「学会・論文発表のための統計学」

年に数回むらむらとわき上がる統計勉強熱。いつも不完全燃焼で終わってしまうのですが、今回は、、、、。

『学会・論文発表のための統計学 統計パッケージを誤用しないために 』
著者: 浜田 知久馬、本体価格: ¥3,200、出版:真興交易(株)医書出版部、ISBN:4-88003-602-1、発行年月:1999.10【bk1】【amazon.co.jp

この本は統計パッケージに頼って統計解析をおこなっている研究者がおちいりやすい盲点について解説した本です。この本を読んだからといって、統計解析ができるわけではないですが、統計パッケージに頼りきりになって、闇雲に星印をつけている人にはハッとすることも多いでしょう。とても読みやすい本で、私も1日で読み切ってしまいました。私としては、第4章の多重性と多重比較はとても役立ちました。

3群以上の比較にt検定を複数回繰り返すということは統計的に間違い(第1種の過誤を増大させる)であることはよく知られていますが、では、多重比較をどのような検定方法でおこなえばいいのかというと、実はなかなか難しく、基準群が存在して、他のすべての群とを比較するならDunnett検定、Scheffeが使える条件はかなり緩いけれども検出力が低い、Duncan法はt検定を繰り返すのと同様に第1種の過誤が大きくなってしまい不適切な方法であることが知られている、というわけで、一般的にはTukey法が使うことが多いとのことです。また、群間に用量による単調性があれば、Williams検定が検出力が高い。

などということが書いてあります。ちなみに、他の本によれば、最近ではHolmの方法が汎用性が高く、検出力も高いという話もあります。この辺は、生物学の論文でも非常によく使う方法で、私ももっと勉強しなければならないですね。というわけで、ちょっと難しめの本のようですが、これしかないという名著だそうで、以下の本にチャレンジしてみようかと思っています。

『統計的多重比較法の基礎』
著者:永田 靖、吉田 道弘著、本体価格: ¥3,800、出版:サイエンティスト社、ISBN:4-914903-46-6、発行年月:1997.11【bk1】【amazon.co.jp

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