プレゼンテーションデザイン:背景色をどうするか?(2)

プレゼンテーションデザインの2回目です。

■白を背景色に使う場合のメリットとデメリット

最近のデジタルプレゼンテーションでは、白を背景色として使う人も増えてきているよです。しかし、背景色として白を使うことに否定的な方もいるようです。

白を背景色として使うことに否定的な人の最大の理由は、「暗い部屋で背景色に白を使ったスライドを映すと聴衆はまぶしく感じる」というものです。一方で、「以前はプロジェクタの性能が悪かったので、ブルースライドの方が好ましかったが、最近のプロジェクタでは、白を背景にしても問題ない」とする意見もあります。これらの根拠をいろいろ調べてみましたが、結局、わからずじまい。ご存知の方がいらっしゃれば教えてください。

とりあえず、私が感じている範囲でまとめると、白を背景色として使う場合のデメリットは、

  • まぶしく感じる。(部屋の照明やプロジェクタにもよるのでしょうが)
  • 白の背景色に蛍光写真などの暗い写真を貼り付けた場合には、写真が見づらいという欠点があります。
  • 白背景のスライドの色味はプロジェクタの性能にかなり影響を受けます。

一方で、白を背景色を使った場合に、明らかなメリットもあります。

  • 文字色を黒とすることで、明度差が高く、認識度の高いスライドが作れます。
  • 図版を書籍などからスキャンして貼り付ける場合に、貼り付ける図の背景色がスライドの背景色と同じになるために、きれいです。
  • プレゼンテーションを資料として白黒印刷して配布する場合には、スライドのイメージがほぼそのままに保てます。

私は、最近、スモールグループでの講義などには好んで白色背景のスライドを使っています。ただし、全面、白色ではアクセントがないので、タイトルの背景は色をつけて、タイトルの文字色は白色としています。右の図のようなデザインです。


■背景色を白にするのか暗い色にするのか

では、結論として、背景色として白と暗い色のどちらがいいのか?使い分けの基準はあるのか?私自身いろいろ考えてみましたが、現時点では結論は得られていません。ブルースライドは欠点が少ないので、迷えばブルースライドにするのがいいでしょう。

背景色として白を用いることは、聴衆がまぶしく感じるので避けるべきだという意見があります。確かに、部屋の照明の状況などを考えると、聴衆がまぶしく感じるケースがないわけではないでしょうが、部屋の照明やプロジェクターの調整をおこなったり、順応現象によりそれほど問題にはならないと思っています。ただし、暗い背景色のスライドが続いているところに、いきなり白が背景色のスライドが出れば、まぶしく感じる可能性はあります。

濃紺または黒の背景色は大きな部屋でのプレゼンテーションに向いていて、白の背景色は小さな部屋でのプレゼンテーションや授業に向いている、という意見があります。確かに、これはひとつのクライテリアだと思います。

私としては結論は出せていませんが、現時点では白の背景色と濃紺系の背景色をケースバイケースで使い分けていこうと考えています。

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