本の紹介「レジデントのための血液透析患者マネジメント」

レジデントのための血液透析患者マネジメント

著者:門川 俊明、出版社:医学書院 (2011-06)、ASIN:4260013874【amazon.co.jp

私の第6冊目となる著作です。6月15日に発売されていたので、早く、紹介しようと思っていたのですが、Amazonでのステータスが、ずっと、「一時的に品切れになっています」が続いていて(実際には、取り次ぎがまったく扱っていなかったのだと思う)、ここで紹介するのは、Amazonに入荷してからにしようと思っていました。今日見たら、大量といっても15冊ですが、入荷されていましたので、紹介文を書くことにします。

この本がどんな本であるかは、医学書院のサイトに、まえがき、目次が掲載されていますので、ごらんになって下さい。出版に当たって、読者対象をレジデントに絞った方がよいと言うことになったので、「レジデントのための」とタイトルに付けていますが、私が初めに付けたタイトルは、「非専門家のための血液透析入門」というものでした。医学書店に行けば、透析の書籍が非常にたくさんありますが、実は、すべての本が「専門家のための 」本です。しかし、今の時代、自分は透析にはかかわらない分野を専門にしているつもりでも、実際には、透析患者を受け持つことが多くなっています。専門家でなければ、血液透析お手上げとなる事が多いでしょうが、主治医が血液透析患者のマネジメントをわかっているかどうかは、患者管理において、きわめて重要だと思っています。すべての医師が血液透析を施行出来る必要はない。けれども、すべての医師が血液透析患者をマネジメントすることが必要なのです。だから、本書の対象者はレジデントを含めた透析非専門医ということになります。専門家でない人向けなので、わかりやすく書くことを心がけましたが、決して、内容は薄っぺらなものではありません。本格的なものですので、透析専門医の人にも十分お役に立てるものだと思っています。

この本にかけた自分の思いを少し紹介したいと思います。

私は、これまで、「研究留学術」、「透析導入テキスト」、「バイオ研究がぐんぐん進むコンピュータ活用ガイド」、「Illustratorのやさしい使い方から論文・学会発表まで」、「医師のためのモバイル仕事術―iPad/iPhoneを使い倒す!」の5冊の書籍を上梓していて、この本が6冊目となります。しかし、本書は、自分の中では特別な意味のある一冊です。

これまでの5冊は、すべて、他の方の力を借りて、書き上げたものです。「研究留学術」は実質的には単著なのですが、研究留学の仲間たちに留学談を書いてもらったので、全部が自分の筆によるものではありません。今回は、完全なる単著です。前から、すべてを一人で書き上げた本を出版したいと思っていました。

また、これまでの5冊は、すべて、自分が企画したものではありませんでした。そういえば、「透析導入テキスト」は、自分で出版社を探したのでしたが、他の4冊は、出版社の方から話を持ちかけられたものでした。今回は、どうしても、売れて欲しい。自分でも売れる本にできる自信があったので、自分で出版社探しをしました。あえて、一番大きな出版社、「医学書院」にお願いしました。

今回は、初めて自分の本業の内容で書きました。臨床において、門川が専門にしているのは何なのか、そんな名刺代わりになるものが欲しかったと言うこともあります。私は、アメリカから帰国して、8年間、血液透析を生業としてやってきました。今でも、血液透析の仕事は続けていますが、本業は医学教育になりました。だから、自分の中で区切りをつけ、自分が経験したもの、学んだものを、一度、まとめたい、そういう思いで、書きました。

一人でも多くの方に読んでいただきたいと思います。


アーカイブ

過去ログ一覧