GraphPad Prism

Statviewが開発を中止して以来、Mac愛好家は統計ソフト難民となってしまいました。選択肢としては、

  • Classic環境でStatviewを使い続ける。
  • JMPに乗り換える。
  • Prismに乗り換える。
  • Excelのアドインソフトに乗り換える。

これまで、私はClassic環境でStatviewを使い続けていたのですが、いよいよIntel MacではClassic環境が動かなくなるために他の統計ソフトへの乗り換えをを考えなければいけない時期になりました。Statviewを開発していたSAS InstituteはStatviewの後継ソフトとしてJMPを紹介していましたが、JMPは探索型のソフトウェアで、Statviewとはかなり操作性が異なる印象があります。というわけで、もう一つの候補であるPrismのDemo版を手に入れて試してみました。

PrismGraphpad PrismはUCSDの薬学研究者であったMotulsky博士が作った統計ソフト、医学生物学における統計解析にフォーカスしているため、生存率解析などの統計解析がそろっています。残念ながら日本語化はされていません。Graphpad社、または、日本の代理店((有)エムデーエフ)から購入できます。Prismに関する書籍は現時点では発行されていませんが、日本の代理店を通して購入した場合は日本語のマニュアルが添付されています。Mac版とWindows版があり、どちらも、価格は$495(アカデミックプライスは$445.50)、日本の代理店から直接購入した場合は、¥79,380です。

統計ソフトはどれもそうなのですが各ソフトによって手順や操作性が異なります。Statviewに慣れていた私にはPrismの最初のデータテーブルの作り方からして、とまどいました。しかし、Statviewとの手順の違いに慣れてしまえば、インターフェースを含めとても使いやすいソフトだと感じました。統計解析の手法も私が使う範囲ではほぼ十分だと思いました(唯一、ANCOVAがないのが残念でした)。優れていると感じたのは、データセットに対して適切でない統計解析法は選択できないようになっていることです。また、グラフのクオリティは他の統計ソフトに対する大きなアドバンテージだと思います。

一つだけ、とても気になったのは、多重比較をおこなった際にp値が<0.05と表示されるだけで、実際のp値が出力されないという点です。多重比較というのは、非常によく使う解析法なので、この点が改善されないと私自身、乗り換えることができません。もし、実際のp値を出す方法をご存じの方がいらっしゃれば、是非教えて下さい。

昨年、アップル-MedicalでPrismが取り上げられましたので、是非読んでみて下さい。

アップル - Medical - Prism:医学統計解析をインタラクティブに処理

上記のp値の問題があるので、私自身は、完全に乗り換える決断は下せませんが、30日間のDEMO版がダウンロードできますので、気になる方は試してみて下さい。

なお、以下の書籍はPrismの解説書ではありませんが、Prismを開発したMotulsky博士の書で、統計の書籍として人気のある本です。

「数学いらずの医科統計学 〜コンピュータ・エイジのための統計学指南」

著者:Harvey Motulsky、津崎 晃一監訳、税込価格: ¥4,935 (本体: ¥4,700)、出版:メディカル・サイエンス・インターナショナル、ISBN:4-89592-175-1、発行年月:1997.12 【bk1】 【amazon.co.jp


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