2011.06.13

本の紹介「ガー・レイノルズ シンプルプレゼン」

「ガー・レイノルズ シンプルプレゼン」

著者:ガー・レイノルズ、出版社:日経BP社 (2011-03-31)、ASIN:4822230546【amazon.co.jp

この本は、「プレゼンテーションZEN」のダイジェスト版のような本です。実は、本を読んだまま、付属のDVDを見ないで放置していたのですが、ちょっと時間があったので、見てみました。

このDVDは日経ビジネスアソシエが主催したガーレイノルズのプレゼンテーションに関するプレゼンテーションでした。90分近くでかなりボリュームがあります。DVDを見て気づきました。この本自身、このプレゼンテーションを編集部の人がテープ起こしして、少し書き足したんだなと言うことです。

というわけで、本の作り方は安易ではありますが、このDVD自体は、プレゼンテーションZENのコンセプトを気軽に知るにはとてもよいものであります。ガーレイノルズは英語で話していますが、非常にわかりやすい英語ですし、日本語字幕も付いています。ガーレイノルズのプレゼンテーションは、もっとストイックなものなのかと思っていたのですが、非常にナチュラルでハートウォーミングな印象でした。

そう言えば、DVDを見ていて気づいたのですが、ガーレイノルズのプレゼンテーションの最前列に、黒川清先生が座ってらっしゃいますね。そういえば、最近は、PowerPointを使わないプレゼンテーションにされるなど、確かに、プレゼンテーションZENに影響されているのかもしれません。

ガーレイノルズの著作は、原典と呼ぶべきものが、「プレゼンテーションZEN」(紹介記事)、その後、デザインに特化した「プレゼンテーションZenデザイン」が出ました。そして、三作目の「Naked Presenter」は「裸のプレゼンター」として、7月8日に出版されます。これも、楽しみですね。私は予約しました。


2011.06.02

iPhoneでプレゼンテーションが可能になった

iPad版として発売されていたKeynote - Apple®が、バージョン1.4からiPhoneにも対応するようになりました。iPadでのプレゼンテーションについては、以前、「iPadを使ったプレゼンテーション」という記事を書きましたので、ご覧下さい。

また、1200円払わなきゃいけないのかなと思って、iTunesストアで、購入したら、「すでに前のバージョンを持っているので、無料です」というコメントが出ました。

iPhone上での使い方は同じなのですが、やはり、iPadに比べて画面が小さいですから、iPhone上でプレゼンテーションを作るのは事実上無理。PC側でKeynoteまたはPowerpointでプレゼンテーションファイルを作っておいて、iPhone上で少し修正するのが限界ですかね。

さっそく、プロジェクターにつなげて確認してみたら、無事投影できることがわかりました。VGA接続ケーブルもiPadのものがそのまま使えました。

昨日、iPhoneで使えることを知って、いきなり、今日の薬学部の授業で使ってみました。まぁ、1コマ全部をiPhoneでやろうというわけではなく、「つかみ」のために、少しだけ使ってみようと思ったわけです。

しかし、VGAケーブルが固くて、すぐにケーブルが外れてしまい、グダグダになったので、すぐにMacbook Airに変更。プレゼンを進めるのも両手になりますし、見た目もあんまりクールではありません。

ということで、バックアップくらいに考えておくのがいいのでしょうか。

2010.12.16

メディカルプレゼンテーションのリソース

噂通り、とても充実した富士研WS終了。

私の新しいキャリアの1年目の最後を飾る充実したWSでした。医学教育に関わる方、みなさんにおすすめです。いつも希望者が定員を上回っているようなので、希望者全員が受けられるわけではないようですが。

さて、富士研WSでは、3分間プレゼンテーションの実演をおこないましたが、私のおこなった3分間プレゼンテーションを多くの方に褒めて下さいました。参考にしているサイトや書籍を教えてほしい、と言うことだったので、メモがてら。

プレゼンテーションに関して、私にもっとも影響を与えた一冊と言えば、やはり、「プレゼンテーションZEN」でしょう。ZENの考え方を、そのままメディカルプレゼンテーションに使うのは難しいと考える人もいるでしょうが、その考え方を応用することは不可能ではありません。是非、多くの方に読んでいただきたい一冊です。

最近見つけた、「〈JJNスペシャル〉医療者のための伝わるプレゼンテーション」は、看護雑誌のMOOKですが、かなりいい本だと思います。メディカルプレゼンテーションの本としては、 初心者から、中上級者までをカバーする一冊。

そして、上級者を目指すなら、TED。これは、かなり高度なプレゼンテーションの集まりですが、とてもInspireされます。日本語字幕付きもあります。

メディカルプレゼンテーションについては、一度、自分の頭を整理する上でも、まとまったアウトプットをしてみたい気持ちがあります。

2010.08.29

SANWA SUPPLY MA-WPR2 プレゼンテーションマウス

以前から「マウス機能の付いたレーザーポインターは、あんまり好きではない」とお話ししてきました。でも、コンピュータの使い方を画面で説明するときとか、動画を使ったプレゼンテーションには便利です。というわけで、レーザーポインタマニアとしては、試してみなければと思い、最近話題になっているSANWA SUPPLY MA-WPR2 プレゼンテーションマウスを買ってみました。

SANWA SUPPLY MA-WPR2 プレゼンテーションマウスは、空中で使えるワイヤレスマウスです。多くのマウス機能付きのレーザーポインターは、ボタンでマウスの位置を動かすため、かなり、扱いづらかったのですが、SANWA SUPPLY MA-WPR2 プレゼンテーションマウスはジャイロセンサー(動きを感知するセンサー)でポインターを動かせるため、自然な動きで、ポインターが動かせます。

デザインはもなりかっこいいです。電池式ではなく、充電式です。これは、いい部分もあれば、悪い部分もあって、プレゼン中に、万一バッテリーが切れたらアウトという意味では、私としては、電池式の方が安心感があります。

私はてっきりレーザーポインター付きだと思っていたのですが、レーザーポインターはついていません。画面に映る、ポインターをソフトによって、レーザーがあたっているかのように強調する機能があるのです。さらに、ポインター機能以外に、赤線を引いたり、スポットライト効果など、様々な効果が使えます。実例としては、サンワサプライのページにある動画を見ていただくのがいいと思います。

ジャイロセンサーの精度が、本商品の使い勝手のかなりの部分を占めると思うのですが、ジャイロセンサーは違和感ありませんでした。

ただし、残念ながら、Macでは使えません。PowerPointの「進む」「戻る」はもちろん可能ですが、ポインターの形とかをコントロールするのは、付属ソフトzmotionが必要なので。でも、このソフトが、Windowsしか対応していません。

というわけで、Windowsをお使いで、プレゼンテーションでマウス機能が必須という人にはお勧めします。

リモコン付きレーザーポインターのまとめのページもご覧下さい。

2010.08.27

本の紹介「プレゼンテーション Zen」

「プレゼンテーション Zen」

著者:Garr Reynolds、出版社:ピアソンエデュケーション (2009-09-07)、ASIN:4894713284【amazon.co.jp

実は、この本、2年前に購入して、イマイチと思って、捨ててしまった。「プレゼンテーションZenデザイン」が出たので、もう一度買い直して読んでいる。今回読んだら、むちゃくちゃおもしろい。ちょっと、力をこめてレビューを書く。

なぜ、1回目と2回目の印象がこんなに違ったかというと、答えは明白である。第1回目の時、私は、プレゼンテーションの技法を求めて、本書を買い求めたわけだが、本書はプレゼンテーションのメソッドについては、ほとんど触れていない。そして、その当時は、まだ、私が、この本の提唱するプレゼンテーションを受け入れられるだけの準備が出来ていなかったということであろう。

本書は、禅についての本ではない。本書はコミュニケーションの本であり、プレゼンテーションをいつもと少し違った、現代に即した視点から眺めようとする本である。この本のメインテーマは「今日のPowerPointプレゼンテーションの常識に意義を唱え、プレゼンテーションのデザインや実施について、発想の転換をうながすこと」である。

さて、「今日のPowerPointプレゼンテーションの常識」とはなんなのか?

著者は、PowerPointの間違った使い方として、もっとも多いもの、もっとも深刻なものとして、PowerPointを文書作成ソフトウェアのようにして使っているということを指摘している。本来、Wordにまかせるべき、文章作成をPowerPointでやってしまっている。そこで、おこる一番の弊害は、プレゼンテーションを考え始める一番初めの段階から、いきなり、PowerPointで、箇条書きで作り始めるというものである。

本来、プレゼンテーションの作製というのは、創造的なものであり、プレゼンテーションの作製のファーストステップは、むしろ、コンピュータの前から離れて、紙と鉛筆で、一人静かな時間の中で始めることをすすめている。

PowerPointはメソッドではない。それはツールであり、適切なメソッドで使用すれば功を奏し、不適切なメソッドで使用すれば役に立たなくなるものである。

ついにPowerPointを捨てる日が来たのか?そうとは言い難い。しかし、PowerPointとKeynoteの両方で使われているありふれた箇条書きテンプレートについては、とっくに捨て去ってもいい頃である。さらには、プレゼンターが話しているのと同じ情報を文字という形でスライドに映し出すことは、通常は役には立たず、むしろメッセージの妨げになるということにも、そろそろ気づくべきだ。

口頭による優れたプレゼンテーションと、うまくまとめられた文書は全くの別物である。PowerPointを文書作成ソフトウェアとして使って出来上がったプレゼンテーションは、伝えたいメッセージがはっきりとしない、あれもこれもといった焦点のぼけたプレゼンテーションになってしまう。

著者は、決して、PowerPointなしのプレゼンテーションをすすめているわけではない。PowerPointのスライド枚数も、少ないに超したことはないが、ケースバイケースで多くても構わないといっている。大切なことは、いかに、伝えたいメッセージを伝えるかということに集中するかである。

最近、黒川清先生が、PowerPointを一切使わないプレゼンテーションをされたのを観た。では、私がPowerPointを使わないプレゼンテーションは可能だろうか。あっ、ちなみに、私はスライドウェアとして、Keynoteを使っているので、PowerPointは使っていないのだった。そういう、ことではなく、私はスライドなしで、プレゼンテーションができるだろうか。

それに対しての著者の薦めは、詳細な配付資料を作成し、スライドを出来るだけシンプルにするということである。ただし、配付資料として、スライドを印刷したものを配ってはいけない。スライドは、そもそもハンドアウトに適さないし、ハンドアウトに適したPowerPointはそもそもプレゼンテーションとして体をなしていないのである。詳細な配付資料を作成し、スライドを出来るだけシンプルにする、自分の伝えたいメッセージを伝えることに集中することを勧めている。

スピーチは出来るだけ短く、しかも効果的に物語を伝えられるものにする。そして、プレゼンテーションの準備をした後、内容を見直し、徹底的な編集作業を行うこと。自分の論点やスピーチの目的に書かせない要素でなければコンテンツから外してしまう。情け容赦は無用である。映画のシーンでも、監督は、そのシーンが技術的な見せ場だったり、あるいは撮影が非常に大変だったりしたために、どうしてもカットする気になれないことがある。それと同じで、そのような発表者の思い入れで、聴衆にとっては、不要なスライドを削ることができない。

まずは、プレゼンテーションに際して、詳細な配付資料を配ろうと思う。そして、スライドの枚数を半分にしてみよう。きっと何かが変わるはずである。

スライドのデザインについては、第6章、第7章で述べられているが、相当にレベルが高いもので、すぐに取り入れるのは難しい。一方、プレゼンテーションの現場でのアドバイスは、もう少し具体的だ。プレゼンテーションの現場では、演台に立たないこと、リモコンを使う事(マウス付きより最低限の、進む、戻る、切るだけの方がよい)、照明は消さないこと。

第8章の「完全にその場に集中すること」は、おそらく、プレゼンテーションZENのきわめて重要な章であろうが、残念ながら、現在の私には、それを受け止める準備が出来ていないようである。今度は捨てないで、本書を本棚に置いて、8章が私の心に響く日が来るのをまとう。

この本の考え方はすべての人に読むことを勧めたいが、読む人の心の状態によっては、この本が主張していることは響かないかもしれない。でも、この本を理解できる日が来るまで、待つことをおすすめする。特に、ある程度経験がある方たちのプレゼンテーションを見つめ直す格好の材料になると思う。


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