2020.10.01

本の紹介「電解質輸液塾第二版」

改訂版出来! たくさん刷ったので買って下さい。

電解質輸液塾第2版にあたってのご挨拶を転載します。

「電解質輸液塾」の第1版を出版したのが2013年3月。水・電解質の領域は、新しい薬がどんどん出て、ガイドラインが改定されるような領域ではないから、当分、改訂版は出さなくてもよいと思っていました。

2018年に、機会があり、水・電解質の2大教科書の一つである「Fluid, Electrolyte, and Acid-Base Physiology」を翻訳し、「ハルペリン 病態から考える電解質異常」としてメディカル・サイエンスインターナショナル社から出版させていただきました。この本は、難解であることで知られていますが、この翻訳作業を1人で行うことによって、自分の中の、水・電解質の考え方を再構成することができたと思っています。

ハルペリン翻訳後に、「電解質輸液塾」を読み直してみて気づいたのは、ハルペリンの教えを取り入れたとしても、「電解質輸液塾」は、ほとんど変更不要であるということでした。初学者どころか、腎臓専門医にも十分通用するものであり、水・電解質を学ぶには、ベストな本であるという結論に達しました(自画自賛ですいません)。

一方で、修正したり追加しなければいけないことも出てきました。Kの腎排泄の制御には、生理学で大きな進歩があったので、「尿細管でのK排泄制御の生理学(上級編)」を追加しました。初版に掲載していたTTKGは開発者のハルペリン自体が間違っていたので、もう使わないでくれと言っているので、削除しました。また、この7年間、水・電解質を学生達に教えている中で、気がついた、わかりやすい説明とかも取り入れてブラッシュアップしました。

ということで、本全体にわたってブラッシュアップしましたが、この本の本質は変わりません。改訂版と言うにはおこがましいレベルではありますが、ここに、最新の知見も入れた「電解質輸液塾改訂2版」をお届けできることをうれしく思います。

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