本の紹介「文系のための生命科学」

「文系のための生命科学」

著者:東京大学生命科学教科書編集委員会、出版社:羊土社(2008/02)、ASIN:4758107211、価格:¥ 2,940(税込) 【amazon.co.jp】【bk1】【目次

米国滞在中に、一般のアメリカ人のサイエンスに対するリテラシーが日本人に比べて高いと強く感じました。たとえば、サイエンスを扱ったテレビ番組やラジオ番組が日本に比べて圧倒的に多い。日常会話の中でサイエンスの話が登場することが多いです。一つ象徴的な例をあげると、『日経サイエンス』の発行部数が3万部に届かないのに対し、その姉妹書である『サイエンティフィック・アメリカン』の発行部数は70万部に達しているということです。国民性や、研究者側の努力が少ないなども原因なのでしょうが、よい入門書が少ないというのも原因の一つでしょう。

本書は高校以来、生物に接していないような方でも容易に理解できるような構成になっていて、特にニュースで取り上げられるような社会的関心の高いテーマを中心に解説されています。解説陣も一流であり、文系だけといわずに多くの人に読んでもらいたい一冊と思います。


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