本の紹介「失われゆく鮨をもとめて」

「失われゆく鮨をもとめて」

著者:一志 治夫、出版社:新潮社(2006/11/29)、ASIN:4103031514、価格:¥ 1,470(税込) 【amazon.co.jp】【bk1

何年か前までは、肉、肉、肉、と肉のうまい店を探していたが、年を取ったのか、最近では、あまり、肉を食べたいと思わなくなってきた。少し、贅沢をしようと思うと、最近では鮨を食べることが多い。回転寿司を食べないわけではないが、握り手と客のあいだに緊張感のあるカウンターで食べるのが好きだ。結構、値が張る店に行っても、握り手がだれていたり、周りの客がだれていると、鮨の味はそれなりの味になってしまう。本当に、満足できるのは年に数回である。

今回書店で気になって手にした『失われゆく鮨をもとめて』を購入に至ったのは、前書きに、著者が高得点を与えた寿司屋の名前が列挙してあったというひどく下世話な理由である。ちなみに、著者が自分の鮨ノートに高得点をつけたのは、四谷「すし匠」、銀座「さわ田」、学芸大「富源」、銀座「鮨 水谷」、新橋「しみず」、神泉「小笹」、神泉「秋月」、人形町「き寿司」であった。もちろん、この本で取り上げる目黒の住宅街にある鮨屋も高得点を得ているのだが、名前は本書では伏せられている(Googleを使えば簡単に店の名前を知ることはできる)。

本書は、その目黒の鮨屋の親方、佐藤衛司とともに、食材を訪ねて利尻、鹿嶋、勝浦、能登、築地、伊豆、奥志摩を旅する本である。鮨をもう一段知るためには、とてもよい本である。この本を読んでから、鮨屋に行けばきっと楽しくなるであろう。


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