2004.12.17

Photoshopの小技:電気泳動の写真をまっすぐにする

核酸の電気泳動の写真やWesternの写真をスキャナーで取り込んだとき、ななめになったバンドを簡単にまっすぐにする方法の紹介です。

まずは電気泳動の写真をスキャナで取り込みます。条件はゲルの大きさにもよりますが、私の場合、グレースケールの8bitで、解像度300dpi程度にしています。ファイルの大きさを小さくするため、スキャンの際にある程度トリミングします。

このままでバンドの部分を切り出すと、下のようにかなりバンドが曲がってしまいます。

[イメージ]→[カンバスの回転]→[角度入力...]で試行錯誤で角度を入力して、まっすぐになるようにカンバスを回転してもいいのですが、以下のようにすると一発でまっすぐにすることができます。

スポイトツールの後ろに隠れているものさしツールを使います。ものさしツールは、オブジェクトの長さや角度を測るためのツールです。

電気泳動のバンドに沿って直線を引きます。

そうすると、情報ウィンドウには、いま引いた直線の長さと角度が表示されます。

これで、1.5度反時計回りにカンバスを回転させてやれば、まっすぐになることがわかりました。ただし、ここがPhotoshopの賢いところなのですが、この状態で、[イメージ]→[カンバスの回転]→[角度入力...]を開くと、まっすぐにすべき角度がすでに入力されている状態になっています。

そのまま、OKボタンを押すと、自動的にカンバスが反時計回りに1.53度回転され、まっすぐになります。

あとは、バンドの部分をきりとって完成。

2004.12.16

廣岡慶彦氏著の英語の本の紹介

廣岡慶彦氏が書かれた研究者向けの英語の本の紹介です。生物医学系ではなく、表紙も地味目なのでうちの大学の生協ではちょっと目立たないのですが、研究者向けの英語本としては結構売れているようです。今回、5冊とも手に入れてみました。

廣岡慶彦氏はアメリカで15年間UCSDで核融合炉工学の分野の研究者として研究をおこなうともに学生の指導をおこなっていました。彼によれば、最初の5年間は英語で毎日苦しみ、次の5年間はやっと原稿なしにプレゼンができるようになり、最後の5年間は並のアメリカ人よりプレゼンがうまいと言われるようになったそうです。何とかなるさと準備もせずにプレゼンに出かけてなんとなるようになったのは、渡米後10年経ってだそうです。

廣岡氏の著作は、ジャパンタイムズから2冊、朝倉書店から3冊出ています。ジャパンタイムズのものは、英語論文の書き方、研究者向け英語でのコミュニケーションの2冊、朝倉書店の方が出版が新しく、中上級者向け英語でのプレゼン、入門者向け英語でのプレゼン、研究者向け英語でのコミュニケーションの3冊になっています。

廣岡氏の本に共通しているのは、「この表現は日本の英語の教科書などにはほとんど出てこないが、アメリカの日常では決まり文句、こういったシチュエーションでの常套句」といった例文を中心に載せていることでしょう。確かに、「日本では聞いたこともないけど、アメリカではみんなが使っている」と、アメリカにいたときに感じた私の感覚によく一致していました。やや高飛車な印象を受ける解説文だったりしますが、これくらいズバリ言ってくれた方がありがたいです。難点は、例文の数が少ないこと。著者の意図としては、「こんなに少しで大丈夫だろうかと心配する前にまず本書で取り上げた表現をマスターしてください」とのことです。折に触れて、辞書のようにして使うというよりは、通読してマスターするというタイプの本です。

おすすめは「理科系のための状況・レベル別英語コミュニケーション」「理科系のための入門英語プレゼンテーション」でしょうか。

「学会出席・研究留学のための理科系の英会話」

著者:広岡慶彦著、税込価格:¥ 2,100(本体:¥ 2,000)、出版:ジャパンタイムズ、ISBN:4789009890、発行年月:1999.12【bk1】【amazon.co.jp】【目次】

国際会議に出席したときや研究留学したときのシチュエーションを想定して、日本ではあまり聞かないが、アメリカでは常套句といった生きた英会話例文を中心に解説。巻末の推薦状の書き方、学会のレセプションの司会やスピーチを頼まれたとき、も参考になります。


「理科系のためのはじめての英語論文の書き方」

著者:広岡慶彦著、税込価格:¥ 2,310(本体:¥ 2,200)、出版:ジャパンタイムズ、ISBN:4789010384、発行年月:2001.03【bk1】【amazon.co.jp】【目次】

英語論文執筆の基礎知識、論文執筆上の修辞法、論文各セクションの描き方のコツ、付録となっています。


「理科系のための実戦英語プレゼンテーション」

著者:広岡慶彦著、税込価格:¥ 2,835(本体:¥ 2,700)、出版:朝倉書店、ISBN:4254101821、発行年月:2002.04【bk1】【amazon.co.jp】【目次

研究者向けプレゼン英語本。国際学会で必要な英会話についても言及。あとから「理科系のための入門英語プレゼンテーション」が執筆されたので、中上級者向けということになっています。


「理科系のための入門英語プレゼンテーション」

著者:広岡慶彦著、税込価格:¥ 2,625(本体:¥ 2,500)、出版:朝倉書店、ISBN:4254101848、発行年月:2003.04【bk1】【amazon.co.jp】【目次】

研究者向けプレゼン英語本。国際学会で必要な英会話についても言及。「理科系のための実践英語プレゼンテーション」がやや難しいという意見もあり、その入門編として作られました。入門者向けの例文と中級者向けの例文を並べて掲載するというスタイルになっています。


「理科系のための状況・レベル別英語コミュニケーション」

著者:広岡慶彦著、税込価格:¥ 2,835(本体:¥ 2,700)、出版:朝倉書店、ISBN:4254101899、発行年月:2004.02【bk1】【amazon.co.jp】【目次】

シリーズ最新刊。研究者が国際会議や海外で遭遇するシチュエーションを想定して、日本ではあまり聞かないが、アメリカでは常套句といった生きた英会話例文を中心に解説。「理科系のための入門英語プレゼンテーション」で好評だった入門者向けの例文と中上級者向けの例文を並べて掲載というスタイルになっています。

関連書籍は「研究者の書棚:科学者のための英語本」と「研究者の書棚:研究者のためのプレゼンテーション」をご覧下さい。

2004.12.12

2004年ベスト:研究留学ネットで紹介して売れた本ベスト20

研究留学ネットはamazon.co.jpのアフィリエイト契約をしています。研究留学ネットで紹介してあるリンクをたどってamazon.co.jpで購入して頂いた場合、こんな本が売れましたよというレポートが見られます。2004年1月から11月までに研究留学ネットを通して、amazon.co.jpで購入された書籍でどんなものが売れたか集計してみました。その結果、もっとも売れた本ベスト20は以下の通りです。研究留学術は、まあ、いいとして、売れている本の傾向としては、英語に関連する本が多いようです。

  書名  
1 研究留学術 amazon.co.jp
2 医学・生物学研究者のための絶対話せる英会話 amazon.co.jp
3 アメリカの研究費とNIH amazon.co.jp
4 ポスター発表はチャンスの宝庫! amazon.co.jp
5 アクセプトされる英語医学論文を書こう! amazon.co.jp
6 医学・生物学研究者のためのホンネのアメリカ留学マニュアル amazon.co.jp
7 デジタル文献整理術 amazon.co.jp
8 アット・ザ・ヘルム amazon.co.jp
9 医学英語論文の賢い書き方 amazon.co.jp
10 アメリカで困らないための本 (生活編) amazon.co.jp
11 学会・論文発表のための統計学 amazon.co.jp
12 これから論文を書く若者のために amazon.co.jp
13 医薬研究者のためのケース別統計手法の学び方 amazon.co.jp
14 バイオサイエンス研究留学を成功させる とっさに使える英会話 amazon.co.jp
15 科学者のための英文手紙の書き方 amazon.co.jp
16 アメリカ暮らし すぐに使える常識集 amazon.co.jp
17 道具としての統計学 amazon.co.jp
18 アメリカで困らないための本〈健康・医療編〉 amazon.co.jp
19 生命科学者のための実践!英文email講座 amazon.co.jp
20 科学者のためのポスターセッションガイド amazon.co.jp

2004.12.08

2004年ベスト:今年すべったWhat's new!

みなさんが選んで下さったWhat's new!がだいたい私のベストもカバーしているので、逆に、すべってしまったWhat's new!を選んでみました。

2004.10.7の「DVDが出てこない!」

ここにのせた写真は自分なりには会心の写真なのですが、、、。いまいち受けなかったですね。

2004.9.30の「Macのシェア」

最後に、「研究留学ネットは来月からは研究者のためのMac情報サイトに衣替えする予定。」と書いたあとに、こわくなって、薄い字で「って、ウソだけど半分本気。」と書いたけど、本気にされてしまったかしら。

2004.5.4の「ゴールデンウィーク」

「今年は思い切ってMount Rushmoreを見に行ってきました。」と書いたら、「連休にアメリカ行ってきたんですね」と何人からも声をかけられる始末。もちろんあの写真は本物のMount Rushmoreなんかではありません。鬼怒川のMount Rushmoreです。 うーん、残念。

2004.12.06

2004年ベスト:読者が選ぶベストwhat's new!

おかげさまで12月6日午後5時頃に150万アクセスを迎えました。みなさんから選んで頂いたwhat's new!ベスト8を発表します。

順位 Date Title
1 9月14日 PubList Maker 作ってみました
2 11月20日 そうだ! 京都に行こう!
3 10月22日 日本プロ野球
4 2月7日 論文のサーベイ
4 9月30日 Macのシェア
4 11月25日 「アメリカの税金と確定申告の基本」のページアップデート
7 5月31日 アメリカのサイエンスのしくみ 第二弾「NIHグラントのしくみ」
7 7月23日 シアトル再訪〜シアトルも暑かった

私としては、自分自身が自信を持って送り出したPubList Makerを選んで頂いてとても光栄です。また、こんな趣味をのせてもいいのかなと思いましたが、第2位の京都の写真も多くの方の支持を集めました。 そして、私にとっては意外だったのが、第3位の記事でした。私が自分なりに決めている様々な掟(What's new!で扱う話題、文体、など)を破ったことに皆さん驚かれたのでしょう。

第一位となった記事を支持して下さった方が5名を越えました。私の方でどなたと選ぶのは難しかったので、抽選とさせて頂き、下記の5名の方にプレゼントを差し上げることとなりました。

   田畑様、SE様、ヤマ様、HIKARU様、morokeng様

今回のプレゼント企画は、今後のWhat's new!をどうしようかという思いもあり、読者の方の意見を聞きたいという意図がありました。アンケートに答えて下さった方の大半は、今のままの雑多な感じでよいのではないかという意見でした。ビザの最新情報、写真、B級グルメ、本の紹介、役立つwebサイトの紹介、コンピュータのTIPS、好きなようにやったらいいという意見が多かったです。こんな感想もいただきました。

「何でこのネタを振ってきたのだろうとか続き物はどこからつながってきたのか分からなくなって前のを見ているときに思わぬ拾い物をしたりして、なんかおもちゃ箱というか玉手箱というか。これからもいろんなネタで楽しませてください。」

そう、What's new!は私にとってのおもちゃ箱なんです。

だいぶ元気が出てきました。ありがとう。

2004.12.04

2004年ベスト:手に入れたコンピュータ関連機器

今年はコンピュータ本体を買いませんでした。仕事場のメイン機は去年と同じPowerBook G4 15インチ(アルミニウム)です。でも、本体はそのままでコンピュータ周りがかなり変わりました。現在の環境はとても気に入っているので、この環境を作り出してくれた周辺機器3つをベスト3として選んでおきます。

ベスト3の話をする前に、自分のコンピュータ環境を説明しておきます。

去年までは、PowerBook G4 15インチ(アルミニウム)を毎日持ち運び、仕事場でも家でも一つのマシンですませていたのですが、さすがに、重さに耐えられなくなってしまいました。今年はじめからは、仕事場に PowerBook G4 15インチ(アルミニウム)を、家にはPowerBook G4 15インチ(チタン)をおいて、外付けハードディスクで家と仕事場のデータの同期を取るようにしました。仕事場を出るときに、変更のあったファイル(「差分ファイル」と読んでいます)とメールのデータだけハードディスクにコピーして、家に着いたらそれを家のPowerBookにコピーしています。朝、家を出るときは逆のことをしてやります。コピーするファイル数はたいした数でないので、コピーにかかる時間は1分以内です。この方式のメリットは自分のデータが家のPowerbookと仕事場のPowerBookと外付けハードディスクの3カ所に残されるということです。3セットのデータを持てるので、かなり強固なバックアップ体制がとれます。

さて、こんなわけで、仕事場のメインのコンピュータはPowerBook G4 15インチ(アルミニウム)になったのですが、実は私、このPowerBookのキーボードが非常に苦手なのです。アルミの手触りが引っかかるような感じがする上、静電気でしびれるような感じがします。結局、長時間、このPowerBookのキーボードをタイピングできず、外付けキーボードとマウスを使うようになりました。そうすると、今度はディスプレイの質もあまり気に入らず(その当時はアップルが正式に認定していませんでしたがホワイトスポットの症状が出ていました)、やはりもっと大きなディスプレイが欲しくなりました。さすがに23インチは机におさまらなかったので、20インチのシネマディスプレイを買うことにしました。

PowerBookはふたを完全に閉めても、外部ディスプレイに出力することができます。PowerBookをしめた状態で20インチシネマディスプレイの2つの足の間にちょうどおさまりますので、机の上は広々と使えます。

そのうちに、ワイヤレスのキーボードとマウスが出たので、これらを使うとケーブルがなくなって、いっそう机の上がすっきりしました。ちなみに、私の机はこんな感じになっています。右側にある黒いディスプレイはWindows用です。一応、Windowsユーザーでもあるんです。

もちろん、Power Mac G5をPowerBookとリプレイスすることは可能ですし、その方がはるかにコンピュータのスピードは速くなるのですが、私はあえて、PowerBookをCinema Displayにつなげるという方法をとっています。もちろん、Power Mac G5のような大きな箇体をおくスペースがないというのも理由の一つなのですが、仕事場以外の場所でPowerBookが必要になったり、講義で必要になったりするので、でかけるときはコード類をはずしてPowerBookを持ち出して、仕事場に戻ったらつなげるというスタイルがとても気に入っています。Appleには10年ほど前に、PowerBook Duoという革新的なノートブックがあり、出先ではノートブックとして使い、オフィスに戻るとDuoをDuo Dockに差し込むと据え置きコンピュータとして使えるというシステムがありました。その当時はものすごい値段(たしか100万円近かったのでは)がしましたので、とても手が出ませんでしたが、PowerBookプラスCinema Displayというのは当時のDuoのシステムを再現したものだと思っています。

というわけで、2004年の私が手に入れたコンピュータ周辺機器ベスト3は

「Apple Cinema Display (20 inch)」

アップルコンピュータ

「Apple Wireless Keyboard (JIS)」

アップルコンピュータ(2003/10/31)、価格:¥ 10,881(税込)、ASIN:B0000DKBIC【amazon.co.jp

「Apple Wireless Mouse」

アップルコンピュータ(2003/10/31)、価格:¥ 8,825(税込)、ASIN:B0000DKBIG【amazon.co.jp

ということになります。

2004.12.02

2004年ベスト:手に入れたエレクトロニクスベスト3

今年、手に入れたエレクトロニクスベスト3の発表です。

「Nikon D70 デジタル一眼レフカメラ レンズキット [AF-S DX ズームニッコールED 18-70mm F3.5-4.5G(IF)セット]」

ニコン(2004/03/19)、価格:¥ 149,800(税込)、ASIN:B0001FTPGE【amazon.co.jp

今年手に入れたエレクトロニクスベスト1はなんといってもこれですね。なかなかD70を持って撮影に出かけるチャンスはないのですが、私の休日を大きく変えてくれました。D70をもっていったことで、シアトル、京都の紅葉をとても楽しむことができました。欠点はお金がかかること。レンズをはじめいろんなアクセサリーが欲しくなってしまいます。


「Apple iPod 40GB (Click Wheel) Mac&PC [M9268J/A]」

アップルコンピュータ、価格:¥ 44,940(税込)、ASIN:B0002OW6P6【amazon.co.jp】【Apple Store

第一世代のiPodから第四世代のiPodへの買い換えだったのですが、容量以外にも使い勝手も目立たないながら確実に進化しています。


「SONY CLIE PEG-TH55-B (エグゼブラック)」

ソニー(2004/02/14)、価格:¥ 39,800(税込)、ASIN:B0001IXUI0【amazon.co.jp】【sonystyle

3つ目は難しいのですが、TH55かな。オリジナルでは使いにくかったので、クリエオーガナイザーは使わないことにして、今回はいろんなソフトを入れまくってとても使いやすくなりました。


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