本の紹介「裸のプレゼンター」

「裸のプレゼンター」

著者:ガー・レイノルズ、出版社:ピアソン桐原 (2011-07-08)、ASIN:4864010552【amazon.co.jp

本書は、プレゼンテーションZENで知られるガー・レイノルズのプレゼンテーション本の第3弾。1冊目が、プレゼンテーションZENの神髄とも言える「プレゼンテーションzen」、2冊目は、デザインに特化した「プレゼンテーションzenデザイン」。その後、入門書的な「ガー・レイノルズ シンプルプレゼン」という本が出ていますが、本作が実質的な3冊目と考えてよいでしょう。

さて、3冊目の「裸のプレゼンター」はどんな本かというと、非常に本質的、哲学的な本です。上級者向けの本です。前2冊、少なくとも「プレゼンテーションzen」を読んだことがない人には、何も響かないと思います。

プレゼンテーションzen」は、世の中にあふれているプレゼンテーションの価値観の破壊、プレゼンテーションをシンプルにすることを主張していました。「パワーポイントの死」と呼ばれることを中心として、まず、パワーポイントの呪縛から離れなさいという主張であったと思います。そして、この本では、パワーポイントの呪縛から離れて、プレゼンテーションとはなんなのかに迫った本です。前2冊が、プレゼンテーションの準備にほとんどページを割いていたのに対し、本書では、プレゼンテーションの実施にほとんどのページを割いています。

本書の主張をひとことでまとめるなら、「会話型のプレゼンテーションを目指せ」ということになるでしょうか。そのことを実践するための具体的な手法が事細かに示されているわけではありません。

私なりにこの本に書かれたことを実践するためには何をしたらよいか考えてみました。その結論は、以下の5つを実践することだと思います。

・PowerPointのテンプレートは使わないこと(使うのはすべて白紙のテンプレートのみ)
・箇条書きは使わないこと、
・アニメーションとページ切り替え効果を一切使わないこと
・演台を取り除いてステージの中央に立つこと
・プレゼンテーション中に、スクリーンを見ないこと

かなり、難しいでしょうが、上級者を目指す人は考えてみて下さい。上級者を目指すプレゼンターに本書をお勧めします。ただし、「プレゼンテーションzen」を読んでからです。


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