2004.10.30

実験動物取り扱いについての書籍

マウスの扱い方や、解剖、採血の仕方、私の分野でいえば血圧の取り方などは、あまりに当たり前すぎて、こういったことを扱っている書籍も少なく、研究室の上司から秘伝の方法として代々研究室内で引き継がれているというのが現状ではないでしょうか。しかし、他の研究室の人と話をしてみると、ずいぶん違う方法でやっていたりして驚くこともしばしばです。

実験動物の基本的な取り扱い方をまとめた本は少なく、たいてい数年で絶版になって手に入らなくなるので、見つけたら買っておいて損はないと思います。

「実験動物の技術と応用 入門編」

著者:日本実験動物協会編、税込価格:¥ 5,775(本体:¥ 5,500)、出版:アドスリー、ISBN:4900659444、発行年月:2004.05【bk1】【amazon.co.jp】【目次

齧歯類のみならず、中型動物の取り扱いにまで言及している書物は少ないです。


「実験動物の技術と応用 実践編」

著者:日本実験動物協会編、税込価格:¥ 10,290(本体:¥ 9,800)、出版:アドスリー、ISBN:4900659452、発行年月:2004.06【bk1】【amazon.co.jp】【目次

齧歯類のみならず、中型動物の取り扱いにまで言及している書物は少ないです。


「基礎と臨床のための動物の心電図・心エコー・血圧・病理学検査」

著者:菅野茂編・局博一編・中田義礼編、税込価格:¥ 5,250(本体:¥ 5,000)、出版:アドスリー、ISBN:490065938X、発行年月:2003.04【bk1】【amazon.co.jp】【目次

主要な動物種(マウス、ラット、ウサギ、イヌ、サル)を中心にして、それらの循環機能検査法に関する基礎的な考え方と技術を具体的に記述。


「マウスラボマニュアル 第2版」

著者:東京都臨床医学総合研究所実験動物研究部門編、税込価格:¥ 8,400(本体:¥ 8,000)、出版:シュプリンガー・フェアラーク東京、ISBN:4431710124、発行年月:2003.05【bk1】【amazon.co.jp】【目次

基礎技術よりも、遺伝子操作マウスなど新しめの技術についての記述が多いようです。


「マウス解剖イラストレイテッド」

著者:野村慎太郎著、税込価格:¥ 3,675(本体:¥ 3,500)、出版:秀潤社、ISBN:4879622494、発行年月:2002.05【bk1】【amazon.co.jp】【目次

はさみの入れ方から臓器の取り出し方まで、動画付きで初心者向きの本です。


「マウスの断面解剖アトラス 改訂版」

著者:岩城隆昌共著・山下広共著・早川敏之共著、税込価格:¥ 15,750(本体:¥ 15,000)、出版:アドスリー、ISBN:4900659584、発行年月:2002.12【bk1】【amazon.co.jp】【目次

ひたすらマウスの解剖図をのせるというアトラスです。自分が専門でない臓器を取り出す際にはこの手の本は非常に役立ちます。


「実験動物の断面解剖アトラス ラット編」

著者:早川敏之〔ほか〕著、税込価格:¥ 21,000(本体:¥ 20,000)、出版:チクサン出版社、ISBN:4885006295、発行年月:1997.12【bk1】【amazon.co.jp】【目次】

2004.10.28

科学研究費補助金データベース

日本の科研費も少しずついい方向に向かいつつあるというお話。

日本とアメリカのサイエンスの質の違いの原因となっているのは科学研究費制度にあるということは白楽ロックビル先生の名著『アメリカの研究費とNIH』bk1】【amazon.co.jp】を読んでいただけるとよくわかります(この本最近かなり手に入りにくくなっているようなので、見つけたら絶対買っておいた方がいいですよ)。

アメリカのサイエンスを支えているNIHの科学研究費分配のシステムのよい部分としては、

  • NIHにPOと呼ばれる専任のPhDを持つ審査官がいて、審査をオーガナイズしている。
  • スタディセクションと呼ばれる専門家による審査委員会で徹底的に議論して審査をする。
  • 審査結果を申請者本人に詳しく知らせる。その結果を元に再申請する道も残されている。
  • 研究費の分配状況がCRISPというデータベースで一般の人に公開されている。
  • 研究費から間接費や人件費を出すことができる。

などが、あげられます。

ひるがえって日本の場合は、というと、私が帰国してからは少しずつではありますが、制度が改革されています。

  • 審査結果がA,B,Cで本人に知らされるようになった。
  • 関係者の方からお話しを伺ったのですが、文部科学省の中に、40歳前後の若手の研究者がPOとして20名あまりいて、文部科学省で審査される大型案件の審査のサポートをおこなっているそうです。ただし、今のところ、POは非常勤。
  • 今年から、審査員の選定は学会への丸投げではなく、文部科学省、学術振興会の方で選出するようになった。
  • 大型の研究費では間接経費も認められるようになってきている。
  • 今年から、常勤の研究者でなく、非常勤の研究者にも科研費申請権を与えた。

まだ、表面的にアメリカのよいところをなぞっているだけといわれてしまえばそれまでですが、少なくとも、いい方向に向けて改善していこうという意識はあるようです。それから、最近、科学研究費補助金データベースというのが開設されました。今までも、NACSIS-IRというデータベースで、すべての科研費を検索できたのですが、登録が必要な上に有料だったのです。それを一般の人も見られる形にしました。NII学術コンテンツ・ポータルGeNiiもだいぶ充実していますのでご覧下さい。

2004.10.26

「市場原理が医療を滅ぼす」

李啓充先生の新しい本が出ました。

「市場原理が医療を亡ぼす」

著者:李啓充著、税込価格:¥ 2,100(本体:¥ 2,000)、出版:医学書院、ISBN:4260127284、発行年月:2004.10【bk1】【amazon.co.jp】【目次

現在の日本の医療は、医療機関経営への株式会社の参入容認、混合診療解禁の方向に流れています。しかし、日本に先んじて市場原理を取り入れた米国の医療はどうなったか。国民の7人に1人が満足に医療を受けられない無保険者となり、利益を追求するあまり「犯罪」をおかした株式会社病院など、アメリカの失敗を紹介することで、日本の経済界主導の医療改革に警鐘を鳴らしています。李啓充先生の著作は、ボストングローブ誌などローカルな新聞に取り上げられた事例を多く紹介しているため、具体的で説得力があります。本著の中で紹介されている「Cost, access, quality. Pick any two」という言葉は医療保険政策の本質をついた言葉です。コストを抑制してアクセスも保証して質もよくする、三つとも同時に達成することなど夢物語だと言っているわけですが、日本の医療はどの2つを選んでいるのでしょうか?

李啓充先生の他の著作

『市場原理に揺れるアメリカの医療』【bk1】【amazon.co.jp
『アメリカ医療の光と影』【bk1】【amazon.co.jp

もお薦めですが、個人的には、週刊文春に毎週連載されている『大リーグファン養成コラム』が一番おすすめだったりして、、、。

2004.10.24

焼き肉

5年ぶりに保土ヶ谷の焼き肉屋に。高級といわれる焼き肉屋も含め、ずいぶん焼き肉屋にも行きましたが、やっぱりここが一番おいしい。

現在、日本では、タンやハラミといった食材は非常に手に入りにくくなっていますが、分厚い生の上質なタンやハラミが出てきたのには驚きました。あるところにはあるんですね。

生肉しか使わないので、肉が薄く切れないそうで分厚い肉が出てきます。これだけの肉が都心のお店より安い値段で出てくる(同じグレードの肉を探してもなかなかないと思いますが、あったとしてもこの店の3倍くらいの値段になるでしょう)のですから、たまりません。欠点は唯一、我が家から遠いところにあるということ。

知り合いの方がやっているお店なので、お店の詳細はのせませんが、もしいってみたいという方がいらっしゃいましたら、直接私宛に問い合わせて下さい。

2004.10.22

日本プロ野球

研究留学ネットでは、基本的に時事ニュースに対するコメントは書かない。でも、現在の日本のプロ野球の醜態はひどい。自分の中の掟破りになるが、黙っていられない。

私は留学する1999年までは、熱烈な巨人ファンだった。夕方になれば、巨人戦の結果が気になり、当直室のテレビで経過をのぞかずにはいられなかった。もちろん、巨人が負けた日の機嫌は悪くなる。1994年巨人-中日の最終戦は手にあせ握り釘付けになった。原辰徳ファンであった私は、原辰則のサヨナラホームランに何度涙を流したことだろう。

まさか、自分が巨人ファンでなくなるなんて考えてもいなかった。きっかけは、アメリカで大リーグの試合を見たことである。球場に足を運び地元のチームを球場一丸になって応援する。選手はファンサービスに積極的。もちろん、プレー質は高い。留学中の2年半あまりで、10回近く観戦に出かけた。

帰国後すでに日本のプロ野球に情熱は失っていたが、帰国後1ヶ月で見た後楽園ドームの試合で、私のココロは1秒たりとも動くことはなく、日本のプロ野球への興味をすべて失った。

今年の、近鉄、オリックスの合併に始まる騒動の過程でよくわかったが、プロ野球というのは、ちょっと羽振りのいい企業が個人的に球団を持っているだけで、きわめて私物化された球団が集まって試合をしている興業であるということである。コミッショナーが本来は様々な最終権限を持っているのだが、この方まったく使い物にならない。

今回の巨人、西武、横浜、阪神のオーナーの辞任のみならず、同じ観点でいえば、おそらく、すべてのオーナーが辞任する事態になる可能性がある。

1リーグ制なんて甘っちょろい。いったん、プロ野球は中止して、選手を1球団に集めて、アメリカンリーグ西地区に参加してはどうだろうか?西地区は5球団で1球団はいる余地がある。

2004.10.17

モーターサイクル・ダイアリーズ

1週間ぶりのご無沙汰です。この1週間は試験勉強にいそしんでおりました。

ようやく試験勉強から解放されて、「モーターサイクル・ダイアリーズ」を見に行ってきました。この映画に関するロバートレッドフォード(この映画の製作総指揮)へのインタビュー記事を読んだのが、この映画を知ったきっかけでした。ただし、東京で上映している映画館は恵比寿ガーデンシネマ1館のみで、すごく混雑しているとの前情報。

試験を終えて、恵比寿ガーデンシネマにたどり着いた昼過ぎには、なんとか2つ先の上映に滑り込めたという状態。3時の時点では、すべての回がsold outになってしまいました。

この映画は伝説の革命家チェ・ゲバラの青年時代の南米大陸縦断旅行を彼の日記に基づき、きわめて忠実に再現した映画です。この旅行を通してチェ・ゲバラの中の何かが変わった、その何かを知りたい、そんな期待感で上映が始まるのを待ちました。

不幸にして私はチェ・ゲバラについて無知でしたが、それゆえに白紙の状態でこの映画を見ることができました。彼の日記に基づいて忠実に描かれているとのことで、下手な脚色は極力抑えられているところに好感が持てます。映像もきれいです。とてもよい映画だと思いますが、私としては、彼を変えた「何か」について、私自身圧倒されたいという気持ちがあったので、ちょっと淡々としすぎていたかなと。私の評価は星4/5。Yahooのレビューでも高得点をつけている方が多いようです。

映画を見終わって、エルネストとアルベルトの本人の写真を見てびっくり。よく似た俳優を選んだものです。

また、いつもの更新頻度に戻れると思います。

2004.10.09

ヨドバシカメラ4階三脚売り場

夏の花火大会でこりた私は、やっぱりいい三脚を買わないと駄目だなあと思っていました。今度は運動会。運動会の場合、三脚がおける場所が取れない可能性もあり、気持ちは一脚に惹かれていました。

三脚はどうせ何本も買うわけではないので、絶対にいいものを買うべきという先達のアドバイス、そして、買うなら、絶対にヨドバシカメラ4階の三脚売り場に行けというアドバイスをいただきました。ヨドバシカメラ4階の三脚売り場は所詮、三脚売り場ですから、お客さんはまばらなのですが、店員の気合いが入っていて、私も好感を持っていました。

お店にはいる時点では、一脚8、三脚2という感じでかなり一脚に心を決めていたのですが、声をかけた若い店員さんは見かけとは違って、こちらが素人丸出しの質問をしても、馬鹿にしたようなそぶりも見せず、三脚のイロハから僕にレクチャーしてくれました。

私の出した条件はD70で、300mmだがあまり重くないレンズをつけて、運動会で使いたいというものでした。確かに、一脚も悪くないのですが、三脚をこんな風にして、二脚として使ったりすることもできますよ、といろいろなテクニックを教えてくれました。せっかくならいい三脚も欲しいと思っていた私はこの時点ですっかり三脚になびいてしまいました。

三脚にするとなると、雲台は自由雲台にするか、それともスリーウェイ雲台にするか、カーボンにするか、アルミにするか、レバー式にするか、ナット式にするか、いろいろ選択肢があります。店員の方は自信を持って、僕の使い方ならばと、カーボンのナット式で自由雲台をすすめてくれました。すっかり、この店員さんに心酔していた私は、彼のお薦め通りに「カーボンマスター 714 FA」¥49,000也を購入しました。

せっかくだからと、クイックシューについてアドバイスを求めたら、本来1台のカメラなら必要ないが、一つおすすめがあるといって、出してきてくれたのが、「Novoflex MiniConnect MR quick release」¥8,925。これが使ってみると無茶苦茶使いやすい。おすすめです。

というわけで、この三脚売り場をみなが勧める理由がよくわかりました。もし、三脚を買われる方がいらっしゃれば、是非、ヨドバシカメラ4階の三脚売り場をおすすめします。

ちなみに、望遠ズームの方は、本当は「Nikon AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm F2.8G (IF)」が欲しかったのですが、さすがに手がでず、「TAMRON A061N AF28-300mm f3.5-6.3 XR Di ニコン用」を買いました。

さあ、明日はどうなるでしょうか。

2004.10.08

moleskine

2003年3月27日のWhat's new!でも紹介したRHODIAのノートパッドは今や私の生活になくてはならないアイテムになりました。

最近、文房具オタクの間で話題になっている本が「文房具を楽しく使う ノート・手帳篇」著者:和田哲哉著【bk1】【amazon.co.jpです。第2のRHODIAを発掘するために、さっそく読んでみました。和田さんはこの本で、「多ノート派」というスタイルを紹介されています。目的、使い方、カテゴリーにあわせて自由に複数のノートを併用するというスタイルですが、ちょっと私にはあわないかな、という感じ。スケジュール、To doリスト、その他リファレンスはPalmに詰め込んで、気楽なメモをRHODIAに書いて、破って捨てるというのが私の今のスタイル。つまり、残すべき情報はPalm かコンピュータに入ることになります。私としては、多ノートにしてしまうと、常に全部を持って歩くわけにはいかないし、どこに書いたのかわからなくなるというのが、心配です。

ただ、RHODIAのような書き捨てではなく、残しておける紙の手帳が1冊あってもいいかなと思い、この本で紹介されていたMoleskineのメモ・ポケッツ(スクエアノート)を買ってみました。Moleskineはゴッホがスケッチブックとして使ったとか、インディジョーンズが映画の中で使っていたという伝統のある手帳です。手触りのいいハードカバーとノートが開かないようにゴムがついているのが特徴です。

ただ、私の性格として、残す記録を書くとなると、何かかしこまってしまい、購入して1ヶ月近く経つのに、2ページしか埋まっていません。もっと気軽に書けばいいんですけど、、、。手帳は性分に合わないのかなぁ。

「文房具を楽しく使う ノート・手帳篇」

著者:和田哲哉著、税込価格:¥ 1,680(本体:¥ 1,600)、出版:早川書房、ISBN:4152085827、発行年月:2004.07【bk1】【amazon.co.jp

文具マニアの和田さんが書いた1冊。彼の文具への思いが詰まった「Stationary Program」 、こだわりの文具の通販サイト「信頼文具舗」もどうぞ。


2004.10.07

DVDが出てこない!

前から、スロットローディングってあまり好きじゃなかったんですよね。

現在のAppleのノートブック型コンピュータのCD/DVDドライブはスロットローディング方式になっています。ディスクを少し入れるとウィーンというすごい音がして、ディスクが吸い込まれます。サファリパークで網越しにエサをやっているような感じ(→こんな感じ)で、ちょっとこわいです。

今年から、D70で撮影することになり、下手な鉄砲数ウチャ当たるで、ものすごい勢いで、デジタルカメラで撮った写真が増えています。よく見たら、4Gにもなっているので、念のため、DVDに焼いておこうと思いました。

空のDVD-RをPowerBook G4 15inch Alminiumに入れてみたら、ウィーンといって、吸い込んだ後、うんともすんともいいません。ディスクが回っている音もしないので、こりゃダメだと思って、ディスクを取り出そうとしたのですが、強制排出の穴がありません。裏を見てもありません。そういえば、購入後ちょうど1年過ぎてしまった(つまり、保証期間が切れている)ことに気づいたりして、正直あせりました。

結局、あれこれググッて見て、どうやらPRAMのクリアをすると排出できるという体験談にたどり着きました。ウソか本当はわからないけど、試してみることにしました。本当はPRAMのクリアをしようと思ったのですが、間違えて、PMUのクリアをしてしまいました。本当はPRAMのクリアをして、駄目な場合は、PMUのクリアをするのが正しい手順のようです。

ともあれ、PMUのクリアをして、再起動をすると、ウィーンとディスクが出てきてくれました。こんなディスク捨てちゃわなければいけないのでしょうが、もったいないので、もう一回入れたら、今度は無事認識してくれました。

また、やっちゃうかもしれないので、PRMAのクリア法と、PMUのクリア法をメモっておきます。

PRAM および NVRAM をリセットする方法

  1. コンピュータの電源を切ります。
  2. 「Command」、「Option」、「P」、「R」の各キーの場所を確認します。手順 4 で、これらのキーをすべて同時に押します。
  3. コンピュータを起動します。
  4. 「Command」、「Option」、「P」、「R」のすべてのキーを押したままにします。グレイの画面が表示されるまでキーを押し続けます。
  5. コンピュータ が再起動し、起動音が 2 回聞こえるまで、キーを押し続けたままにします。
  6. キーを放します。

PowerBook および iBook のパワーマネージャ (PMU) のリセット

機種によって異なります。PowerBook G4 (15-inch FW 800)の場合は、

  1. コンピュータに電源が入っている場合は、電源を切ります。
  2. キーボードの「Shift」、「Control」、「Option」、パワーの各キーを同時に押し、パワーマネージャをリセットします。このとき「fn(ファンクション)」キーは押さないでください。
  3. 5 秒間ほど待ちます。
  4. パワーボタンを押してコンピュータを再起動します。

後日談

電源をオンにするときにマウスを押しっぱなしにするというのもメディアの強制排出に有効な方法のようです。

2004.10.03

「理系のためのMacで始める研究生活」

「理系のためのMacで始める研究生活」

著者:多田真作著、税込価格:¥ 924(本体:¥ 880)、出版:講談社、ISBN:4062574543、発行年月:2004.09【bk1】【amazon.co.jp】【目次

理系の研究者の中でも、シェアの下がっているMacの解説本をこの時期に、しかもブルーバックスから出すということで、かなり意欲的な本です。macオタクを自称する私は迷わず買いました。著者の方は研究者を中心としたマックのユーザーグループLaboFinderの代表を長い間務めていた方です。

著者の方は化学が専門とのことで、私たち医学生物学が専門の研究者とは使うソフトも思いの他、異なっていますし、シェアウェア、フリーウェアを中心に紹介するというものなので、比較的多くのソフトを使っているつもりの私でもほとんど聞いたことのないソフトが多く登場してきます。

「理系のためのMacで始める研究生活」というタイトルにつられて、医学生物学系の大学院に入り立ての方が購入したとしても、実践的にはあまり役立たないでしょう。化学分野の研究者でこれからMacを使おうという方には役立つのかもしれませんが、ソフトの使い方を説明するより、パソコンを使った知的生産技術の原理、仕組みの解説に力点を置いている本ですから、タイトルから受けるような初学者向きの本ではけっしてありません。原理、仕組みからさらに理解を深めたいという中級以上のMac使いの方のための本だと思います。

私の個人的な感想としては、他の分野の方がどのような使い方をしているのかを知り、また、MacのOSでのグラフィックの扱いの本質的な部分を学べたという点でてとも興味深かったとともに、ほとんどタイトルからは脱線した、将来的な学術論文のあり方について述べた第4章も興味深いものでした。

2004.10.01

イラストレーターの豆知識

自分のメモもかねてIllustratorのテクニックをいくつかまとめて、「イラストレーターの豆知識」というページを作ってみました。その中から「Illustratorで作ったアートワークをPowerPointに貼り付けるときに背景が白くなるのを避ける方法」を紹介してみます。

右のようなアートワークをIllustratorで作って、JPEG形式で保存して、PowerPointに貼り付けると、背景が白くなってしまい、背景が白でないPowerPointスライドに貼り付けると、違和感のある図になってしまいます。

Illustrator CSには新しく「Microsoft Office用に保存...」という機能がついています。「Microsoft Office用に保存...」ではアートワークを150ppiのPNG形式で書き出します。ただし、この書き出しには問題があって、「Microsoft Office用に保存...」で保存すると、透明部分は白くなってしまい、上記の問題は回避されません。

透明を含むアートワークをPowerPointに貼り付ける場合には、「Microsoft Office用に保存...」を使わずに、「ファイル→データ書き出し...」を使い、PNG形式で書き出します。PNGオプションで、解像度を「標準(150ppi)」、背景を「カラー:透明」にします。こうすれば、Illustratorで作った透明を含むアートワークを透明を保ったまま、PowerPointに貼り付けることができます。

ただし、Mac OS XでPowerPoint Xを使っている場合は、PowerPoint X側の問題で、透明を含むPNGファイルが正しく表示されない(ドロップシャドウが粗くなるなど)という不具合があります。背景に透明を使わずに、背景の色をPowerPointのスライドの背景色と同じにして書き出すとよいでしょう。フルカラーではなくなってしまいますが、「web形式で保存」からGIF形式を選ぶという手もあります。最新版のPowerPoint 2004では問題ないようなので、アップグレードするのも手です。Windows版のPowerPointではこの不具合はないようです。

私一押しのIllustrator本がCSに対応しました。秋の学会シーズン、1枚刷りのポスターに挑戦される方は是非ご一読下さい。

「Illustrator CSの仕事術 基本/ビジネスグラフィック編」

著者:高橋正之〔ほか〕著、税込価格:¥ 3,045(本体:¥ 2,900)、出版:毎日コミュニケーションズ、ISBN:4839914214、発行年月:2004.08【bk1】【amazon.co.jp】【目次】

この本は絶対におすすめです。Illustratorをさわるのが全く初めてという人向けの本ではありませんが、一通りIllustratorの機能を触れた人が、Illustrator使いになるために必要なことがほとんどすべて書いてあります。ポスター1枚刷りをIllustratorで作る人は絶対に買って下さい。CS対応になってほとんど書き直しているというのもすごいです。


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