「理系のためのMacで始める研究生活」

「理系のためのMacで始める研究生活」

著者:多田真作著、税込価格:¥ 924(本体:¥ 880)、出版:講談社、ISBN:4062574543、発行年月:2004.09【bk1】【amazon.co.jp】【目次

理系の研究者の中でも、シェアの下がっているMacの解説本をこの時期に、しかもブルーバックスから出すということで、かなり意欲的な本です。macオタクを自称する私は迷わず買いました。著者の方は研究者を中心としたマックのユーザーグループLaboFinderの代表を長い間務めていた方です。

著者の方は化学が専門とのことで、私たち医学生物学が専門の研究者とは使うソフトも思いの他、異なっていますし、シェアウェア、フリーウェアを中心に紹介するというものなので、比較的多くのソフトを使っているつもりの私でもほとんど聞いたことのないソフトが多く登場してきます。

「理系のためのMacで始める研究生活」というタイトルにつられて、医学生物学系の大学院に入り立ての方が購入したとしても、実践的にはあまり役立たないでしょう。化学分野の研究者でこれからMacを使おうという方には役立つのかもしれませんが、ソフトの使い方を説明するより、パソコンを使った知的生産技術の原理、仕組みの解説に力点を置いている本ですから、タイトルから受けるような初学者向きの本ではけっしてありません。原理、仕組みからさらに理解を深めたいという中級以上のMac使いの方のための本だと思います。

私の個人的な感想としては、他の分野の方がどのような使い方をしているのかを知り、また、MacのOSでのグラフィックの扱いの本質的な部分を学べたという点でてとも興味深かったとともに、ほとんどタイトルからは脱線した、将来的な学術論文のあり方について述べた第4章も興味深いものでした。

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