編。いろんな方が、どんなノート術を使っているを紹介。私は、前著よりこっちの方が、読んでいて楽しかったです。でも、私のノートのルール(ノートの使い方にルールを一切設けない)は変わりません。


「[書類・手帳・ノート・ノマド]の文具術 楽しんで仕事の効率をあげる!」

著者:美崎 栄一郎、出版社:ダイヤモンド社 (2011-01-28)、ASIN:4478013144【amazon.co.jp

これも美崎さんの本。文具フェチの私にとっては、とても楽しい一冊でした。役に立つ文具、デザインのよい文具を紹介すると同時に、それをどうやって使いこなすか。たくさんのアイデアの詰まった一冊です。


「麒麟の翼 (特別書き下ろし)」

著者:東野 圭吾、出版社:講談社 (2011-03-03)、ASIN:4062168065【amazon.co.jp

本の帯には、加賀恭一郎の最高傑作とある。買いたいけれど、今は読む時間がない。文庫本になるのを待つか、、、。


「バムとケロのもりのこや」

著者:島田 ゆか、出版社:文溪堂 (2011-01)、ASIN:4894237075【amazon.co.jp

バムケロシリーズは、私が一番好きな絵本の最新シリーズ(2006年9月7日のブログ参照)。島田ゆかさんは、寡作なので、新しい本が出るのが、本当に待ち遠しいのですが、待っただけの価値のある本です。


「After the Quake: Stories (Vintage International)」

著者:Haruki Murakami、出版社:Vintage (2003-05-13)、ASIN:0375713271【amazon.co.jp

神の子どもたちはみな踊る」の英訳本。


2011.02.19

積ん読本2011年2月

現在、執筆が佳境にさしかかっているため、積ん読本がどんどん増えて、なかなか書評を書けないものですから、とりあえず、紹介だけしておきます。

「ライフハッカー[日本版] 辛そうで辛くない人生と仕事が少し楽になる本」

著者:ライフハッカー[日本版]編集部、出版社:朝日新聞出版 (2011-02-18)、ASIN:4023308587【amazon.co.jp

「ライフハッカー[日本語版]」から選りすぐった人生に役立つTips集


「キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる (ちくま新書)」

著者:佐々木 俊尚、出版社:筑摩書房 (2011-02-09)、ASIN:4480065911【amazon.co.jp

ベストセラー本「電子書籍の衝撃」の続編。


「イングリッシュ・モンスターの最強英語術」

著者:菊池 健彦、出版社:集英社 (2011-01-26)、ASIN:4087860019【amazon.co.jp

引きこもり留学でTOEIC990点満点を24回更新中。


「英語達人列伝―あっぱれ、日本人の英語 (中公新書)」

著者:斎藤 兆史、出版社:中央公論新社 (2000-05)、ASIN:4121015339【amazon.co.jp

歴代の英語の達人、岡倉天心、野口英世、白州次郎ら、10人を紹介。


「街場の大学論 ウチダ式教育再生 (角川文庫)」

著者:内田 樹、出版社:角川書店(角川グループパブリッシング) (2010-12-25)、ASIN:4043707045【amazon.co.jp

内田樹先生の大学論。


「村上春樹 雑文集」

著者:村上 春樹、出版社:新潮社 (2011-01-31)、ASIN:4103534273【amazon.co.jp

これ、とってもおもしろくて、もったいなくてなかなか読めません。


「もういちど 村上春樹にご用心」

著者:内田 樹、出版社:アルテスパブリッシング (2010-11-19)、ASIN:4903951375【amazon.co.jp

これも、もったいなくて、今は読めない。


「スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン―人々を惹きつける18の法則」

著者:カーマイン・ガロ、出版社:日経BP社 (2010-07-15)、ASIN:482224816X【amazon.co.jp

だいぶ、病状が悪化しているようですが、また、あのプレゼンが見たい。


「BEST of 東京いい店うまい店」

著者:文藝春秋編、出版社:文藝春秋 (2010-11-26)、ASIN:4163733701【amazon.co.jp

ミシュランより、はるかに常識的だと思う。


2011.01.04

本の紹介「医療者のための伝わるプレゼンテーション」

「医療者のための伝わるプレゼンテーション」

医学書院、ASIN:4260011650【amazon.co.jp

最近、ちらちらとこの本を紹介していますが、読み終わったので、本格的に紹介しておこうと思います。

プレゼンテーションについての本と言えば、PowerPointなどのソフトウェアの使い方の本であったり、PowerPointのスライドのデザインをどうするかという本がほとんどです。

しかし、プレゼンテーションのデザインの際には、プレゼンテーション全体のデザインをどうするかと言うことが重要であり、その次が、1枚1枚のスライドのデザインの話になるわけです。しかし、このプレゼンテーション全体のデザインに言及しているプレゼンテーションの本はきわめて少ないです。特に、医学のプレゼンテーションでは皆無でした。

本書は、メディカルプレゼンテーションとしては、唯一、プレゼンテーション全体のデザインの仕方に、しっかりと言及し、特に、プレゼンテーションによる教育効果につてい本格的に取り組んだ唯一の本です。

また、医療者のプレゼンテーションというのは、学会発表だけでなく、学会発表、多職種カンファレンス、患者教育、など様々な場面が存在します。また、PowerPointプレゼンテーションだけでなく、ポスタープレゼンテーション、板書、ハンドアウトだけのプレゼンテーションなど、形態も多様です。そのような、多様なシチュエーションに言及しているのも本書の特徴です。

だまされたと思って、一度読んでみて下さい。


2010.12.20

本の紹介「絶対ブレない「軸」のつくり方」

「絶対ブレない「軸」のつくり方」

著者:南 壮一郎、出版社:ダイヤモンド社 (2010-12-10)、ASIN:4478015082【amazon.co.jp

年末になると、自分を総括するような、そして、力をもらえる本が読みたくなります。IDEA*IDEAで紹介されていた本書を手に取り、一気に読み終えたのでご紹介します。

「メージャーリーグのオーナーになる」という小さいときからの夢をもとに、投資銀行を辞めて、ゼロからスタートして、楽天イーグルスの立ち上げスタッフになるまでの話です。もちろん、「メジャーリーグのオーナーになる」という夢は叶えられていないのですが、著者の行動力、軸のブレなさ、読んでいてホレボレします。

私の中で一番印象に残った言葉は、

面倒なことにこそ巻き込まれよう

これは、私が、この10年くらいモットーにしていることです。仕事の上でも、プライベートでも、ボランティアに近いこと、断ってもよいようなことはたくさんあります。仕事で言えば、論文の査読、学内の委員会、断れば断れますが、私は、原則的には断りません。

そして、私が心がけていることは、

巻き込まれるなら、中心に行け

ということです。委員会でも、末席で、いやそうな顔して参加するのではなく、どうせ参加するのなら、進んで輪の中心で働こうと言うことです。


2010.12.19

積ん読本2010年12月

年末ってみなさん好きですか?私はあまり好きではありません。12月31日という動かせない締め切りの元に、年賀状とか、大掃除とか、1年の総括とかが、否応なしに待っている、本をじっくり読む時間もない。

というわけで、2010年12月の積ん読本のご紹介。今年中に読んでおきたい本ばかりなのですが、果たして、読めるのかしら。最近、読書量が減っています。一番の原因は、電車の中で、twitterのタイムラインを見ることが多くなり、本を開くことがなくなったことだと思います。。

寝る前の、積ん読本読書は、だいたい、5分くらいで眠りに落ちてしまっていますし。

「イシューからはじめよ―知的生産の「シンプルな本質」」

著者:安宅和人、出版社:英治出版 (2010-11-24)、ASIN:4862760856【amazon.co.jp

マッキンゼー→脳科科学者(エール大学PhD取得)→マッキンゼー→YAHOOというかなり変わった経歴の方。彼のブログのエントリー「圧倒的に生産性の高い人(サイエンティスト)の研究スタイル」を読んでいただくと、この本の意図がよくわかると思う。

年末までには読み切りたい一冊。

「量子の社会哲学 革命は過去を救うと猫が言う」

著者:大澤 真幸、出版社:講談社 (2010-10-08)、ASIN:4062165570【amazon.co.jp

大澤「先生のことは、週刊医学新聞204号の、「リハビリの夜」の作者、熊谷晋一郎との対談記事を読んで知りました。ちなみに、この対談、かなりおもしろいです。


「東京百年レストラン ‐大人が幸せになれる店‐」

著者:伊藤章良、出版社:梧桐書院 (2010-12-07)、ASIN:4340100080【amazon.co.jp

レストランガイドで、ここまで、レストランへの愛情が伝わってくる本はありません。幸い、私が行ったことがあるのは1店だけ。世界で最高の美食の街、東京は奥が深いです。


「人生を無理なく変えていく「シフト」の法則 (ハヤカワ新書juice)」

著者:ピーター・アーネル、出版社:早川書房 (2010-11-26)、ASIN:4153200158【amazon.co.jp

作者の減量体験記が全面に出ているように思えますが、「無理なく」自分を変える方法満載の一冊です。


「Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2010年 06月号 [雑誌]」

ダイヤモンド社、ASIN:B003H2ECD4【amazon.co.jp

ドラッカーのオリジナル論文を読んでみたくて、古本屋で手に入れました。


「ニコン D7000 完全ガイド (インプレスムック DCM MOOK)」

著者:高橋 良輔、出版社:インプレスジャパン (2010-12-10)、ASIN:4844329545【amazon.co.jp

11月にD7000を購入して、メインカメラにしつつあります。D300に比べて、結構変わったこともあったので、買ってみました。どっちかというと、D7000でデジ一デビューといった人向けかな。


2010.11.29

「医師のためのモバイル仕事術―iPad/iPhoneを使い倒す!」Amazonの在庫あります

「医師のためのモバイル仕事術―iPad/iPhoneを使い倒す!」

著者:讃岐 美智義、門川 俊明、出版社:学研メディカル秀潤社 (2010-09)、ASIN:4780908310【amazon.co.jp】【bk1

10月1日に正式発売以来、一瞬だけ、Amazonに在庫が入りましたが、その後、1ヶ月近く、Amazonは在庫切れ。昨日から、ようやく、十分な在庫がAmazonはに入ったようです。また、いつ在庫切れになるかわからないので、お求めの方はお早めにどうぞ。


2010.11.26

積ん読本2010年11月

ちょうど、一ヶ月空きました。頚椎ヘルニアの調子はやはりわるくて、長時間のタイピングができません。ついつい億劫になり、ブログを更新できませんでした。少しずつ、やっていくことにします。

というわけで、2010年11月の積ん読本のご紹介。一部、既読です。

今回は、名著の続編というのが多い。

「ひとつ上のGTD ストレスフリーの整理術 実践編 仕事というゲームと人生というビジネスに勝利する方法」

著者:デビッド・アレン、出版社:二見書房 (2010-11-26)、ASIN:4576101714【amazon.co.jp

名著「ストレスフリーの仕事術」の続編


「博士漂流時代 「余った博士」はどうなるか? (DISCOVERサイエンス)」

著者:榎木 英介、出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン (2010-11-16)、ASIN:4887598602【amazon.co.jp

あの榎木さんの処女作。


「知的余生の方法 (新潮新書)」

著者:渡部 昇一、出版社:新潮社 (2010-11)、ASIN:4106103931【amazon.co.jp

大ベストセラー「知的生活の方法」の続編。


「知的生活の方法 (講談社現代新書 436)」

著者:渡部 昇一、出版社:講談社 (1976-04-23)、ASIN:4061158368【amazon.co.jp

上記の本のベースになった本。いつか読みたいと思っていました。


「〈JJNスペシャル〉医療者のための伝わるプレゼンテーション」

医学書院、ASIN:4260011650【amazon.co.jp】【bk1】【目次】

この本ばかにできないっていうか、プレゼンテーションの本としては、1,2を争うデキの本です。


「ティアニー先生の臨床入門」

医学書院、ASIN:4260011774【amazon.co.jp

名著「ティアニー先生の診断入門」の第2弾。


「英日日英 プロが教える基礎からの翻訳スキル」

著者:光藤 京子、出版社:三修社 (2008-09-22)、ASIN:4384055064【amazon.co.jp

最近、英語力の低下が著しく、リハビリをかねて、むりやり英語を使わなければいけない状況に陥らせようと考えています。


2010.10.12

本の紹介「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」

「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」

著者:橘玲、出版社:幻冬舎 (2010-09-28)、ASIN:4344018850【amazon.co.jp

この作者の著作はたびたび手を伸ばしてしまうのだが、残念ながら、心地よい感覚が残って読み終えたことがない。本書もそうだった。テーマ設定は秀逸で、盛り上げ方は上手なのだが、中身がうすい。

本屋で私の目をひいたのは、「自分を変えることができるか」「他人を変えることができるか」という、第1章と第2章の目次である。著者は、最近話題になった勝間和代と香山リカの論争からスタートして、自己啓発を否定し、「自分を変えることはできない」と主張している。また、第二章では、オウムからスタートし、「他人を変えることもできない」と主張する。

本書のスタイルは、動物行動学や心理学、脳科学から様々な例が引きながら論を進めるというものである。それぞれの引用自体は興味深いものだが、それらの引用をつないで、主張につながる糸が見えてこない。本書の最終的な主張は、帯にも書いてある「伽藍を捨ててバザールに向かえ!」「恐竜の尻尾のなかに頭を探せ!」なのだが、その結論自体は、ここ5年間くらいで言い古されているものなので、理解できるとしても、「自分を変えることはできない」「他人を変えることもできない」ことから、どうつながっているのか、まったくわからなかった。

理解するために、もう一度読み直そうか悩む。でも、きっと、読み直しても理解できない気がする。

あっ、ちなみに、私の考えは、「自分を変えるのはかなり難しい」そして、「他人を変えるのはもっと難しい」である。だからといって自己啓発や宗教を否定するつもりはまったくない。


2010.10.10

本の紹介「大金持ちも驚いた105円という大金」

「大金持ちも驚いた105円という大金」

著者:吉本 康永、出版社:三五館 (2009-05-22)、ASIN:4883204685【amazon.co.jp

成毛眞ブログで紹介されていて気になった一冊。

私は、本書で「せどり」という職業というか、ビジネス手法があることを初めて知った。

著者は、地方の予備校教師にして、定年を間近に控え、4000万円のローンをかかえ、路頭に迷いそうになる。若いときからたくさんの本を読んでいて、たまたま、手元にある本をアマゾンマーケットプレースに出品したら高く売れたことをきっかけに、「せどり」稼業に精を出すようになる。

ブックオフの105円コーナーの中で、高い値が付きそうな本を見つけて買い求めては、それを、それなりの値段をつけて、アマゾンマーケットプレースに出品するという形で利益を得ていく。このように、「同業者の中間に立って品物を取り次ぎ、その手数料を取ること」を「せどり」という。

著者は結局、予備校の仕事はやめて、「せどり」稼業に専念し、月に100万円を超える売り上げを得るようになる。ただ、それだけの本なのだが、彼の独特の文章力と、ところどころにはさまれる、高額で売れた商品の紹介に引き込まれて、あっという間に読み切ってしまった。

私は、一度だけブックオフに蔵書を売ったことがあるが、その値の付け方にあきれ果ててしまった。ブックオフの買い取り値の根拠がどのようになっているかはわからないが、少なくとも本を愛して、価値の高い本に高い値をつけるという方法ではなかった。

そこに、105円コーナーに価値のある本が紛れ込むという余地が生まれる。そのような、価値より安く売られている本をめざとく見つけるのが、「せどり」屋なのである。また、アマゾンマーケットプレースという仕組みが、リアルの古書店を開かなくても、本をさばけるという機会を与えてくれている。

だから、本の価値に無頓着なブックオフとアマゾンマーケットプレースという場が、たまたま作ってくれたビジネスチャンスであり、おそらく、「せどり」の市場は大きなものではなく、たくさんの業者が参入できるものではないし、いつ崩壊してしまうかわからないビジネスモデルである。

私は、前から、アマゾンマーケットプレースで1円で売られている本があることが不思議でならなかったが、この本を読んで、1円でも儲けることの出来る仕組みがわかった。1円で出品されている本でも、発送料として、お客は、360円が取られる。ただし、このとき、amazonから出品者に払われるのは260円+1円である。普通は、赤字になるわけだが、大手の古本屋だと、大量発送することで、宅配料の割引を受けることで、なんとか、261円以下で発送できるらしい。まぁ、それでも、1冊で、数十円の利益にしかならないのだが。

著者は、最高1ヶ月に150万円ほどの売り上げがあったようだが、その場合、純利益は、半分弱だそうだ。しかし、これだけの売り上げを得るためには、毎日何カ所ものブックオフをまわり、家には、10000冊を超える在庫を抱える必要があるとのこと。サイドビジネスで「せどり」稼業をしても、せいぜい、10-20万円の売り上げしか期待できないようである。

私は、こういう、裏稼業というか、自分の知らない世界を覗くのが好きなので、とてもおもしろく読めた。


2010.09.30

本の紹介「医師のためのモバイル仕事術―iPad/iPhoneを使い倒す!」

「医師のためのモバイル仕事術―iPad/iPhoneを使い倒す!」

著者:讃岐 美智義、門川 俊明、出版社:学研メディカル秀潤社 (2010-09)、ASIN:4780908310【amazon.co.jp】【bk1

讃岐美智義さんが、書かれた「医師のためのモバイル仕事術iPad/iPhoneを使い倒す!」をお手伝いさせていただきました。一応共著者にしていただいていますが、私が書いたのは、1/5くらいです。

すでに、iPadやiPhoneは持っているけど、もう一歩、進めて使いたいという方向けの一冊です。

讃岐さんは、iPad/iPhoneを使いこなしていますが、私はたいして使いこなしていません。そういう二人の微妙な協調関係がなかなかよいものに仕上がったのではないかと思います。

iPhone4の発売から、一気に、一冊の本が出来る。そのスピード感がすごかったです。実際には、7月の末にほとんど影も形もなかったのですから、そこから、一気にこうして本になるすばらしいです。秀潤社の編集者の方は、なかなかのやり手です。

10月1日に正式発売ですが、まだ、本屋には並んでいるかわかりません。Amazonには、現在、在庫があるようです。

(追記)
と、思ったら、一瞬で在庫が売れ切れてしまったようです。すぐに、入荷するようですが、楽天ブックスにはわずかに在庫があるようです。


2010.09.22

「Illustratorのやさしい使い方から論文・学会発表まで」増刷

私が書いた「Illustratorのやさしい使い方から論文・学会発表まで」(羊土社)の増刷が決まりました。

出版社は、売れそうな部数を推察して、初回の刷数を決めます。それが、だいたいはけたところで、まだ売れそうなら増刷になるわけです。私が書くようなニッチな領域の本は、たいてい、初刷で、2000部程度のことが多いです。しかし、日本の本の流通というのは複雑で、半年は本屋に並んでいても、売れなければ、出版社に返本されます。だから、どのくらい売れているのかというのは、増刷がかかるかどうかまで、よくわかりません。増刷がかかれば、そこそこ売れていると言うことになります。

でも、それより大きな意味が増刷にはあって、一般的に、出版社に利益が生まれるのは、増刷がかかってからと言われています。ですから、増刷がかかると言うことは、私のようなものの書いた本を出版して下さる出版社への義理が果たせることになるのです。

私が、これまで出版してきた単行本は、全部で、4冊あるのですが、幸いにもIllustrator本以外の本は、順調に増刷がかかっていました。ここに来て、ようやくIllustrator本にも増刷がかかり、なんとか、義理を果たせた気がしています。

今回、増刷にあたって、自分の書いたものをもう一度読み直してみましたが、「Illustratorのやさしい使い方から論文・学会発表まで」は、なかなか、よい本だと自画自賛しています。

これからの学会シーズンで発表を控えている人は、是非、お買い求めを。

2010.09.17

積ん読本2010年9月

最近、積ん読本に対する考え方が変わってきました。

私は、いつもベッドサイドに、積ん読本10冊くらいを積んでいます。その日の気分で読み始めて、おもしろかったら、翌日、そのまま鞄に入れて読み続けます。つまらなければ、翌日は、他の本。でも、時に、また、読み出すこともある、という状態。

以前は、本を途中までしか読まないことに対して罪悪感が強かったのですが、最近では、つまらない本に時間を奪われる方がもったいないと考えて、つまらないと思ったら、すぐに捨てています。

あと、ここで、積ん読本として紹介してしまえば、書評を書かなきゃという荷が降りるので、気持ちが楽になります。もちろん、おもしろい本は紹介しますが、つまらない本をそこまで読み込むのはばからしい。

というわけで、2010年9月の積ん読本のご紹介。一部、既読です。

「ウェブで学ぶ ――オープンエデュケーションと知の革命 (ちくま新書)」

著者:梅田望夫、出版社:筑摩書房 (2010-09-08)、ASIN:4480065679【amazon.co.jp

ただいま半分くらいまで読んでいます。なかなかおもしろい。


「STATIONERY HACKS!」

著者:土橋 正、出版社:マガジンハウス (2009-10-01)、ASIN:4838720289【amazon.co.jp

文房具本好きなんですよね。寝る前にパラパラ見るのが楽しい。


「ロング・グッドバイ (ハヤカワ・ミステリ文庫 チ 1-11)」

著者:レイモンド・チャンドラー、出版社:早川書房 (2010-09)、ASIN:4150704619【amazon.co.jp

この本は、中学生の時に読んでいるのですが、あまり好きではありませんでした。村上春樹の訳で、どのように印象が変わるか期待。


「本当の自分を見つける文章術」

著者:ブレンダ・ウェランド、出版社:アトリエHB (2004-11)、ASIN:4990121929【amazon.co.jp

他で絶賛されていたので買ってみた。


「それでもなお、人を愛しなさい―人生の意味を見つけるための逆説の10カ条」

著者:ケント・M・キース、出版社:早川書房 (2010-08-21)、ASIN:4152091541【amazon.co.jp

本屋ではおもしろそうに見えたのだが、中身は薄い。


「臓器は若返る メタボリックドミノの真実 (朝日新書)」

著者:伊藤 裕、出版社:朝日新聞出版 (2010-08-10)、ASIN:4022733535【amazon.co.jp

身内本。是非、お買い求め下さい。


「時生 (講談社文庫)」

著者:東野 圭吾、出版社:講談社 (2005-08-12)、ASIN:4062751666【amazon.co.jp

スコットランドの帰りの飛行機の中で読了。なかなかよかった。東野圭吾のベスト5に入るかな。


「私が彼を殺した (講談社文庫)」

著者:東野 圭吾、出版社:講談社 (2002-03-15)、ASIN:4062733854【amazon.co.jp

スコットランドで読もうと思ったが、ここまで手が回らなかった。


「マルコム・グラッドウェル THE NEW YORKER 傑作選1 ケチャップの謎 世界を変えた“ちょっとした発想”」

著者:マルコム・グラッドウェル、出版社:講談社 (2010-07-07)、ASIN:4062159155【amazon.co.jp

全3部作の第1冊目。昔は、めんどくさいから、こういう時は、3冊まとめて買っていたが、最近は、1冊買って気に入ってから、次のを買うようになった。少しは大人になった。2冊目は「マルコム・グラッドウェル THE NEW YORKER 傑作選2 失敗の技術 人生が思惑通りにいかない理由」。3冊目は「マルコム・グラッドウェル THE NEW YORKER 傑作選3 採用は2秒で決まる! 直感はどこまでアテになるか?」です。


2010.09.14

モレスキンを使いこなせない人にすすめる「モレスキンを使いこなすためのたった一つのルール」

私の現在のLifehackを支えているのは、iPhoneとモレスキン。私、モレスキンは、昔は、なかなか上手に使えなかったのです。でも、あることを心がけるようになったら、使えるようになりました。 それは、

モレスキンを使うルールをすべてなくすこと

でした。たとえば、日にちが変わったら必ず新しいページから書き始めるとか、そういうフォーマットに関する取り決めをすべてなくす。書く内容にも自由。備忘録でもいいし、ブレインストーミングでもいいし、お絵かきでもよいのです。私の場合、だいたい、電車の中で、原稿の素案を書いたり、講演を聴きながら、自分の思ったことを書き付けたり、ちょっとした備忘録に使ったりしています。あとで、使うかもしれないし、使わないかもしれない、そういう意識をすべてなくして、ただのメモ帳として使っています。こんな使い方をしていても、1冊で2ヶ月くらいもちます。

さて、モレスキンには、たくさんの種類があります。多くの方は、オリジナルのハードカバーが好きだと思いますが、私には、少し固すぎます。だから、ソフトカバーがお気に入りです。 ちなみに、中身は、スクェア。丸善とかに行ったときに、「ソフトカバーのスクウェア」をまとめ買いします。

筆記具の方は、最近、お気に入りなのが、万年筆。でも、残念なことに、モレスキンの紙質は、万年筆には合わないと思います。万年筆のインクが滲んで裏うつりしてしまうのです。 だから、筆記具も決めずに、手近にあるものを使っています。ただし、時に、カバンの中のペンを探してしまうことがあるので、一応、バックアップ用の筆記具をモレスキンにくっつけています。モレスキンにはペンホルダーがないので、「トラベラーズノート ペンホルダーM」をつけています。このホルダー、なかなかフィット感がよくて、よいですよ。 それに合うボールペンとしては、LAMY picoがおすすめのようです。 うん。この組み合わせなかなかよいです。 でも、実際に、picoを使う機会はそんなに多くありません。あくまで、すぐに筆記具が見つからないときのバックアップです。

そう言えば、先日、「モレスキン 「伝説のノート」活用術」(堀 正岳、ダイヤモンド社) という本を見つけて、さっそく読んでみました。ここに事例としてあげられているのは、他の人が見てもうなるようなものばかり。がちがちに書式やルールを決めた事例が多かったです。私のモレスキンの使い方とは、好対照なので、そういう使い方を目指す人には参考になる事例も多いと思います。

私にとって、役だったのは、最後の章の「モレスキンノートと相性のよい文房具」の章でした。

モレスキンを楽天で探す

2010.09.04

本の紹介「感染症外来の帰還」

「感染症外来の帰還」

著者:岩田 健太郎、出版社:医学書院 (2010-04)、ASIN:4260010093【amazon.co.jp

外来で感染症を見ると言うことに関しては、ピカイチの本である。私は、スコットランドに向かう機内の中で、ちょうど8時間ほどで読み切った。この本は、こうやって、一気に読んだ方が効果が高いのだと思う。

ただ、この本はアプローチに主眼を置いているので、では、実際にどうするかと言う点にまでは踏み込んでいないこともある。その場合は、青木眞先生の「レジデントのための感染症診療マニュアル 第2版」ですね。こっちは、通読はなかなか難しいので、関連した事象について、章単位で拾い読みするのがいいでしょう。


2010.09.02

本の紹介「科研費獲得の方法とコツ」

「科研費獲得の方法とコツ」

著者:児島 将康、出版社:羊土社 (2010-08-17)、ASIN:4758120137【amazon.co.jp

世の中は、徐々に、科研費申請ムードが漂っていますが、絶好の本が出ました。

児島 将康先生と言えば、以前、こちらでも紹介した「論文作成のテクニック」を公開されている先生です。

科研費の申請書はどう書いたらよいのか?各研究室で門外不出のテクニックなどもありそうですが、私自身、大学院時代に教えていただいやり方でなんとなくやっています。1回基盤Cで落とされた以外は、学術振興会特別研究員、萌芽研究、基盤Cx2と今のところ、まずまずの勝率です。内容は一定レベルはないとダメだけど、最終的には申請者の業績で決まるものと個人的には信じています。1度落とされた基盤Cは、なぜ落とされたのかわからなかったので、翌年、同じ内容で出したら通りました。

さて、科研費獲得のコツってあるのでしょうか?学術振興会や文部科学省が、「こう書けばよい」というものを公開していない以上、審査員が内情をばらす以外、「正しい申請書の書き方」はわからないはずですよね。一応、落ちたときは、一行くらいの「落ちた理由」が書かれてきますが、まったく参考になりません。

でも、著者は、出来るだけたくさんの事例(通った事例、落ちた事例)を集めて、紹介しています。ご自身の、申請書は丸々全部公開しています。「こう書けば絶対に通るというコツはないが、あきらかにこれは通らないという申請書は明確に指摘できる」と、きわめて誠実に、科研費の申請書の書き方を説明しています。

科研費獲得のコツがあるのかどうか?是非、この本を買って試して下さい。初めて申請書を書く研究者や、なかなか通らないという研究者には、大きな助けになる1冊だと思います。


2010.08.25

積ん読本

積ん読本がだいぶたまってきています。

「プレゼンテーション Zen」

著者:Garr Reynolds、出版社:ピアソンエデュケーション (2009-09-07)、ASIN:4894713284【amazon.co.jp

2年前に購入して、イマイチと思って、捨ててしまった。「プレゼンテーションZenデザイン」が出たので、もう一度買い直して読んでいます。今回読んだら、むちゃくちゃおもしろい。読み終わったら、レビューを書きます。


「プレゼンテーション Zen デザイン」

著者:Garr Reynolds、出版社:ピアソンエデュケーション (2010-06-25)、ASIN:4894713993【amazon.co.jp

「プレゼンテーションZen」の続編。


「Keynoteでプレゼン。」

著者:羽山 博、出版社:ビー・エヌ・エヌ新社 (2010-03-22)、ASIN:4861007054【amazon.co.jp

ちらっと見た感じは、自分の知らないテクニックは載っていない。でも、Keynote初めての人には良いと思います。


「さらば厚労省 それでもあなたは役人に生命を預けますか?」

著者:村重 直子、出版社:講談社 (2010-08-06)、ASIN:4062161486【amazon.co.jp

半分くらいまで読んだけど、同じことの繰り返しになってきて、あきてきた。一種の暴露本なんだけど、暴露本はあまり好きではない。


「Twitterで英語をつぶやいてみる (生活人新書)」

著者:石原真弓、出版社:日本放送出版協会 (2010-05-07)、ASIN:4140883200【amazon.co.jp

これ。なかなか、役に立ちます。もう一つTwitterアカウントを立てて、そっちは、英語でやろうかな。


「仕事の成果が激変する 知的生産ワークアウト―あなたが逆転するための73のメニュー」

著者:奥野 宣之、出版社:ダイヤモンド社 (2010-05-28)、ASIN:4478013314【amazon.co.jp

著者は、ベストセラー「情報は1冊のノートにまとめなさい」の著者の一冊。なかなかおもしろかった。読了。

「街場のメディア論 (光文社新書)」

著者:内田 樹、出版社:光文社 (2010-08-17)、ASIN:4334035779【amazon.co.jp

早く、これ読みたいのだけど、内田先生の本を読むのは、結構、体力が必要なので、もう少し積ん読。


「日本辺境論 (新潮新書)」

著者:内田 樹、出版社:新潮社 (2009-11)、ASIN:4106103362【amazon.co.jp

上記の本と一緒に、買って積ん読。


「心のなかの幸福のバケツ」

著者:ドナルド・O・クリフトン、出版社:日本経済新聞社 (2005-05-25)、ASIN:4532312159【amazon.co.jp

自己啓発本。読みたくなる気持ちになるまで、積ん読。


「仕事は楽しいかね?」

著者:デイル ドーテン、出版社:きこ書房 (2001-12)、ASIN:4877710787【amazon.co.jp

自己啓発本。読みたくなる気持ちになるまで、積ん読。


「もうひとつの謎解き―医師の眼で読む、おすすめ小説23 (へるす出版新書)」

著者:小川 道雄、出版社:へるす出版 (2010-07)、ASIN:489269682X【amazon.co.jp

おもしろそうかなと思って買ってみました。未読。


2010.08.21

あなたは本に赤ペンで線を引きますか?

自分は、学生時代から、本に線を引くのがとてもいやでした。本は、できるだけ汚さないように読んでいました。その理由はなんだったのでしょうか?

単純に、本を汚すと財産価値が下がってしまうと考えていたのかもしれません。もしくは、線を引いた本を誰かに見られて、「こんなところに線を引いているんだ」と思われるのがイヤだったのかもしれません。

でも、10年くらい前からは、赤ペンをひきまくるようになりました。線を引くだけでなく、本を読んで考えたことを余白に書き込んだり、本のまとめみたいなものを裏表紙に書いたり。

なんで、そんなことを始めたのか?それは、昨日のエントリーで書いた「本を読んでも、ストーリーをすべて忘れてしまう」からなのです。本を読むことは、それ自体がエンターテーメントなので、楽しく忘れてしまえばいいのですが、やはり、せっかく読んで得られたこと、そこで、自分が考えたことを残しておきたい、と思うようになりました。

推理小説の場合は、赤ペンで線を引いたりしませんが、もう少し、濃い内容の場合には、赤ペンをひきます。その本に書かれていることも大事ですが、それを読んだ自分がどう考えたかの方が重要なわけです。そして、そういうものは、すぐに忘れてしまうので、その場でメモって置かないと忘れてしまいます。だから、私が読んだ本は、かなり汚くなってしまいます。

そして、時間があれば、このブログで、メモした箴言を紹介したり、自分の意見を書いたりします。まぁ、時間がなかなかないので、読んだ本の1/3くらいですけれどね。ここで紹介したあとは、よっぽど好きな本でなければ、そのまま捨ててしまいます。紹介できなかった本の2/3は紹介するほどもない本でもないので、やはり捨ててしまいますが、いつかは紹介した本というのも少数ながらあって、そういった本が本棚を埋めています。だから、私の本棚は、そういう本か、レファレンスみたいな本か、買ったけど読んでいない本か。でも、ばんばん捨てちゃうので、あんまり本があるわけではありません。

そんなに、捨てちゃって、また読みたくなることはないのか?ごく、たまに、あるんですよね。そういう時は、もう一度買います。たとえば、最近、「プレゼンテーションZen」を買い直しました。それは、続編の「プレゼンテーションZenデザイン」を手に入れたからです。でも、そんなこと、1年に1冊か2冊ですから、「あとで読みたくなるかもしれない」と思って、びくびくして全部取っておく方がスペース取ってしまって無駄ですよね。

友人の本好きで、赤ペンはひかない、本は絶対に捨てない。折に触れて読み返したいから。という人がいました。本棚が大変なことになっているそうです。まぁ、そうでしょうね。

2010.08.20

あなたは本のストーリーをどのくらい覚えていますか

2つ続けて本に関するエントリーを書こうと思います。

先月から、岩波少年文庫の宮崎駿が選んだ50冊を読みあさっています。まず、一番初めに手に取ったのが、「星の王子さま」。

小学生の時に数回読んでいますが、今回、30年ぶりくらいに読んだのです。数回読んだ私に残っている「星の王子さま」の記憶は、うわばみの絵だけ。ストーリーはまったく覚えていなく、なんで、うわばみの絵で、名作になっちゃうんだろうと思っていました。

それが、30年ぶりに読んだら、新鮮で。そして、泣きました~~~。

いい本ですね。是非、みなさんも読み返してみて下さい。この本は、子供の本ではなく大人の本ですね。理解するにはある程度の社会経験が必要だと思いました。

というわけで、私は「星の王子さま」に限らず、ほとんど、読んだ本のストーリーを覚えていないのです。

本好きの人と話していて感じるのが、「よく、そんなにストーリーを覚えているなぁ」ということ。どうやって、そんなにストーリーを覚えているのでしょう。

たしかに、私はものすごい速読です。推理小説の文庫だと半日くらいで読み切ってしまいます。ストーリーを覚えている人は、熟読派なのでしょうか。それと、私の場合、ほとんど例外なく1回しか読みません。本好きの人は、好きな本は何回も読む。1回でよくわからなければ、もう一度読むとおっしゃいます。

そういえば、こんなことがありました。

一時、東野圭吾にはまっていたときがあって、毎週1冊くらいのペースで読んでいました。基本的に、本をとっておかない性質なので、本屋で、どの本は読んで、どの本は読んでいないかわからなくなることがあるのです。特に、東野圭吾のように多作の作家の場合。

これは、読んだことがないはずだと思って、「悪意」という本を買って読み始めました。20ページくらい読んだら、作者が同じだから、似たような雰囲気の本だなぁと思っていました。50ページくらい読んだところで、なんか、犯人がわかったぞ、っと得意になってきました。そしたら、ほんとに、犯人もトリックも予想した通り。そして、最後まで読み切ったところで、「あっ、この本読んだことがある」。

そんなこともあったくらいです。

ということで、本好きではあるのですが、あまり深く、じっくり読むようなタイプではないのです。

2010.08.16

本の紹介「仕事するのにオフィスはいらない 」

「仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)」

著者:佐々木 俊尚、出版社:光文社 (2009-07-16)、ASIN:4334035159【amazon.co.jp

最近、できるだけ、新書は読まないようにと思っていたのです。あまりに、中身がうすっぺらで、独善的なものが多いので。でも、こちらの記事を見て、本の書き方という部分がおもしろそうだったので、佐々木氏のワーキングスタイルである、ノマドワーキングについて書いている本書を買ってみました。

私が、一番興味をひかれたのが、第2章の「アテンションコントロール」でした。つまり、ノマドワーキングは、場所も時間も自由になるので、アテンションコントロールできないとうまくいかないというものです。自由なスタイルであることにかまけて、ネットサーフィンにはまってしまうような人は向かないということですね。

あとは、彼の紹介している仕事のプロセスとしてACDCというのに、ひどく合点がいきました。

A-Acquisition:情報、アイデアなどを取得するプロセス

C-Classify:情報、アイデアなどを整理するプロセス

D-Dig:情報、アイデアなどを掘り下げるプロセス

C-Collaborate:情報、アイデアなどを連携させ、実際の業務に取りかかるプロセス

という4つのステップに分けています。この話は、自分の原稿の書き方を見直すきっかけになったので、明日にでも、もう一度取り上げます。

自分一人のワーキングスタイルを紹介しているのではなく、ノマドワーキングをしている様々な人のワーキングスタイルを紹介していて、興味深かったです。少し、新書を見直しました。


2010.08.08

宮崎駿が選んだ50冊

岩波少年文庫の中は創刊60年を記念して、宮崎駿が選んだ50冊というキャンペーンをおこなっています。岩波少年文庫の中から、宮崎駿氏が50冊を選んで、それぞれに、短い書評を付けています。宮崎駿氏は、作品のインスピレーションを、これら岩波少年文庫から得ていることはよく知られていますが、実際に、岩波少年文庫をよみあさったのは20歳を過ぎてからだそうです。

現在上映中の「仮ぐらしのアリエッティ」の原作も、岩波少年文庫の「床下の小人たち、(著者)ノートン」ですね。

たまたま、「宮崎駿が選んだ50冊の直筆推薦文展」というイベントを見かけました。

実は、小学生の頃は、シャーロックホームズとルパンばっかりを読んでいて、名作と呼ばれる本も読みそこねているのが多いのです。50冊が平積みで売られていたので、ついつい、大人買いをしそうになりましたが、こらえて、2冊だけ買い求めました。2冊読み切ったら次に進むため、50冊をリストしておきます。

2010.08.05

本の紹介「君たちに伝えたい3つのこと」

少し、余裕が出てきたので、1週間に本を1冊読んで、ここで紹介できるようにしたいと思います。

まずは、「君たちに伝えたい3つのこと」(中山 敬一、ダイヤモンド社)が話題になっていると聞いてさっそく買って読んでみました。

本の帯には、こんな風に書いてあります。

「内容が過激すぎる」と専門雑誌の掲載がボツになり、ネットで話題となった「仕事と人生について享受からのメッセージ幻の原稿」完全版書籍化。

あぁ、あれですね。九州大学の中山教授と言えば、ご自身のウェブサイトに「教授からのメッセージ」として、かなり強烈な文章を掲載されており、以前に、こちらのブログでも紹介させていただきました。その文章を、実験医学で連載するはずだったけど、ボツになり、ダイヤモンド社で単行本としてまとめられたようです。

本のタイトル「君たちに伝えたい3つのこと」とある、「3つのこと」とは何か?

私がお伝えしたいのは、次の3つです。
1. 人生には「目標」と「戦略」が必要で、それは理性的に自分で決められる。
2.誰かのためでなく、自分のために生きよ。結果としてそれが人の役に立つ。
3.まずはルーチンワーカーではなく、クリエイターを目指すべき

とあります。

第4章から第6章が、単行本としてまとめるにあたって追記された部分だと思います。こちらは、やや辛口ではあるものの、まっとうなことが書かれています。気になったのは、「女性研究者にとっては、結婚は△、出産は×」くらい。

第1章から第3章にあたる部分は、オリジナルの「教授からのメッセージ」を元に、ふくらませて書いた部分だと思いますが、この部分は、読み進むにつれ、違和感を感じました。

オリジナルの「教授からのメッセージ」に書かれていたのは、「基礎研究に進みたいけど、臨床を少しやってみたいという人に、それは時間の無駄だから、一刻も早く基礎研究をスタートしなさい」というものでした。確かに、基礎医学研究で世界トップになりたいのであれば、医学部卒業後、すみやかに基礎医学研究をスタートさせた方が良いでしょう。しかし、本書は、医学部の卒業生が一人でも多く基礎医学研究に進んでもらいたいがために、医学部卒業生のキャリアパスを、ゆがめて描写しているように感じました。

「臨床医=ルーチンワーカー、研究者=クリエーター」である。

医学部を卒業すると、典型的な「ルーチンワーカー」である臨床医と、典型的な「クリエイター」である研究者という正反対の道が待っているのです。

理系のトップクラスの頭脳を大量に抱え込んでいる医学部では、学生の多くがクリエイターの道を歩んで欲しいと願っています。

しかしながら次に述べるように、現状では全国の神童たちを集めておきながら、そのほとんどをルーチンワーカーに仕立て上げている点、医学部の問題は非常に根が深いと言わざるを得ないでしょう。

医学部を卒業したら、臨床を経験せずに基礎医学研究に打ち込む研究医と、マニュアルに沿ってルーチンワークをおこなう臨床医しか進む道はない。本当にそうなのでしょうか?

臨床の現場で見つかる生体の謎、病気の謎に迫るには、知的興味を持った臨床の現場に立つ、臨床医の関与が必須です。ガイドラインやマニュアルさえあれば、医療は出来るものというわけではありません。ルーチンワークのように医療を提供する人もいるかもしれませんが、自分の知的な興味を満足させながら、診断・治療方法の開発をおこなっている臨床医もたくさんいます。つまり、臨床医といえどクリエイティブ度は様々であり、多様な人材がいて、医療の世界も、医学研究の世界も支えられているのだと思います。

さらに、私の感じた違和感の根源は、この本を文系の方やビジネスパーソンの方にも読んでもらうために、「研究者」を「クリエーター」と言い換えたことにあります。医学部卒業生のキャリアパスとしての「研究者」の位置づけは、一般社会の「クリエーター」と一緒なのでしょうか?

クリエーターとは、具体的には何なのか?著者の定義によれば「個を主張すること自体で日々の糧を稼いでいるプロ」とあります。例としてあげているのは、芸術家、プロスポーツ選手です。

著者は、「すべての職業は、ルーチンワーカーとクリエイターの2種類に大別される。」としていますが、クリエイティブ度は種々の度合いがあり、クリエーターとルーチンワーカーは、その両極端にあり、職業はルーチンワーカーとクリエイターの2つに分けられるようなものではないと思います。著者の論法によれば、一般社会人も、「個を主張すること自体で日々の糧を稼いでいるプロ」を目指せ、ということになるのでしょうが、実社会にそぐわない意見のように思います。

私としては、おすすめしたい本というわけではありませんが、「教授からのメッセージ」を読んで、興味をもたれた方は、どうぞ。

2010.07.02

2010年上半期に売れた本

2010年上半期に研究留学ネットを通して、amazon.co.jpで購入された書籍でどんなものが売れたか集計してみました。定番本(統計、英語)と人気のある本(切磋琢磨するアメリカの科学者たち研究者の仕事術研究留学術)、あとは、What's new!で紹介した本という形で落ち着いたランキングでした。

  書名    
1 切磋琢磨するアメリカの科学者たち~米国アカデミアと競争的資金の申請・審査の全貌 amazon.co.jp 本blog紹介記事
2 やるべきことが見えてくる研究者の仕事術~プロフェッショナル根性論 amazon.co.jp 本blog紹介記事
3 研究留学術~研究者のためのアメリカ留学ガイド amazon.co.jp 本blog紹介記事
4 理系のための人生設計ガイド amazon.co.jp 本blog紹介記事
5 ハーバードでも通用した研究者の英語術~ひとりで学べる英文ライティング・スキル amazon.co.jp 本blog紹介記事
6 バリの賢者からの教え~思い込みから抜け出す8つの方法 amazon.co.jp 本blog紹介記事
7 臨床医による臨床医のための本当はやさしい臨床統計~一流論文に使われる統計手法はこれだ! amazon.co.jp  
8 最新EndNote活用ガイドデジタル文献整理術 第4版 amazon.co.jp 本blog紹介記事
9 JMP活用 統計学とっておき勉強法~革新的統計ソフトと手計算で学ぶ統計入門 (ブルーバックス CD-ROM) amazon.co.jp 本blog紹介記事
10 これから論文を書く若者のために 大改訂増補版 amazon.co.jp 本blog紹介記事
11 相手の心を動かす英文手紙とe‐mailの効果的な書き方~理系研究者のための好感をもたれる表現の解説と例文集 amazon.co.jp 本blog紹介記事
12 日本人研究者が間違えやすい英語科学論文の正しい書き方~アクセプトされるための論文の執筆から投稿・採択 amazon.co.jp 本blog紹介記事
13 プロフェッショナルの条件~いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編)) amazon.co.jp 本blog紹介記事
14 ポスター発表はチャンスの宝庫!~一歩進んだ発表のための計画・準備から当日のプレゼンまで amazon.co.jp 本blog紹介記事
15 法とは何か (岩波新書) amazon.co.jp 本blog紹介記事
15 細胞夜話 amazon.co.jp 本blog紹介記事
15 アクセプトされる英語医学論文を書こう!~ワークショップ方式による英語の弱点克服法 amazon.co.jp 本blog紹介記事
18 知の技法~東京大学教養学部「基礎演習」テキスト amazon.co.jp 本blog紹介記事
18 Illustratorのやさしい使い方から論文・学会発表まで~すぐに描けるイラスト作成のコツと研究者のためのポスタ amazon.co.jp 本blog紹介記事
19 プレゼンの極意を盗め!~スライド・動画・アニメなどナマ資料DVD付 amazon.co.jp  
19 GraphPad Prismによる生物統計学入門 amazon.co.jp 本blog紹介記事
19 医学・生物学研究者のための 絶対話せる英会話~研究室内の日常会話から国際学会発表まで amazon.co.jp 本blog紹介記事
19 考えあう技術 (ちくま新書) amazon.co.jp 本blog紹介記事

リベラルアートとして読んでおくべき本』で紹介した本はとても注目を集めたらしく、ワンセットで買われる方が多いようで、10人前後の人がまとめ買いして下さっています。

実は、最近の明らかな傾向は、Amazonを介して、本を買う人より、電子小物などを買われる方の方がだいぶ増えていると言うことです。売上高では、間違いなくそうですし、売り上げ個数でも、書籍は半分以下になっている用です。

書籍以外では圧倒的にレーザーポインタが人気です。リモコン付きレーザーポインタの紹介記事を読んで下さっている方が多いのだと思います。廉価版グリーンポイントレーザーのロジクールR800が大人気で、これまでの王者サシ-41という赤色レーザーを一気に抜き去りました。

  商品名  
1 ロジクール プロフェッショナル プレゼンター R800 amazon.co.jp
2 コクヨS&T レーザーポインター for PC(ハンディタイプ) サシ-41 amazon.co.jp
3 KOKUYO レーザーポインタ IC-GREEN for PC サシ-81N(ペンタイプ, 緑色光, パワーポイント操作機能) amazon.co.jp
4 コクヨS&T レーザーポインター<GREEN>(UDシリーズ) ELA-GU94 amazon.co.jp
5 太陽誘電製 That's CD-Rデータ用 48倍速700MB プリンタブル スピンドルケース50枚入 CDR80WPYSBV amazon.co.jp
6 KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW2 (ハンディタイプ, パワーポイント操作機能) amazon.co.jp
7 コクヨS&T レーザーポインター for PC(ペンタイプ) サシ-51N 赤色光・パワーポイント対応タイプ amazon.co.jp
8 I-O DATA USB 2.0/1.1接続 33メディア対応マルチカード リーダー・ライター(ブラック) USB2-W33RW/B amazon.co.jp
9 KOKUYO レーザーポインタ for PC サシ-51N(ペンタイプ, パワーポイント操作機能) amazon.co.jp
10 グリーンハウス USB2.0カードリーダ/ライタ(SDHCカード) ホワイト GH-CRSDHC amazon.co.jp

2010.06.09

本の紹介「理系大学院留学」

「理系大学院留学―アメリカで実現する研究者への道 (留学応援シリーズ)」

著者:カガクシャ・ネット、出版社:アルク (2010-03-31)、ASIN:4757418566【amazon.co.jp

カガクシャ・ネットは、海外の理系大学院を受けた若い研究者のコミュニティです。当初は、メーリングリストを活動の中心としていましたが、2007年からは、メールマガジン「海外の大学院留学生たちが送る!サイエンス・実況中継」を発行しています。10年にもわたって、地道に活動を続けてこられたのは、うまく協調作業が進んできたおかげで、一人の人に負担がかかりすぎなかったと言うことなのでしょう。代表の杉井さんとは、10年間にわたって、ときおりお会いして情報交換してきました。

彼らの活動の集大成とも言える成果が本書です。

カガクシャ・ネットのそもそもの結成の経緯は、以前、私が運営していた研究留学ネットMLであったのではないかと推察しています。したがって、これまで、彼らの活動を見てきた私が、彼らが成し遂げた(というにふさわしい本だと思う)成果である本書を、献本いただきながら、2ヶ月も放置していたのは怠慢としか言いようがありません。申し訳ありません。

アメリカでポスドク留学する人の数は、明らかに減っています。それでも、私が留学した当時は、結構な数がいました。たとえば、私の大学の同級生100人のうち10人くらいが同時期に留学していました。911という治安の問題もあったと思いますが、もっと大きな問題として、日本でのポスドクが無計画に量産された割にテニュアポジションが増えなかったというポスドク問題、ポスドク留学のかなり多くの人数を占める医師の留学希望が減っていることなどにより、おそらく、私が留学していた当時の半分以下になっているのではないかと思われます。ただ、このようなポスドク留学の情報は、身近に経験者を捜すことが難しくない上に、インターネットの発達により、以前に比べて情報が得やすくなったと思われます。

一方で、海外の大学院留学となると、今でも、情報がかなり少ない状況です。海外の大学院留学は実質的な授業料がかからないことや、専攻分野の変更に寛容であることなど、重要な部分の情報でさえほとんど行き渡っていません。

本書では、海外の大学院留学を考える人にとって、プラクティカルな情報を与えてくれる唯一の書であるといえます。また、カガクシャ・ネットの人脈によって、豊富な体験談が集められている点も貴重です。

カガクシャ・ネットでは、柿内賢信記念賞というグラントを獲得し、世界各地で活躍する超一流の研究者のインタビューを敢行しました。小柴昌俊、石井裕、浅田春比古といったそうそうたる面々です。そのインタビューというか、先輩研究者からの若き科学者へのエールもPart IIIにまとめられています。

ということで、海外の大学院留学をちょっとでも考えている人は、必須の本です。というか、将来、世界的なレベルで研究をしたい学部生は、この本を買って、海外大学院留学というキャリアパスがあることを知っておく必要があると思います。


2010.05.27

本の紹介「研究者の英語術」

「ハーバードでも通用した研究者の英語術」

著者:島岡 要、出版社:羊土社 (2010-03)、ASIN:4758108404【amazon.co.jp】【bk1】【目次

先日、ボストンで著者の島岡さんとお話をさせていただいたときに、もうすぐ2冊目の本が出るからと、教えていただいていておりました。帰国後、さっそく、献本いただいていたのですが、私の怠慢で、2ヶ月近く放置してしまいました。すいません。

研究者の英語術とは何か?限られた時間の中で、優先順位をつけるとすれば、ライティングの力であると、割り切ったことが、最大の特徴です。「流暢な英語が話せるようになる」という希望を捨てる勇気、と「機能的な英文が書けるようになる」という希望を持つ勇気、この言葉がこの本の理念を表しています。

しかし、本当に、英語が話せなくてもよいかといえば、もちろん、答えはノーなのです。でも、英語というと、どうしても英会話に重点を置きがちな日本人研究者に、もっと、きちんとした英語で論文やグラントを書かないと、研究者としては一人前にならないぞ伝えています。そう言う観点で書かれた英語本はこれまでなかったですね。

実は、ライティングに関して言うと、どのように書くかより、何を書くかすら日本人研究者にはわからないことが多いのです。

私が大学院生の時に、指導教授から、英語論文の査読をやってみろと言われたことがあります。自分の論文を書いたことがなかった私にとっては、論文にコメントをすることができても、査読ってどうやって書くの?何を書くの?まったくわかりませんでした。表立って、論文の査読はこう書きなさいとエディターが指定することはありませんが、実は、暗黙のフォーマットがあるのです。そのことに気づいたのは、自分の論文をいくつか発表し、論文の査読をいただいてからでした。たとえば、Major Revisionであれば、はじめに、その論文の要点をまとめたあと、どのような部分が評価できるかを書きます。その研究価値は認めつつ、以下の問題(concernという言葉の使い方もこのとき知りました)があるとして、その問題を箇条書きでリストアップする。多くの査読者は、そのようなフォーマットで書きます。

残念ながら、本書には、査読の書き方という章はありませんが、論文を投稿する際のカバーレター、推薦状、CVといった、滅多に見る機会のない、研究者に必須の文章の貴重な文例がたくさん載っています。

それだけで、この本は、自分で独立するつもりのある研究者には必須の英語本であると言えます。

ロジックの通った英語を書く。これについては、科学のわかるネイティブに一つ一つ添削してもらって、トレーニングするのがいいのでしょうね。なかなか、そう言う恵まれた環境にいる方は少ないと思いますが。


2010.05.03

村上春樹のおすすめ本

今年のGWは天気がいいですね。

私は、朝早起きしてテニス。そのあと、大学か自宅で、申請書書き。夜は本を読みまくるというような過ごし方をしています。連休明けにでかい審査があるので、申請書書きは手を抜けないのですが、少しだけ、生活のペースをスローにすることが出来ています。

1Q84がたいそう気に入ったので、村上春樹に詳しい友人に、次の1冊は何にしたらよいかと聞いてみました。ちなみに、私自身は、「1Q84」「ノルウェイの森」しか読んでいません。

気軽に聞いたのですが、相当詳細な「村上春樹のおすすめ本」を教えてもらったので、皆さんにも公開。

客観的には『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が彼の最高傑作とみなされていると思います。確かに良い小説です。

村上春樹の小説は短編、中編、長編の三本たてです。それぞれから選びました。

短編集では『東京奇譚集』か『中国行きのスロウ・ボート』小説を選ぶとすると、『神の子どもたちはみな踊る』に収録の”タイランド”が好きです。

中編では『1973年のピンボール 』か『国境の南、太陽の西

長編では、『ダンス・ダンス・ダンス』か『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』 を推しておきます。

とりあえず全部買って、かたっぱしから読んでいます。

2010.04.29

本の紹介「1Q84」

1Q84のbook1book2book3と一気に1週間あまりで読み切りました。

book1book2だけを読んだら、ただのエロ小説なのではと思う人も多いかもしれませんが、book3を読めば、これは、純愛小説なのであろうというのが私の感想です。私はどちらかというと、村上春樹作品のシンボルや比喩の多さに、途中で疲れてしまうので、たぶんにミステリーの要素も含んでいるせいか、これだけ分厚い3冊を短期間で読み終えられたことに少々ビックリしています。

book3が出ると、アナウンスされた時点で、book1book2book3が出てからにしようと思って、積ん読状態にしておいたのですが、book1book2を早々に読み終えてしまった人には、book3をどのような思いで読んだのでしょうかね。

噂では、book4が出るとか。でも、Happy Endが大好きな私としては、もう、book3で終わりでいいじゃないかという思いもあります。

いろんなレビューを読んでいると、批判的なコメントも結構ありますが、小説というのは、作者と読者の関係のみで決まるわけですから、そういうものは、無視して、、、、

私は、1Q84好きです。

 

 

2010.04.19

おすすめのドラッカー本

ドラッカーは、イメージとして、企業経営に関する本が多いように思うかもしれませんが、決してそんなことはなく、企業経営に関わらない人にも有益な本が多いです。

ドラッカーの著作を何冊か持っているのですが、私が読み通した本は「経営者の条件」だけ。他の本はパラパラ程度だったので、もう一度、読んでみたいなと思ったら、本屋で見つけたのは、「週刊 ダイヤモンド 2010年 4/17号」。もっと知りたいドラッカー特集をしています。もし、ドラッカーの膨大な著作の中からどの本を読めばよいのか、そのガイドとなります。

さて、「週刊 ダイヤモンド 2010年 4/17号」を読んで、このブログを読んでいるような方々にお勧めする本は以下の3つだと思います。

プロフェッショナルの条件

著者:P・F. ドラッカー、出版社:ダイヤモンド社 (2000-07)、ASIN:4478300593【amazon.co.jp

これが、第一番目におすすめでしょうね。

原書名は『THE ESSENTIAL DRUCKER ON INDIVIDUALS』で、著作10点、論文1点から個人の生き方に関するエッセンスを抜き出し、ドラッカー自身が加筆・削除・修正したものです。つまり、オリジナル版ではなく、ベスト盤のような位置づけですが、はじめて読むドラッカー本として、おすすめ。


経営者の条件

著者:P.F.ドラッカー、出版社:ダイヤモンド社 (2006-11-10)、ASIN:4478300747【amazon.co.jp

経営者の条件というタイトルがよくないと思うのですが、この本は、知的生産をする人には、非常に示唆に富んだ好著です。原著のタイトルは、The Effective Executiveで、ドラッカーは成果を上げる人のことをすべて、エグゼクティブと呼んでいます。

私は、選書版を持っているのですが、選書版にはない、序章「成果をあげるには」が入っているらしいので、買い直そうと思っています。


マネジメント [エッセンシャル版]

著者:P・F. ドラッカー、出版社:ダイヤモンド社 (2001-12-14)、ASIN:4478410232【amazon.co.jp

マネジメントになるので、3番目と言うことにしましたが、この本がドラッカーの代表作であり、『もしドラ』のネタになった本です。


下記の2部作は、北海道の熱心なドラッカリアンの佐藤等氏が書かれた、ドラッカーの理論を実践するためのワークブックです。

本の中には、実践シートがついていて、そこに、自分の手で書き込む形式になっています。ドラッカーのたくさんの著作のエッセンスが集められていて、すぐに、ドラッカー理論を実践したい人にはよいかもしれません。

実践するドラッカー【思考編】佐藤 等[編著]、ダイヤモンド社

「強み」「貢献」「集中」など、自分自身を「成長」させるために必要な「思考」をテーマにしています。

実践するドラッカー【行動編】佐藤 等、ダイヤモンド社

「時間管理のコツ」のほか、意思決定・決断の要諦、目標管理の方法、計画と実践の秘訣など、成果をあげる人の行動習慣をテーマにしています。

2010.04.17

本の紹介「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

著者:岩崎 夏海、出版社:ダイヤモンド社 (2009-12-04)、ASIN:4478012032【amazon.co.jp

表紙を見て、ちょっと、電車の中では読みにくいなぁと思っていたのですが、ベストセラーになっている『もしドラ』を読みました。

もしドラ』は、都立高校の野球部のマネージャーになった川島みなみが、勘違いから手にしたドラッカーの『マネジメント』を参考に、野球部の強化に取り組み、甲子園を目指すという青春ストーリーです。実は、野球部のマネジメントを題材とした、ドラッカーの理論のケーススタディになっています。

野球部のマネージャー業にでもドラッカーの『マネジメント』は通用することを通して、ドラッカーの考え方の普遍性を示すことになる不思議な本です。好き嫌いは分かれるかもしれませんが、私は、よくできたドラッカーの入門書だと思いました。

著者の岩崎氏は、AKB48を秋元康氏と一緒にプロデュースしていた方で、主人公の川島みなみも、AKB48の峰岸みなみがモデルなのだという。私は、AKB48まったくわからないのですが、AKB48好きな人にもお勧めな一冊。

もう少し、ドラッカーをきちんと読みたい人のお薦め本は、、、、次のエントリーで。


2010.04.13

積ん読

本屋が好きなので、しょっちゅう出かける。1回出かけると、せっかく来たのだからと、5、6冊買い求める。家でパラパラとするものの、なかなかじっくり読む時間がない。でも、また、本屋に行ってしまう。

時に、献本をいただいたりする。amazonでまとめ買いなどしてみる。

いつの間にやら、私の机の上には積ん読本が山になっています。

献本いただいた、「研究者の英語術」「理系大学院留学」ただいま、じっくり読んでおりますので、書評の方は、もう少しお待ち下さい。

2010.02.22

本の紹介「細胞夜話」

「細胞夜話」

著者:GEヘルスケアバイオサイエンス(株) 藤元宏和、出版社:パレード (2008-09-01)、ASIN:4434121634【amazon.co.jp

バイオダイレクトメールに掲載した細胞夜話のバックナンバーが一冊にまとまりました。

キット全盛、プロトコールが完備された時代には、あまりピンとこないかもしれませんが、私のように手探りで、Molecular Cloningを読みながら、必死にやっていた古い人間には、とても興味深い話のオンパレード。

Hela細胞の由来ぐらいは知っていましたが、さすがに3T3細胞が「"3" day "T"ransfer interval, "3" x 105 cells per 20-cm2 dish」の略だったとは知らなかったなぁ。

いろんな名前に、研究者のドラマが隠れていて、細胞のトリビアの固まりみたいな一冊です。かなり、楽しく読めました。

ただ、ページの下に書いてある、読者からのコメントに何の意味があるのか、私にはよくわかりませんでした。


2010.02.21

リベラルアートとして読んでおくべき本、全部買いそろえました

リベラルアートとして読んでおくべき本』を紹介したところ、多方面から、反響がありました。

とりあえず1冊くらい読んでみようと思ったのですが、、、、、。

結局、まとめ買いすることにしました。

山形大学医学部の学生には負けないように、今年中に読破します。

2010.02.17

リベラルアートとして読んでおくべき本

山形大学医学部長の嘉山孝正先生の講演を聴きました。中医協のメンバーであり、次期がんセンター理事長に内定するなど、オピニオンリーダーとしても、もっとも旬な医療人の一人であることは間違いないでしょう。

今回の講演は医学教育で、山形大学の医学部2年生に「リベラルアートとして読んでおくべき本」として課題にしている10冊というのが気になりました。その10冊を紹介しておきます。

学生から感想文を集めて、医学部長自ら、一人一人にコメントを書いてらっしゃるそうです。

講演後、食事をご一緒させていただきましたが、オフレコな話満載だったので、ここでは、、、。

2010.02.13

本の紹介「カッコウの卵は誰のもの」

「カッコウの卵は誰のもの」

著者:東野 圭吾、出版社:光文社 (2010-01-20)、ASIN:4334926940【amazon.co.jp

とりあえず、6ヶ月ぶりくらいに読む本として、選んだのが、東野圭吾の最新作のこの一冊。

スキーの元日本代表・緋田には、同じくスキーヤーの娘・風美がいる。母親の智代は、風美が2歳になる前に自殺していた。緋田は、智代の遺品から流産の事実を知る。では、風美の出生は? そんななか、緋田父子の遺伝子についてスポーツ医学的研究の要請が……。さらに、風美の競技出場を妨害する脅迫状が届く。複雑にもつれた殺意……。

まぁ、ある意味、東野圭吾らしい一冊ではありますが、私の中では、あまり上位にはランクインしませんでした。


2010.01.09

積ん読本のどれを持って行くか

明日から1週間の海外出張。

少し、時間も取れそうなので、久しぶりに、ゆっくり本を読みたいなと思っています。ほんと、この半年は、ゆっくり本を読めていなかったので、積ん読本が大量にたまっています。

こんなに時間が取れる時じゃないと読めない、大作にしようと思っています。

第一候補は、オスラー先生の本。パラパラとは読んでいるのですが。もう一度しっかり読み直したい。今の自分には一番必要な本でしょうか。

平静の心―オスラー博士講演集
オスラー
医学書院
売り上げランキング: 20790

第2候補は、1Q84。上下だとあまりに厚いのがためらわれる。

1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 1
posted with amazlet at 10.01.10
村上 春樹
新潮社
売り上げランキング: 165

第3候補は、ドラマも始まってちょうどいいですね。

坂の上の雲〈1〉 (文春文庫)
司馬 遼太郎
文藝春秋
売り上げランキング: 75

第4候補は、エンターテイメントなら、これかな。

新参者
新参者
posted with amazlet at 10.01.10
東野 圭吾
講談社 (2009-09-18)
売り上げランキング: 509

どの本も結構かさばるのが、難点

2009.12.25

2009年のベスト〜本〜

早くこの企画スタートしなきゃと思っていたのですが、ほんと、時間がなくてすいません。年末まで、いっきに更新します。

2009年のベスト企画は、まず本から。

例年ですと、フィクション部門から1冊とノンフィクション部門から1冊選ぶのですが、今年は、ほとんど本を読む時間がなくて、フィクションをほとんど読んでいません(買ってはあるので積ん読になっています)。

というわけで、今年はノンフィクションだけ。

よかった本は、

この三冊は、2009年の私に強い力を与えてくれました。ありがとう。

あえて、一冊あげるなら、「研究者の仕事術」でしょうか。

2009.12.01

2009年11月に売れた本

2009年11月に研究留学ネットを通して、amazon.co.jpで購入された書籍でどんなものが売れたか集計してみました。定番本(統計、英語)と人気のある本(切磋琢磨するアメリカの科学者たち研究者の仕事術研究留学術)、あとは、What's new!で紹介した福岡先生の本という形で落ち着いたランキングでした。

  書名  
1切磋琢磨するアメリカの科学者たちamazon.co.jp
2やるべきことが見えてくる研究者の仕事術amazon.co.jp
3最新EndNote活用ガイドデジタル文献整理術 第4版amazon.co.jp
4臨床医による臨床医のための本当はやさしい臨床統計amazon.co.jp
5研究留学術amazon.co.jp
6動的平衡amazon.co.jp
7医薬研究者のための統計ソフトの選び方amazon.co.jp
8JMP活用 統計学とっておき勉強法amazon.co.jp
9ライフサイエンス英語 類語使い分け辞典amazon.co.jp
10ライフサイエンス論文を書くための英作文&用例500amazon.co.jp
11医学統計のためのGraphPad Prismハンドブックamazon.co.jp
12 日本人研究者が間違えやすい英語科学論文の正しい書き方 amazon.co.jp
13世界は分けてもわからないamazon.co.jp
14GraphPad Prismによる生物統計学入門amazon.co.jp
15StatView‐医学‐統計マニュアル - スタットビュー5.0対応版amazon.co.jp
16iPhone情報整理術amazon.co.jp
17ライフサイエンス 文例で身につける英単語・熟語amazon.co.jp
18ライフサイエンス英語表現使い分け辞典amazon.co.jp
19ラボ・ダイナミクスamazon.co.jp
20初心者のための動物実験手技 1amazon.co.jp
21医薬研究者のためのケース別統計手法の学び方amazon.co.jp
22数学いらずの医科統計学 - コンピュータ・エイジのための統計学指南amazon.co.jp
23流れがわかる学会発表・論文作成How To - 症例報告、何をどうやって準備する?amazon.co.jp
24減らす技術 The Power of LESSamazon.co.jp
25相手の心を動かす英文手紙とe‐mailの効果的な書き方amazon.co.jp

書籍以外では圧倒的にレーザーポインタが人気です。リモコン付きレーザーポインタの紹介記事を読んで下さっている方が多いのだと思います。サシ-41という赤色レーザーが大人気。そして、廉価版グリーンポイントレーザーのロジクールR800も上位に食い込んできました。10000円以下のポインターをマイポインターとして持つ人が増えたのでしょうね。

  商品名  
1 コクヨS&T レーザーポインター for PC サシ-41amazon.co.jp
2ロジクール プロフェッショナル プレゼンター R800amazon.co.jp
3コクヨS&T レーザーポインター ELA-GU92amazon.co.jp
4 KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW2 amazon.co.jp
5KOKUYO サシ-2 指示棒amazon.co.jp
6 KOKUYO レーザーポインタ IC-GREEN for PC サシ-81N amazon.co.jp
7 コクヨS&T プレゼンテーションマウス ELA-MRU41amazon.co.jp
8 コクヨS&T レーザーポインター for PC サシ-51N 赤色光・パワーポイント対応タイプamazon.co.jp

2009.11.20

福岡伸一先生の講演を聴いてきました

福岡伸一先生の講演を聴いてきました。

福岡先生と言えば、以前、ここでも紹介した「生物と無生物のあいだ」が生物学をテーマとした本としてはありえないほど売れまくったことで有名です。最近は、週刊文春のエッセイやテレビのコメンテーターとしても活躍されています。

ワクワクしながら、講演に出かけたのは久しぶりでした。

テーマは「動的平衡」。内容は非常に多彩であったので、紹介しきれませんが、私が一番興味を持っていたのが、あのような文章を書く先生がどのようなプレゼンテーションスタイルで話をされるかということでした。

そのプレゼンテーションスタイルは、予想を超えたものでした。かなり上級者向けのプレゼンテーション技術ですが、よどみなく1時間話されていました。スライドを見せるのではなく、あくまでも演者の話が主体であり、スライドはその補足とも言えるスタイルです。まさに、福岡先生の本そのままのトークになっていました。あのプレゼンテーションを、初心者がやったら絶対に失敗するでしょうね。

講演終了後に、最近出版された「世界は分けてもわからない」をいただきました(サイン入り)。実は、「世界は分けてもわからない」はこの講演に合わせて、数日前から読んでいて、ものすごく引き込まれていたのですが、全部は読み切れていませんでした。

会場の一角で、本を売っていたので、ご本人に、どの本がおすすめですかといったら、「動的平衡」をまだ読んでいないなら読んで下さいということだったので、そちらも購入して、サインをいただきました。

2009.11.14

本の紹介「医学統計のためのGraphPad Prismハンドブック」

「医学統計のためのGraphPad Prismハンドブック」

著者:祝部 大輔、出版社:日本評論社 (2009-08)、ASIN:4535600279【amazon.co.jp】【bk1

GraphPad Prismはスタットビューなき、現状において、SSPS、JMPとならんで、候補となり得る統計解析ソフトです。GraphPad Prismの日本語解説書が出ました。これは、祝部先生が書かれているので、GraphPad Prismを買う人はマストバイな一冊でしょ。

ただし、私が、GraphPad Prismを使わないのは、P値の実数値が出ないこと(P<0.05を満たしているかどうかは出る)です。この本をパラパラと読むと、その部分は改善されていない様子。


2009.11.01

2009年10月に売れた本

2009年10月に研究留学ネットを通して、amazon.co.jpで購入された書籍でどんなものが売れたか集計してみました。今回特徴的だったのは、What's new!で紹介したらすぐに、皆さんが購入してくれたという点です。特に、第1位になった、「研究者の仕事術」(私の書いた書評はこちら)は是非、多くの方に読んでいただきたい本です。

  書名  
1 やるべきことが見えてくる研究者の仕事術–プロフェッショナル根性論 amazon.co.jp
2 最新EndNote活用ガイドデジタル文献整理術 第4版amazon.co.jp
3 iPhone情報整理術 ~あなたを情報"強者"に変える57の活用法!(デジタル仕事術シリーズ) amazon.co.jp
4 切磋琢磨するアメリカの科学者たち–米国アカデミアと競争的資金の申請・審査の全貌amazon.co.jp
5 新版 文献管理PCソリューション–PubMed/医中誌検索から論文執筆までamazon.co.jp
6 研究留学術–研究者のためのアメリカ留学ガイドamazon.co.jp
7 臨床医による臨床医のための本当はやさしい臨床統計–一流論文に使われる統計手法はこれだ! (EBMライブラリーamazon.co.jp
8 GraphPad Prismによる生物統計学入門amazon.co.jp
9 Rによるデータサイエンス - データ解析の基礎から最新手法までamazon.co.jp
10 ライフサイエンス英語 類語使い分け辞典amazon.co.jp
11 初心者のための動物実験手技 1amazon.co.jp
12 医学・生物学研究者のための 絶対話せる英会話–研究室内の日常会話から国際学会発表まで amazon.co.jp
13 困った状況も切り抜ける医師・科学者の英会話–国際学会や海外ラボでの会話術と苦情、断り、抗議など厄介なamazon.co.jp
14 学会出席・研究留学のための理科系の英会話 改訂版(CD付)amazon.co.jp
15 小さな小さなクローディン発見物語?若い研究者へ遺すメッセージamazon.co.jp
16 数学いらずの医科統計学–コンピュータ・エイジのための統計学指南amazon.co.jp
17 相手の心を動かす英文手紙とe‐mailの効果的な書き方–理系研究者のための好感をもたれる表現の解説と例文集amazon.co.jp

書籍以外では圧倒的にレーザーポインタが人気です。リモコン付きレーザーポインタの紹介記事を読んで下さっている方が多いのだと思います。今回は、ものすごい変動がありました。今までは、グリーンレーザーが圧倒的な人気機種だったのですが、サシ-41という赤色レーザーながら、デザインがいいタイプがバカ売れ。あまり販売点数を言うのもはばかれるのですが、1日1個以上売れています。5000円台に突入し、マイポインターとして持つ人が増えたのでしょうね。

  商品名  
1コクヨS&T レーザーポインター for PC(ハンディタイプ) サシ-41amazon.co.jp
2 コクヨS&T レーザーポインター(UDシリーズ) ELA-GU94amazon.co.jp
3 コクヨS&T レーザーポインター <IC-GREEN>for PC サシ-81N 緑色光・パワーポイント対応タイプamazon.co.jp
4 コクヨS&T レーザーポインター for PC(ペンタイプ) サシ-51N 赤色光・パワーポイント対応タイプamazon.co.jp
5 KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW2 (ハンディタイプ, パワーポイント操作機能)amazon.co.jp
6 KOKUYO レーザーポインタ IC-GREEN for PC サシ-81N(ペンタイプ, 緑色光, パワーポイント操作機能)amazon.co.jp
1KOKUYO サシ-1 指示棒amazon.co.jp

2009.10.25

本の紹介「ライフサイエンス論文を書くための英作文&用例500」

「ライフサイエンス論文を書くための英作文&用例500」

著者:河本 健、出版社:羊土社 (2009-10)、ASIN:4758108382【amazon.co.jp】【bk1】【目次

羊土社から出ているライフサイエンス英語シリーズ「類語使い分け辞典」「英語表現使い分け辞典」 「論文作成のための英文法」「文例で身につける英単語・熟語」に続く第5弾。私は、これまでの4冊の中で、一番愛用しているのは、「類語使い分け辞典」です。これは、本当に役立っています。

ライフサイエンス英語シリーズは、ライフサイエンス辞書(LSD)プロジェクトが構築した、ライフサイエンス分野の専門英語のコーパスをもとに作られています。簡単に言えば、ライフサイエンス分野の学術誌の英文をコンピュータ解析して、頻度情報をもとに、ライフサイエンスの学術論文で好まれて使われる英語を明らかにしたデータベースです。

本書は、第1部と第2部に分かれていて、第1部では、論文執筆の際に日本人がつまずきやすいポイントについて解説。第2部では、主語と動詞の組み合わせをに特化した使い分け辞典になっています。私が、一通り読んでみた感想としては、第1部はある程度、英語論文を執筆した人には、頭の整理になって役立つと感じました。

2009.10.24

本の紹介「最新EndNote活用ガイドデジタル文献整理術 第4版」

「最新EndNote活用ガイドデジタル文献整理術 第4版」

著者:讃岐 美智義、出版社:克誠堂出版 (2009-10)、ASIN:4771903603【amazon.co.jp】【bk1】【目次

Endnoteに関する本はこれしかない、というのが、讃岐さんの書かれている「デジタル文献整理術」です。こういったコンピュータソフトの本というのは、ソフトがメジャーアップデートしてしまうと、かなり利用価値が下がってしまうのですが、Endnoteのアップデートに合わせて、きちんと改訂されて、はや第4版。Endnoteの最新版のX3に対応しています。Endnoteのマニュアル自体、分厚くてとても読めるものではありませんので、その代わりとしても使えますが、マニュアルとは違ったユーザーの立場から要点をまとめたガイドですので、Endnoteを持っている人は、必携の一冊です。


2009.10.17

本の紹介「iPhone情報整理術」

「iPhone情報整理術」

著者:堀 正岳、出版社:技術評論社 (2009-10-21)、ASIN:4774140279【amazon.co.jp】【bk1

発売前の本なのですが、都内の一部の書店で先行販売しているのを作者のブログLifehacking.jpで聞きつけて、紀伊国屋新宿南口店でゲット。一気に読了。

著者の考えは、コンピュータの中身をいつでもiPhoneでも閲覧できるように、持ち出したり、クラウドコンピューティングを推し進めるという考え方。確かに、そうできるのだろうなと理解できるのですが、私のiPhoneスタイルとは違うなと感じました。私の、iPhone像は、あくまでもPDA+インターネットなのです。

とても、参考になりましたが、逆に、まだまだスキマはあるなと実感した次第。私なりのiPhoneライフスタイルを今後、紹介したいと思っています。

コンピュータの中身をいつでもiPhoneでも閲覧できるように、持ち出したいという人には、かなりの良書です。


2009.08.30

本の紹介「やるべきことが見えてくる 研究者の仕事術」

やるべきことが見えてくる 研究者の仕事術
著者:島岡要、出版社:羊土社【amazon.co.jp】【目次

著者の島岡要氏は、麻酔科の臨床医から基礎医学者に転身し、現在、ハーバード大学医学部准教授として、自分のラボを運営されています。2年ほど前から始められた「ハーバード大学医学部留学・独立日記」というブログを始められ、私も愛読しています。また、2008年1月から10月まで、実験医学誌上で連載された「研究者のためのプロフェッショナル根性論」も人気エッセイでした。その連載記事などを元に一冊の本にまとめられたのが、本書です。

本書は、従来、ビジネスパーソンに向けて書かれた様々な仕事術や理論を、ビジネスパーソンとは全く異なる職種である科学者に、モディファイしながら、アプライするというあらたな試みをした一冊です。

よき時代の研究者のロールモデルは、興味のあることをただひたすら研究するような仙人のような学問人であったと思いますが、そのようなロールモデルが通用しない時代になってきました。ポストがないまま、流動性だけが高まるという、いびつな日本の研究者社会においては、多くの人の将来が不透明になっています。そのような時代においては、研究者という職業にビジネスセンスを取り入れざるを得なくなっており、著者の試みは非常に当を得ているといえます。本書は研究者ビジネス書としては、おそらくはじめての著作であると同時に、マスターピースとも言える一冊だと言えます。

内容は多岐にわたっており、引用されている書籍や、言葉、理論なども膨大なものなので、一部しか紹介できませんが、マイクロマーケティングの考え方をもとに、まずは、小さな自分の世界でトップに立つことを目指すという考え方、スムーズな研究者の「変化」の取り扱い術[ズーム]plus、GTD(Get Things Done)による時間管理術など、これまでビジネス書で語られてきた、理論や戦略を研究者に当てはめていく様子はとても興味深いものです。

ビジネスパーソンの仕事術を研究者の仕事術にあてはめるという著者の試みたアプローチに対し、当然考えられる批判は、サイエンスはビジネスではないという批判でしょう。ビジネスとサイエンスのもっとも大きな違いは、サイエンスには創造性が必要だということだと思います。では、サイエンスにおける創造性とはなにか、という議論になります。2000年頃に、免疫学会がウェブ上で「創造性とは何か」という議論をおこなっていましたが、その際の議論も一点に収束はしていないように、非常に難しい問題です。ひとつの意見として、著者はロバート・K・メルトンの言葉を引用しています。それによれば、

創造性とは誰も出来ないような斬新な考え方をする、他人とは質的に異なる「ユニークな能力」ではなく、必然的に起ころうとしている発見を誰よりも早くつかみ取る「効率のよさ」のこと

としています。つまり、本書で提唱してきた効率的に仕事をできる方法を身につけることが、研究者において創造性を高めることと矛盾しない、と著者は結論したいのだと思います。

「好きな分野より、得意な分野を選択すべき」「人生には二種類ある:失敗も成功もしない人生と、失敗もするが成功もするる人生がある」という言葉は、若い人、岐路に立った人たちに、力を与えるものです。これらの言葉を引用されているのは、おそらく著者自身の体験談に基づくものと想像されますが、残念ながら、個人の体験談にはあまり深入りされていません。自己啓発書は所詮、一個人の与太話であるということで、本書では体験談はあえて避けられたのかもしれません。一方で、「日本人中年男性研究者のための英語力向上作戦」では、ご自身の体験をいきいきと述べられており、とても興味深いチャプターになっています。

本書の帯に推薦の言葉を書いているのが「ウェブ進化論」で有名な梅田望夫さんであることからも、本書は科学者だけではなく、知的生産をおこなうすべての人に読んでもらいたい1冊です。

最後に、私の心に強く響いた前書きの一節を引用します。

今までの蓄えをうまく使ってあとは楽して逃げ切りたいという、私が“ヘタレ”と呼んでいるマインドセットを、私自身を含め多くの人が心に片隅に持っているのではないでしょうか。

(中略)

研究者がプロフェッショナル/エキスパートを目指す過程では、仕事の最大の報酬とは人間的な成長なのです。成長にともないより大きな仕事に取り組むチャンスが巡ってくるので、決して楽になることはありません。楽しいことも増えますが、同時に苦しいことも増えるのです。これがプロフェッショナル/エキスパートとして働き・生きることの醍醐味なのです。自分自身がそうであったように、環境の変化に直面して足がすくみ、“ヘタレ”な選択をしそうになったときに、本書で紹介した先人の言葉が勇気ある選択をする助けになれば幸いです。

2009.08.22

みんなに読んで欲しい「研究者の仕事術」

私のサイトでは、研究者の視点でおすすめの書籍を紹介してきました。1年か2年に1冊くらい、これはマストバイの本だなと思う本が世の中に登場してきます。

これまでの例で言えば、

といった本です。

今回、久しぶりに、これは、みなさんに強力におすすめしたいという本が出版されました。

それは、ハーバード大学医学部の島岡要先生の書かれた「研究者の仕事術」です。実験医学の人気連載記事をベースにまとめられたものです。島岡先生のブログ「ハーバード大学医学部留学・独立日記」も是非、読んでみて下さい。

とりあえず、目次はこちらを見ていただいて、内容などについては、全部読み終わったところで詳しく紹介します。

2009.08.17

本の紹介「減らす技術」「断る力」

木曜日くらいから、通勤電車はがらがら、仕事場でも、人が少なくなってきた感じ。

私自身は夏休みを取っていたわけではないのですが、こういう、多くの人が休みを取っている中で、仕事をするのって、とても好きなのです。ワーカホリックではありません。みんなが忙しくなってきたところで、きちんと夏休みを取る予定です。

さて、あんまり電話とか、雑事がこないような状況に私がするのは、机周りを思い切って捨てまくってすっきりすること。そして、髪を切ることです。つまり、いらないものを整理して捨てると言うことですね。

最近、つくづく思うのは、些末なことをいかに断るか、本当に自分がしたいこと、しなければいけないことに集中すべきかということ。

というわけで、そんなことを書いてある本を2冊紹介。

「減らす技術 The Power of LESS」

著者:レオ・バボータ、出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン (2009-08-05)、ASIN:4887597304【amazon.co.jp】【bk1

言っていることは、なるほどフムフム。今、自分が考えていたこととまさにしっくり来ます。

「世間で紹介されている生産性を上げるコツには、(中略)何をすべきかを考えるより、とにかくなんでも手早くすませることに終始している。(中略)急ぎのタスクを一気に片付けるワザや、洪水のようにおそってくる仕事や情報を次々と裁いていくテクニック。しかし、そんなやり方では、飛び込んできたものを何もかもやる羽目になってしまう。」

まさに、その通りである。本書が提案する人生をシンプルで生産的にする6つの原則は、

  1. 制限する
  2. 本質に迫ることだけを選ぶ
  3. シンプルにする
  4. 集中する
  5. 習慣化する
  6. 小さく始める

ただ、内容が薄っぺらく、30分で斜め読み終了。


「断る力 (文春新書)」

著者:勝間 和代、出版社:文藝春秋 (2009-02-19)、ASIN:4166606824【amazon.co.jp】【bk1

私、勝間さんは、いまいち苦手なのですが、上の本なんかに比べたらはるかに緻密に論理が展開されています。この本は良書だと思います。


2009.07.15

本の紹介「新人デザイナーのためのデザイン・レイアウトが上手になる本」

「新人デザイナーのためのデザイン・レイアウトが上手になる本」

著者:柘植 ヒロポン、出版社:ソシム (2008-07)、ASIN:4883376109【amazon.co.jp】【bk1

スライドやポスターなど、ちょっとしたデザインが必要になることって、私の世界でもあります。そうしたときに役立つ、デザインの原則や、気の利いたデザインのヒントをくれます。本書ではデザインの4要素、文字、写真、配色、構成で4章に分かれています。 悪い例と、それをどうやって直すと、よくなるかが示されていて、とても実践的。

その手の本としては、「ノンデザイナーズ・デザインブック」がベストセラーです。こちらもおすすめ。


2009.07.14

本の紹介「たのしい写真―よい子のための写真教室」

「たのしい写真―よい子のための写真教室」

著者:ホンマ タカシ、出版社:平凡社 (2009-05)、ASIN:4582231179【amazon.co.jp】【bk1

この本、青山ブックセンターで見つけたのですが、タイトルの『たのしい写真』とは裏腹に、写真家ホンマタカシ氏による、かなり本格的な写真論です。

私にとっては、写真技術と写真集をつないでくれた本。今まで、有名な写真家の写真を見て、どこがいいのかわからないということがたくさんありましたが、この本を読み終えると、少しわかったような気がします。気がしただけかもしれませんが。


2009.07.13

本の紹介「白衣のポケットの中―医師のプロフェッショナリズムを考える」

「白衣のポケットの中―医師のプロフェッショナリズムを考える」

著者:宮崎 仁、出版社:医学書院 (2009-04)、ASIN:4260008072【amazon.co.jp】【bk1】【目次

日本内科学会プロフェッショナリズム委員会のワーキンググループによるプロフェッショナリズム論をまとめた1冊です。医学教育では、医師のプロフェッショナリズムの関心が高まっていますが、まとまった本はありませんでした。プロフェッショナリズムは非常にプロフェッショナリズムはこうあるべしというのもなかなか結論が出ないものですが、医師のプロフェッショナリズムに真剣に正直に本音を、各先生が書かれているのがとても、印象深い好著です。


2009.07.07

本の紹介「ライフサイエンス 文例で身につける英単語・熟語」

「ライフサイエンス 文例で身につける英単語・熟語」

著者:河本 健、出版社:羊土社 (2009-07)、ASIN:4758108374【amazon.co.jp】【bk1】【目次

ライフサイエンス辞書プロジェクト発の書籍として「ライフサイエンス英語 類語使い分け辞典」「ライフサイエンス英語表現使い分け辞典」「ライフサイエンス論文作成のための英文法」が発行されてきましたが、本書はその第4弾ということになります。これまでの3冊の中では、私は「ライフサイエンス英語 類語使い分け辞典」を愛用しています。

本書は、今までの3冊のような辞書的な使い方をするのではなく、一通り通読して、学習することを想定しています。ライフサイエンス分野の論文でよく使われる用法が使われている適切な415の例文を通して、ライフサイエンスで必要な英単語力、熟語力をつけるという趣旨になっています。

学部生、大学院生で、夏休みを使って、英語力アップを、という人にぴったりかと思います。


2009.07.04

2009年上半期に売れた本

2009年1月から6月までに研究留学ネットを通して、amazon.co.jpで購入された書籍でどんなものが売れたか集計してみました。もっとも売れた本ベスト20は以下の通りです。「理系のための人生設計ガイド」が新しい売れ筋リストに入りましたね。あとは、英語と統計関係が売れ筋みたいです。

  書名  
1研究留学術amazon.co.jp
2 切磋琢磨するアメリカの科学者たちamazon.co.jp
3 理系のための人生設計ガイドamazon.co.jp
4 今日の治療薬 2009amazon.co.jp
5 相手の心を動かす英文手紙とe‐mailの効果的な書き方amazon.co.jp
6 Illustratorのやさしい使い方から論文・学会発表までamazon.co.jp
7 困った状況も切り抜ける医師・科学者の英会話amazon.co.jp
8 治療薬マニュアル 2009 (2009)amazon.co.jp
9 ポスター発表はチャンスの宝庫!amazon.co.jp
10 GraphPad Prismによる生物統計学入門amazon.co.jp
11 落下傘学長奮闘記amazon.co.jp
12 日本人研究者が間違えやすい英語科学論文の正しい書き方amazon.co.jp
12 医薬研究者のための統計ソフトの選び方amazon.co.jp
14 医学・生物学研究者のための 絶対話せる英会話amazon.co.jp
15 理系のための研究生活ガイドamazon.co.jp
15 JMP活用 統計学とっておき勉強法amazon.co.jp
15 学会出席・研究留学のための理科系の英会話 改訂版(CD付)amazon.co.jp
18 入門 医療統計学amazon.co.jp
18 理科系のための入門英語プレゼンテーションamazon.co.jp
20 JMPによる統計解析入門amazon.co.jp

書籍以外では圧倒的にレーザーポインタが人気です。リモコン付きレーザーポインタの紹介記事を読んで下さっている方が多いのだと思います。上位4機種は定番になりつつあります。

  商品名  
1コクヨS&T レーザーポインター サシ-41amazon.co.jp
2 コクヨS&T レーザーポインター サシ-81Namazon.co.jp
3 コクヨS&T レーザーポインター ELA-GU91amazon.co.jp
4 コクヨS&T レーザーポインター サシ-51Namazon.co.jp
5 KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW2amazon.co.jp
6 I-O DATA USBマルチカード リーダー・ライター USB2-W33RW/Bamazon.co.jp
7 KOKUYO レーザーポインタ サシ-81 amazon.co.jp
8 アルカリ乾電池単五2本シュリンクパック LR1XJ/2Bamazon.co.jp
9 Microsoft Wireless Notebook Presenter Mouse 8000 9DR-00003amazon.co.jp
10 KOKUYO プレゼンテーションマウス EAM-ULW1Namazon.co.jp

2009.07.02

本の紹介「バリの賢者からの教え」

「バリの賢者からの教え~思い込みから抜け出す8つの方法~L’homme qui voulait etre heureux」

著者:ローラン・グネル、出版社:二見書房 (2009-03-02)、ASIN:4576090178【amazon.co.jp】【bk1】【目次】

私も、時々、自己啓発というか、スピリチュアルな本を読みます。最近、とてもよかった本を1冊紹介します。

パリ在住の教師の男性が、バリ島を旅行をした際に、伝説的な治療師である「賢者」の元を訪れ、1週間の過程で、自分の思いこみから解き離たれるという1冊です。

たまたま、私の悩んでいることにずばり回答してくれたので、珍しく、3回も読み返しました。

読みやすいですし、それほどスピリチュアル過ぎなくて、おすすめ。


2009.06.15

本の紹介「越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文」

「越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 (ディスカヴァー携書)」

著者:越前 敏弥、出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン (2009-02-18)、ASIN:4887596898【amazon.co.jp】【bk1

この文訳せますか?

I waited for fifteen minutes - they seemed as many hours to me.

という帯の宣伝文句に惹かれて、買ってしまいました。

本書は「ダヴィンチコード」などの翻訳で有名な翻訳家で、長年の翻訳学校で教えた経験から、「日本人にとって誤訳しやすいパターンの英語」を集め、それを解説している本です。

Some women often complain about what they feel is unjust.

とか、難しい単語はないけれど、誤訳しやすい文章のオンパレード。

しかし、私は、数ページめくったときに、激しいデジャブのような感覚に襲われました。これは、私が、大学受験の時に使っていた、伊藤和夫先生の「英文解釈教室」の世界だと。そうしていたら、案の定、後ろのページにある著者のインタビューで、この本は、伊藤和夫先生の「左から右へ訳す」という教えそのものであると告白されていました。

なんか、25年前の風景が思い出されました。伊藤和夫先生は、駿台予備校の名物英語教師。正直言って、授業はそんなにすごくはなかったような気がしましたけど、伊藤先生の英語構文読解の理論とそれを表した著作は、本当に、繰り返し勉強しました。

この本の趣旨とは違うのでしょうけど、とても懐かしく感じてしまいました。


2009.05.19

本の紹介「EndNote100の裏ワザ」