本の紹介「健康・老化・寿命」

「健康・老化・寿命」

著者:黒木 登志夫著、税込価格:¥924、出版:中央公論新社、ISBN:4121018982、発行年月:2007.5【bk1】【amazon.co.jp】【目次】

黒木登志夫氏は、癌研究者であり、現在は、岐阜大学の学長として独立法人化に伴う改革に精力的に尽力されています。

本書は、「寿命のある内に、自分なりの視点で、健康な人が年をとり寿命に達するまでを本に書こうと思っていた」という長年の著者の思いがまとまった一冊です。個人的好奇心、そして知的好奇心の赴くまま、病気、老化、寿命について考え、専門家の教えを請いながらまとめたものであります。時間の軸、生態学、科学者達のドラマ、文学という4つの視点から書かれています。

私この手の本は苦手で、買っても数ページ読んで放り出してしまうので、最近は買わないようにしていたのですが、黒木先生の朝日メディカルのコラムが好きだということもあって買ってみました。この手の本としては珍しく、飽きずに最後まで一気に読めてしまいました。個別の問題を突き詰めず、常に大局的な視点に立っていること、そして、黒木先生の文才によって、このようなできになっているのだと思います。最新の科学の成果も入れながら、大局的に「健康・老化・寿命」について紹介した本としては傑出のできだと思います。

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