本の紹介『モチベーション3.0』

医師のキャリア、生涯教育について、Facebookに1週間ほど前に以下のように書きました。

従来、頼りになった組織は、これからは、だんだん、危うくなっていくので、ゆるやかなつながりを大切にしていきたいと思います。また、そのような社会の変わり目に対応できるような柔軟さを身につけていなければいけないと思います。そして、今まで高いハードルだと思っていたものはずいぶん低い垣根になっているので、勇気を持って飛び越えられるしなやかさを持ち続けていたいと思います。

そしたら、一つ、質問されました。「組織が頼りにならなくなり、つながりと言っても、そちらもずいぶん頼りがいがなさそうに思えます。今後、どうやって、自分のキャリアや学習を考えていけば良いのでしょうか?」。答えになっているかどうか分かりませんが、是非、ダニエルピンクの書いた、『モチベーション3.0』を読んでみて欲しいと思います。

彼の主張をまとめておきます。

社会や人を動かす基本ソフト(OS)として、人類最初のものは、生存を目的とする原始的なものだった。生理的動因がすべての行動を規定していた。この初期のOSをモチベーション1.0と呼ぶことにする。19世紀以降、いわゆるアメとムチに基づく、与えられた動機づけによるモチベーション2.0が導入された。このOSはルーチンワーク中心の時代には有効であったが、21世紀を迎えて機能不全に陥っている。21世紀のモチベーションは自分の内面からわき出る「DRIVE」に基づく、モチベーション3.0が有効である。モチベーション3.0には三つの重要な要素がある一つは、自律性(オートノミー)、自分の人生を自ら導きたいという欲求のこと。二番目は、熟達(マスタリー)、自分にとって意味のあることを上達させたいという衝動のこと。三番目は目的、自分よりも大きいこと、自分の利益を超えたことのために活動したい、という切なる思いのこと。

もちろん、社会の組織が、いきなり、すべてモチベーション3.0に置き換わらないと思っています。でも、モチベーション3.0的な考え方を身につけることは、これからの世の中を渡っていく、しなやかさを身につけることに必要なことと思います。

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